2024年12月8日【コンサルなどのサービス業】の売上計上時期について
昨日に続いて、今日もフル稼働で
仕事をしてまいります。
本格的な繁忙期前のアドバンテージは
かなり大切ですので、
今日一日走り抜けて、明日からの通常
運行に備える予定。
今日はラジオ体操第一・第二と筋トレから
の始動で、すごく爽やかな気分です。
さて、本題です。
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■先日の記事の中で、費用の未払計上に続き、
売上の売掛計上をすべきことを書かせて
いただきました。
<2024年12月6日意外と多い【売上の計上漏れ】について>
今日も売上のことについて、前回に続けて
お話をしていきたいと思います。
■以前の記事でも書かせていただいたように、
商品についてはその『納品が完了』した
タイミングで、
サービスについては、その『サービスの提供
が完了したタイミング』で、
売上高を計上すべきということでした。
■このサービスの提供に関しては、
コンサルティングなどの場合、
これから予定されている
コンサルティングの料金を前もって
受け取るケースがあるでしょう。
そのような際、上述したサービスの提供が
完了した時点で売上高を計上する
という理屈から考えると、
当然ことながら、
【サービスの提供が終わっていない時点
でいただいた代金については、
売上高とはならない】
ということになるわけですね。
具体的には、『前受金』という負債の科目
になります。
■そしてそのサービスの提供が完了した時点で、
その都度前受金から売上高に振り替える
という処理をしていくわけですね。
資金繰りからすれば、現金が入ってきている
にもかかわらず、これを売上高としない
わけですので、
納税の面においても、実際の入金に比べて
納税が少なくなる結果となり、資金繰りが
有利になると考えることができます。
■ただ注意が必要なのが、
今年度において前もっていただいている
代金があり、これを前受金として処理して
いるとしたら、
翌年以降においてこの前受金が売上高に
振り替えられるわけですので、
その売上高となった年度においては、
その分の資金は入ってくるわけでは
ないため、
その年度の税負担が増え、場合によっては
資金繰りが苦しくなってしまうという
ことにもなりかねません。
税負担が増えるというよりも、税金に
耐え得るキャッシュが残っているか
どうかということが問題なんですね。
■こういった点においては、前受金となった
時点で、つまり入金があった時点で、
将来売上高として振り替わり、そのこと
により出てくる納税を加味したような
金額をプールしておくことが
ベストなのですが、
そのようなことをしていない場合に
おいては、この前受金が大きくなれば
なるほど、
これが売上高に振り替わったタイミング
での納税によるキャッシュアウトが
大きくなるということが想定されます。
■そしてもう一点の論点として、
【この前受金は管理が相当大変である】
と面もあります。
どうしてもそのコンサルティングなどの
案件ごとの管理をすることが必要であり、
その都度トータルの期間と、消化した期間を
把握して、その消化した期間分を売上高
として計上し、
未消化分については前受金として
計上し続けるということになります。
こういったことは事務的にかなり煩雑
であるということは、念頭に置いた
方が良いでしょう。
■そして税務署の視点を考えると、
税務署側としては、前もって売上高を
計上すること、
つまり利益が増えて納税が増えること
については、大目に見てくれる
ということが考えられます。
したがって、これは少々税務上のルール
とは脱してしまうところなのですが、
入金があった時点で売上高として処理する
ことにより、前倒しで売上を計上しておく
というのもまた、
一つの経理方法として考えたいところ
なんですね。
■とはいえ、原則はサービスの提供が
完了した時点で売上高にすることですので、
万一税務調査でそのことを指摘された際は、
従わざるを得ないことになるでしょう。
ただ、この煩雑さを加味した事務処理に
要する時間と、税務調査で指摘されるという
ことを天秤にかけた際に、
どちらの方が経営にとってプラスであるか
ということを考えた方が良さそうです。
■というわけで今回は、
コンサルティングなどのサービスの提供が
完了しているかどうかにより、
売上高とするかどうかという点が
変わってくるため、
そのことを記事にさせていただきました。
こういった点も知っているのと知らない
のとでは、結果としての税額に大きな
差が出てまいりますので、
上述してきたようなことをを念頭に置き、
適切な会計処理と納税を心掛けるように
したいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・コンサルティングなどのサービスの提供に
関しては、
前もってその代金いただいて、その後の
サービスの提供は翌年以降となることも
想定される。
・そのようになった際、入金があった時点で
前受金として経理をして、
そのサービスの消化があったタイミングで
前受金を売上高とする処理が必要となる。
・ただ、その前受金の管理はかなり煩雑
であるため、
場合によっては入金ベースで売上高
計上するのも一つの方法であろう。
・大切なのは、経営に注力する時間を
なるべく多く設けて、
本来的に大切なことに時間を費やすこと
により経営の成長を目指すこと
であるため、
そのようなことを念頭に置き、
適切な税務や会計の処理を心掛けたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。