2021年11月8日【助成金や補助金】の消費税について
■「それであれば
 消費税の免税事業者ですね。」
 
 事業が軌道に乗り
 売上高がそれなりの規模になってくれば、
 『納税』においても
 注意していく必要があります。
 『消費税』もその一つで、
 【前々年の課税売上高が
 1千万円を超えることになれば、
 その2年後である当期は
 『課税事業者』となる】
 わけですね。
 そこで今回は、
 その『消費税の課税売上高』として
 考えていくものについて
 見ていくことにいたします。
■まず大前提として、
 【消費税はその対価性があって
 初めてその消費税の対象になる】
 という考えが。
 『対価性』とは、
 【取引の相手方から
 商品やサービスを受けたり、
 
 逆にこちらの方が商品やサービスを
 提供することにより受け取る
 金銭について初めて、
 消費税の課税対象となる】
 ということなんですね。
 逆を言えば、
 【対価性のない一方通行の取引については、
 消費税の対象外となる】
 という考えとなるわけです。
■具体的に言えば、
 商品を仕入れて売った場合は、
 『その商品の対価』としての
 代金を受け取るため、
 これは『対価性があるもの』
 として消費税の課税対象と考え、
 【課税売上高になる】
 ということになります。
 その一方、
 『土地の貸付』については、
 土地は『消費』という性質に
 馴染まないものであることから、
 土地の貸付をして収入を得た場合は、
 消費税は『非課税』となり、
 【非課税売上高】
 として捉えるわけです。
■では、
 『消費税の対象外』となる取引としては
 どのようなものがあるのでしょうか。
 上述した『土地の貸付』については、
 対価性があるものの、
 【結果として『消費』という性質に
 馴染まないため消費税は非課税である】
 という取り扱いになるんですね。
 しかしながら、
 『対価性がない』というのは、
 そもそも一方通行の取引であるため、
 【消費税法の管轄外】
 ということになるわけです。
■具体的な例をあげると、
 何らかの損害があったことによる
 『保険金の収入』、
 従業員を雇用している関係の
 『雇用調整助成金』や、
 『キャリアアップ助成金』など、
 一般的な助成金。
 そしてここ最近では、
 『持続化給付金』や『一時支援給付金』、
 『家賃支援給付金』
 などといった給付金、
 持続化補助金などについても、
 【これは対価性がない】
 ということで一方通行であると考え、
 【消費税の対象外】
 になるというわけなんですね。
■そして、
 この『消費税の対象外』
 となるものについて、
 仮に『消費税の課税売上高』として
 カウントしていたとしたらどうでしょうか。
 まず、その消費税の
 納税義務を考えるにあたっては
 【前々年の課税売上高】
 をベースにして考えますので、
 前々年にこの対象外となる
 助成金や補助金の収入を課税売上高として
 カウントしていたとしたら、
 【当期は実際のところ免税事業者なのに、
 課税事業者となってしまう】
 ということが考えられます。
 そして、
 納税義務者である当期において、
 上述したような助成金や補助金を
 課税売上としてカウントしていたとしたら、
 本来かかっていない消費税を
 誤って課税売上高として
 申告してしまうため、
 税務署に上述したような
 【本来かかっていないような
 無駄な消費税を納付してしまう】
 ということになりかねないわけです。
 冒頭の会話の一幕は、
 まさに助成金や補助金を課税売上高に
 入れる必要がないため、
 前々年に多額の助成金や補助金を
 もらっていたとしても
 免税事業者となることが分かった
 という状況でのことでした。
 
 
■このような、
 【消費税の課税対象となるのか否か】、
 そして、
 【そもそも消費税の対象外なのか】
 ということは慎重に判断して、
 その消費税の処理を適切にしたいものです。
 消費税はその額も積み重ねると
 本当に大きなものになるため、
 十分な注意が必要ですね(汗)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・消費税の納税義務の判定にあたっては、
 【2年前の課税売上高】をベースに考え、
 
 【当期は実際の課税売上高に対する
 消費税をベースにして
 その納付する消費税を考えるもの】
 
 である。
・注意しないといけないのが、
 『給付金』や『補助金』など
 
 【消費税のそもそもの対象外となるもの】
 について。
 これについては、
 【対価性がないため、
 一方通行の取引であり、
 ここに消費税はかかってない】
 という考えとなる。
・消費税の対象外のものを
 課税売上高にしてしまうと、
 
 【その消費税の納税義務の
 判定を誤る可能性がある】
 のはもちろんのこと、
 今が消費税の課税事業者であれば、
 【本来納付する必要がない
 無駄な消費税を税務署に納付している
 可能性も出てくる】
 ため、くれぐれも注意が必要である
 ものと心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。	





