2024年8月22日役員貸付金の【銀行と税務の両面でのコワさ】
6月決算法人の決算申告処理がヤマ場を
迎えています。
通常面談とも並行して進んでいますので、
破竹の勢いで仕事をしている感覚なのですが、
スタッフと共に、確実に的確に、
一つひとつ仕事をこなしていこうと
思います。
さて、本題です。
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■以前の記事の中で
たびたび決算対策についてのお話を
させていただいています。
決算対策については、様々な注意ポイントが
あるのですが、
特に『役員貸付金』については、
細心の注意を払っているという状況です。
■なぜかと言えば、
役員に対して貸付金が出ている
状況においては、
法人のお金をその役員が自由に使って
しまっているという状況を表していること
になりますので、
金融機関の融資においては、そのような
会社に融資をするということは
どうしても考えにくいというところ
なんですね。
■そのような点において、
役員貸付金の状態になっていないか
ということには特に注意をして、
決算書の見栄えを良くすることに
努めているというところです。
今日はその役員貸付金についての税務的な
論点をお話ししてまいります。
■役員に対して貸付をしている状況は、
金融機関の評価のみならず、
税務上でも問題が出ることになります。
具体的にどういった点に問題が出るか
と言えば、
【役員に対する貸付金に関しては、
その貸付金に対しての利息をその役員から
徴収しなければならない】
という考え方があるんですね。
■法人がその役員から
利息を取るということですので、
それはすなわち法人の収益になる
ことになります。
この利息のことを特に「認定利息」と呼ぶ
のですが、この認定利息を適切に計上
しているかどうかには要注意なんですね。
そしてこの認定利息の利率については、
その法人が金融機関などから借入をして
その貸付をした場合は、
その借入金の利率によるものとされています。
■その他の場合においては、
その年度によって利率が
異なってくるのですが、
令和6年中に貸し付けたものに関しては
0.9%の利率になります。
これは、年度ごとに金利の見直しがあった
際に、その状況を適切に反映させるために、
こういった年度ごとの利率が設定されている
という状況なんですね。
<国税庁HP->
金銭を貸し付けたとき
■そしてこれに関しては、
期末の貸付金残高にそのまま利率を
乗じれば良いというものではなく、
各月の残高の平均値などを把握して、
その平均値を元にした金額に利率を
乗じることにより認定利息を計上する
ということになります。
こういった点にも要注意ですね。
■役員貸付金に関しては、
金融機関の評価においてもマイナスですし、
税務上でも、こういった利息の計上を
しなければならないというデメリット
もありますので、
役員に対して貸付金がある場合は特に、
こういった点を重視して、
そもそも貸付金が発生しないような
工夫を心掛けたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・役員貸付金が発生している状況は、
金融機関の評価においても、
税務的にもマイナスであると言える。
・税務的には、
役員貸付金に対して認定利息を
その役員より徴収する必要があるもの
と心得ておくべし。
・どうしても役員に対しての
貸付金が発生してしまうと、
上述してきたようなデメリットが
想定されるため、
そもそも貸付金を発生させないような
工夫を法人として実施して、
万一発生した場合は、これを極力早期に
解消すべく、その解決策を見出したい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。