2023年5月2日【共同経営】はその多くが失敗しているという事実から検討すべきこと
今日は税務調査で東京日帰り。
今朝は福岡空港からの配信です。
せっかくの東京行きだけど、
今日は税務調査オンリーな日となりそうです。
朝早くの飛行機ですが、
なんとか頑張って調査対応をして
まいりたいと思います!
さて、本題です。
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■税務相談を受けさせていただくにあたり、
往々にして
【創業時に関する相談】
が少なからずあります。
創業時のご相談ともなると、
【どのように事業を展開していくのか】
ということから、
【役員報酬(場合によっては役員賞与)を
どのように設定するのか】
などという、
【会社の方向性を決めるとともに
税務の判断をしていく】
ということが。
■そして
創業をする際は、
【友人や知人、経営者の先輩などの
知恵を借りながら進めていく】
ということも多いのではないでしょうか。
そのような中で、自分のみならず、
【他の人も経営に参画して
事業を進めていく】
ということも考えられるかもしれません。
俗に言う『共同経営』と呼ばれるものですが、
結論として、私は
【共同経営については
どちらかといえば反対】
という立場を基本にしています。
■と言うのも、
私がこれまで多くの経営者の方と
お会いしてお話を伺った中で、
そして実際に税理士として
一緒にお仕事をさせていただいた中で、
【共同型の経営でうまくいっているのは、
全体の5%ほどしかない】
ような感覚です。
逆に言えば、95%については、
何かしらの揉めごとにより
共同経営を解消し、
【それぞれがバラバラになってしまう】
という状況が見受けられます。
■単に
経営の面でバラバラになるだけでは
良いのですが、往々にして
【その原因はお金のこと】
でありますので、経営のみならず、
【人と人との繋がりが崩壊してしまう】
ということが少なくないんですね。
せっかく、想いを共にしてスタートを
切った仲間が、そのような
【お金が原因で離れていく
というのはなんとも辛いこと】
ではないでしょうか。
■そんな中、
共同経営をするにあたり、
場合によっては
【役員や株主として会社に入る】
ことを検討されることもあろうかと思います。
役員であればまだ良いのですが、
株主として入ってもらうとなると、
【会社の株を持ってもらう】
ということになりますので、
【少なからずその影響が
会社に及んでしまう】
ということも。
■創業した当初は
同じ方向を向いて想いを共にして
スタートを切るものですので、
何も問題ないように感じられるものですが、
いざ事業がスタートして
その事業が進み順調に進んでいけば、
【利益の分配で揉める】
ものですし、逆に順調に事業が
進んでいなければ、
【経費の負担などについて揉める】
ということにもなりかねません。
■そのような中で
株主に入っていると、
当然会社のことに口出しを
されるわけですので、
【創業者の思いもよらぬ方向へ
お話が進んでいく】
ということにもなりかねない
わけですね。
このことについては
過去の記事でも書かせていただいており、
実は、この記事が
過去最大のクリック率となっています。
もう7年前の記事なのですが、
不動の人気のようです(笑)。
<2016.8.14共同経営って、簡単なようで・・・>
そのような背景から考えても、
【かなりの人が共同経営について
悩んでいる】
ということが考えられそうですね。
■そのような
問題を解決する方法があるのですが、
それは、
【無議決権株式を発行する】
ということ。
無議決権とはつまり
【議決権のない株式】
のことであり、
【株主総会などで会社に口出しを
できない株主のこと】
なんですね。
議決権がないので会社に口出しすることは
できないということであるのですが、
その反面、会社が配当金を払う
ような場合には、
【その利益の分配を享受する
権利は当然存在する】
という形態です。
場合によっては
こういった無議決権株式を発行し、
会社が順調に育てば、
【これを分配するという形をとって
事業をスタートする】
のもいいかもしれませんね。
■何度も申し上げますが、
【共同経営はその多くが失敗している】
という現状があります。
創業時は希望ある未来を胸に
経営を考えるなのですが、
それはいわば
【希望的観測】
になっていないでしょうか。
希望的観測ほど怖いものはなく、
そのまま突き進んでしまうと、
【経営が立ち行かなくなる】
ということも考えられます。
希望がある未来とともに、
万一の悲観すべき未来も想定し、
両者を戦わせ、
【バランスの良い選択】
をすることをお勧めいたします。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・創業するにあたり、
【共同経営】
という選択肢を持つものであるが、
往々にしてそれは
【失敗に終わることが多い】
ということを心得ておくべし。
・その失敗する原因は
【利益の分配や経費の配分など】
について、揉めるということであり、
こういったことにより
【経営の関係のみならず
人間関係も崩壊する】
ことが少なくないというもの。
・そのような中で考えたいのが
【無議決権株式の発行】。
つまり、
【議決権を有しない株主を
仲間として充てがう】
ことにより、会社の利益を
分配するものの、
【会社の方針には口出しをさせない】
という形式を取ってみてはいかがだろうか。
・どうしても
【創業時は希望的観測】
をもとに経営を組み立てて
しまいがちなものであるが、
【それは早計であるもの】
と心得ておくべし。
・希望ある未来と、
万一の悲観すべき未来を天秤にかけ、
【ちょうど良いバランスで
経営を組み立てていく】
ことも重要であるということを
肝に命じておきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。