2024年9月15日役員報酬決定の際は【社会保険料の負担】の考慮も忘れずに!
今日は子どもたちが通うスクールの
環境美化の日。
その場にいるだけで、そしてそこに集う人たち
と一緒にいるだけで、自分のあるべき姿を
見つめ直すことができる、
そんな不思議な空間だなと、
いつも思うところです。
今日も清掃をしながら、自らを見つめ直すこと
ができたら・・と思っています。
さて、本題です。
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■法人としての事業をスタートするにあたり、
まず最初に役員報酬の決定を
しなければなりません。
役員報酬については、その事業年度中に
見込まれる売上や経費を予測して、
その予測した利益をもとに役員報酬の額を
検討するというのが通常でしょう。
■事業が拡大するなどして、利益がかなり
上がっている状況下においては、
その役員報酬の額も自らが取りたい
金額分を役員報酬として取る
ということになるのでしょうが、
特に初期の段階においては、法人と個人の
税負担のバランス、そして生活費として
必要な額を試算して、
それをもとに役員報酬を決定する必要が
あるというところ。
■そして役員報酬を支払う際に考慮しない
といけないのが、
『社会保険料の負担』なんですね。
社会保険料は、ざっくりと言うと、
法人と個人の負担を合計して
30%かかってくることになりまので、
その支払おうとする役員報酬の3割の
社会保険料が余分にかかってくるという
視点を持っておかなければなりません。
参考までに、こちらは福岡県の
社会保険料率表です。
福岡県・社会保険料率表
■そして法人については、
年800万円以下の所得であれば、
消費税以外で20数%という法人税率
ですので、
この社会保険料の30%と比較すると法人税
の方が少なくなるというわけなんですね。
法人の経費としては、その折半額の15%では
あるのですが、
実質的な一人社長である場合は、30%と考える
べきであるため、
そういった社会保険料のことも念頭に置いて、
役員報酬を決定する必要があると言えます。
■そしてその損益の予測をする際は、
決して希望的観測により損益の予測をする
のではなく、言わば悲観的観測をも
視野に置き、
その真ん中あたりのイメージで現実的な
ところでの損益の予測をすることが
大切かなというところ。
こういった慎重な試算をせずに役員報酬を
決定してしまうと、
思いのほか利益が上がらなかった場合に、
役員報酬の分だけ損失が増えてしまう
ということにもなりかねません。
■またそれのみならず、上述したように
役員報酬には社会保険料が生じますので、
その多額の役員報酬に応じた30%の
社会保険料がかかってくることになり、
相当な負担を強いられることになって
しまいます。
逆に言えば、控えめな役員報酬を設定する
ことにより、
社会保険料の負担は免れることが
できるわけですね。
■法人から個人にお金を移す際は、
基本的に役員報酬でのみしか現金を移せない
ということは念頭に置いておくべき
なのですが、
この社会保険料の負担をトータルで考えて
その額を設定することは大変重要
であると言えます。
■どうしても希望的観測をもとに損益の
試算を組み立てがちなのですが、
税務の視点から役員報酬を決定する際は、
悲観的観測の側面も重視して、
その折衷案としての現実的な損益の
予測をして、その役員報酬の額を
決定したいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・役員報酬を決定する際は、
希望的観測と悲観的観測の折衷案で
損益の予測をして、現実味を帯びた
試算をすることが肝要であると言える。
・役員報酬には社会保険料が
法人負担分と個人負担分トータルで
30%ほどかかってくることになるため、
その社会保険料の負担を適切に考慮して、
役員報酬の額の決定の際に役立てたい
ところである。
・どうしても社会保険料の負担が大きいため、
損益の予測の際はくれぐれも慎重に、
かつ、現実味を帯びた試算をして、
最も有効な役員報酬の試算をすることを
心掛けておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。