2024年12月18日誤りがちな【値引きの会計処理】について
今朝は妻、長女、次女がインフルエンザ
に感染したことがわかり、
朝からてんやわんやでした。
私はなんとか健康を保っているのですが、
油断ならぬ状況ですので、
気を抜かずに健康管理に努めたいと
思います。
(ご面談のご変更をいただいた方々、
本当にありがとうございました。)
さて、本題です。
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■商売の関係上において、
場合によっては取引先から商品代金の
値引きを受けることもあろうかと
思います。
商売の慣習においての値引きは大変
ありがたいことなのですが、
この値引きについての会計処理は十分
注意する必要がありますので、
今日はそのことについてお話をして
いきたいと思います。
■例えばですが、A商品30万、B商品40万、
新商品50万を買ったとしましょう。
そしてこの値引きを9万円受けたとします。
この9万円の値引きがA商品やB商品、
C商品の単一の商品からの値引きという
ことが明示されていれば良いのですが、
場合によっては、すべて一括したところ
からの値引きとしての9万円、
ということが記載されているケースが
あるかもしれません。
こういった場合には十分注意が
必要なんですね。
■どういった点に注意が必要かと言えば、
単に各商品について3等分して3万円ずつの
値引きというわけにはいかず、
それぞれの比重に応じてこの値引額を
按分していく必要があります。
A商品については、A、B、Cの合計額が
120万円のうちのAが30万円ですので、
これを値引き9万円としたところでの
割合をとると、2.25万円の値引きと
なります。
B商品については、120万円のうち40万円
ですので、3万円の値引きとなり、
C商品については同じように考えると
3.75万円の値引きとなります。
そうなると、A商品については27.75万円、
B商品については37万円、
C商品については46.25万円となる
わけですね。
■こうなると、青色申告をしている場合の
少額減価償却資産の特例を考えた際、
A商品については値引前は30万円
ちょうどであったため、
この特例の適用対象となる30万円未満
には該当しないことになり、
この商品については資産計上すべきもの
となります。
■しかしながら結果として27.75万円となり、
30万円未満となりますので、
このA商品については少額減価償却資産の
特例が使えるということに
なるわけですね。
B商品とC商品については、値引前も
値引後も30万円以上であるため、
これは原則通り資産計上となります。
こういったケースにおいて、それぞれの
単価の比重をもとに値引きの金額を
配分していく必要があるということは、
十分注意しておくようにしましょう。
■こういった点については、
上述したような少額減価償却資産の
特例について要注意であると
言えるわけですが、
この単価が大きくなればなるほど、
減価償却資産として計上する金額も増え、
またその値引きの額の割合に応じて、
それぞれの減価償却資産として計上される
金額も異なることになります。
■もしこれが備品や機械装置などの場合で、
耐用年数が異なるものとしたら
どうでしょう。
当然、耐用年数が短い方に金額をもって
いけばもっていくほど、
早期の段階に減価償却をできる金額が
多くなるということになります。
こういった際に、上述した値引きのルール
に応じて適切に値引きの金額を配分しない
ことには、
実際とは異なる取得価額となってしまいます
ので、その点には要注意ということ
なんですね。
■また、機械装置を新品で160万円以上として
購入した場合、
場合によっては特別償却や特別控除を
使うことができます。
こういった場合においても、この値引きの
処理をすることにより、場合によっては
160万円を切るということも考えられ
ますので、
そのようなことも念頭において、
この値引きの処理については十分注意
するようにしましょう。
■こういった論点については、
どうしても都合の良いように解釈して
有利な値引処理をしてしまいがちな
ものですが、
現実はそうはいかないため、
上述してきたようなことを念頭に置いて、
適切な値引処理をして、同じく適切な
会計処理と減価償却などを心掛けるように
しましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・商品の値引きについては、その一括した
値引きであれば、
その金額の比重によって、その値引きを
配分すべきであるものと心得ておくべし。
・その値引きを適切にしないことには、
試算すべき金額などが事実と異なって
しまうものであるため、
十分注意をして値引処理することが
必要であると言える。
・こういった値引処理については、
減価償却のほか特別償却や特別控除にも
影響を及ぼしかねないため、
上述してきたようなことを念頭に置き、
適切な会計処理と税務申告を心掛けたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。