2022年1月31日法人の場合の【資本金】の考え方
■事業をスタートするにあたって
【個人事業主でスタートするのか、
法人としてスタートするのか】
ということはなかなか難しい
テーマではないでしょうか。
その他にも個人事業から
法人成りをするタイミングについても
いろいろな観点からの思索が必要である
と言えます。
■その中で
『法人』となると、
いろいろと決めないといけないことが。
その中の一つとして
【法人名】
があります。
法人名は悩み出すと
なかなか決まらないものですよね…
その他にも
【事業年度(何月決算にするのか)】
そして
【資本金を決定する】
ということもまた考えられます。
■ここでは、
『株式会社』について見ていくのですが、
【資本金は株主が会社に出資をした金額】
というのが原則の考え方になります。
多くの場合は自分が作る会社ですので、
スタートの株主は自分一人。
そして
【その会社に出資する金額も
自由に決めることができる】
というわけですね。
■そんな中で、
【どういった金額を資本金として
会社をスタートするか】
ということなのですが、
資本金は『株主からの出資金』
という意味合いではあるものの、
その株主は自分自身なので、
なかなかピンとこないものですよね。
そんな中、
資本金を違う視点で見た際に、
【外部の信用力】
といった見方をすることもできます。
結局のところ、
資本金が多ければ多いほど、
「この会社は本気なんだな」
と思われ、その信用力が高まるものですし、
逆に極端に少ない金額だと、
「表面上会社を作ったに過ぎないのかな…」
と思われてしまっても
不思議ではありません。
■そして、
この資本金は、
【今後会社を運営していく上での
軍資金である】
とも言えます。
この会社に出資をした際の
会計帳簿の処理としては、
『資本金』という純資産が増えるとともに
『現金』という資産が増える
という処理をするんですね。
この
【資本金が増えて現金も増える】
というのが、会社が誕生した瞬間の
会計処理となります。
■そして、
通常の場合その現金を
会社の通帳に入れるのですが、
場合によっては
【会社の通帳には入れずに
現金のまま置いておく】
ということも考えられるでしょう。
とは言え、その『現金』という項目は、
実際にその現金そのものが手元にある
というよりは、
『個人の財布に入っている現金を
会社のものにした』
という状況を表すためのいわば
【架空の現金】
という表現が適切なように感じます。
したがって、
資本金と同額の現金が
会計帳簿に載っていたとしても、
【それは実際には
会社には存在しない現金】
ということなんですね。
そのように考えると、
極力この架空の状況である現金
という存在は避けたいので、
【早期の段階で
この資本金に相当する金額を
個人の通帳から会社の通帳に移したい】
というところ。
■ここで先程のお話に戻るのですが、
【資本金は会社の軍資金】
ということでした。
当然軍資金ですので、
それを上回る支払いが
会社からあった際には、
【その時点で会社は
資金ショートしてしまう】
ということになります。
そういった際にはどうするのでしょうか。
そんな際には
【個人が法人に現金を入れて、
その現金を会社の運営資金に使っていく】
ということになりますよね。
これが俗に言う
【代表者借入金】
と言われるもの。
■結局のところ、
軍資金である資本金を
使い切ってしまった後は、
【その代表者から会社が借入をし、
その代表者のプライベートのお金を
会社の運営資金に回していく】
ということになるわけです。
したがって、ごく少額の資本金を
会社の資金としているとしたら、
【それに伴い、
代表者借入金が増加してくる】
ということも一般的な現象です。
■『資本金』については
いろいろな考えがあるのですが、
感覚として、『対外的な信用』
を考える上では
【100万円以上の資本金に設定すること】
をオススメいたします。
これは私の感覚ではあるのですが、
『数十万円の単位』までの資本金となると、
何となく見た目が悪いような印象を
受けてしまうものなんですね。
そのような気付きがあった際に、
増資をして資本金を増加させることも
可能なのですが、
そうなると、法務局に登記している
情報を変える追加の費用が
かかってくることになります。
■会社の設立にあたり、
特に『資本金』については
スタートの段階で、
その想定し得る未来を鑑みて、
適切な額を設定するようにし、
そして、その額を早期に
普通預金に入金するようにしましょう。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・法人設立にあたり、
【資本金の金額を決める】
ということは重要な項目の一つである。
・往々にして『対外的な評価』
を得ようとする際には
【100万円以上の資本金に設定すること】
が有効であるものと心得ておくべし。
・法人のスタートの段階では、
この資本金は【現金】として
帳簿上計上されてくるものであるが、
これは【架空の現金である】
とも言えるため、
その存在を明確にするべく、
【早期の段階で個人の通帳から
法人通帳にこの資本金相当額を移すこと】
を検討したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。