2025年7月7日税務調査における「重加算税」を熟知しておく
今日からまた1週間のスタートですね。 今週は源泉所得税の納期限でありますので、 最後までぬかりなくしっかりと 取り組んでいきたいと思います。 七夕ではありますが、 かなりバタバタです(寒)。 さて、気を取り直して本日の本題です。 ================== ■この記事の中ではよく 節税対策のお話をしているのですが、 節税対策は当然のことながら、 合法的な範囲内でしなければなりません。 当然といえば当然なのですが、 よく「バレなければいいや」ということで、 法律を犯すような節税を考える経営者も いらっしゃるのもまた事実。 これは節税ではなく、 明確な「脱税」ですので、 くれぐれも注意したいところです。 今日はそんなことについて、 お話を進めていきたいと思います。 ■倫理観的に問題があるのはもちろん、 法律を守るという意味でも、 脱税は絶対にやってはいけません。 私が「お客様の立場に立って考える」と 申し上げることがありますが、 それをもって 「脱税も認めてもらえるだろう」と 勘違いされてしまうことがあります。 (特に開業初期の時期はよくありました…) しかしながら、それは全くの誤解であり、 脱税は絶対にしてはいけないご法度です。 むしろ、そういう思考の経営者は 経営の伴走をすることができません。 ■我々は税理士として仕事をしている わけですので、 税法やその他の法律に基づきながら 法律の専門家として仕事をしています。 したがって、それをひっくり返すような 脱法行為ともいえる脱税は、 当然のことながら提案しないし、 同意もしません。 ■その上での今日のお話なのですが、 税務調査に入られて指摘をされる際に、 通常の指摘と、悪質な脱法行為とも いえるようなものの指摘があることが あります。 ■前者は通常の修正申告などで 対応できますが、 後者はいわば犯罪行為ですので、 それなりの罰が待っているというところ。 税務調査で言うその罰が、一般的によく 知られている「重加算税」 というものですね。 ■重加算税は、仮装・隠ぺいと見られる 行為があった際に課される税金。 例えばですが、出張旅費規定を整備して、 実際には出張していないにもかかわらず 出張旅費を使っていた、 という「カラ出張」や、 外注先に仕事をしたように見せかけて 経費計上する「架空外注費」。 さらには、親族に対して、 実際に仕事をしていないのに 税金を減らす目的で給料を支払ったように 見せる「架空人件費」など、 このような行為は、 重加算税の対象になります。 ■重加算税とは、「重く加算される税」 という意味で、 本来の税金に加えて35%や40%という 大きな税率が課されるものです。 <法人税の重加算税の取扱いについて-国税庁HPより> ■そして、より怖いのは、 通常の税務調査では調査対象が3年、 長くても5年であるところを、 重加算税の対象になると、最大7年間まで 遡って調査される可能性があるということ。 ■さらに深刻なのが、重加算税を課されると 税務署の「ブラックリスト」に 入ってしまうということです。 ブラックリストに載ると、今後の税務調査が 頻繁になることになるんですね。 要は「犯罪を犯すような危険な企業」 としてマークされ、 短いスパンで調査が入ってくるということ。■そして、それに関連して我々税理士が 戦わなければならないケースもあります。 それは、税務署が重加算税を課そうと しているものの、 実際には仮装・隠ぺいとは言えない単なる 認識違いや処理の誤りに過ぎない場合。 こういったいわば「悪意のないミス」で あるにもかかわらず、 それを無理やり重加算税とされるケースが 実のところ少なくないんですね。 このような「冤罪」とも言える事案には、 我々が毅然と立ち向かう必要があるのです。 ■そもそも税務署が重加算税を取りたがる 背景には、それを課すことで 調査官自身の「人事評価」に影響するという 事情があります。 当然ながら、調査官も人間ですので、 自身の評価を意識して行動しているのは ある意味自然かもしれません。 しかし、その結果として冤罪的な重加算税が 課されてしまってはたまったものでは なく、決して許されるものではありません。 このようなことを防ぐためにも、 我々税理士や経営者は、 日々の適正な経理処理を行うこと、 そして調査時にも毅然と対応することが 重要なわけですね。 ■というわけで、今日は重加算税について お話をしてまいりました。 重加算税は、本来 「法律を犯して税を下げようとする」 不当な行為に対して課されるものであり、 そのような行為をそもそもしないことが 大前提です。 そこに加えて、それに該当しないケースで 重加算税を課されそうになった場合には、 しっかりと立ち向かう姿勢が必要です。 そのようなことを踏まえて、 適正な経理処理と、税務調査への対応を 行っていきたいものですね。 ================== 《本日の微粒子企業の心構え》 ・税務調査で重加算税を課されると、 本税に加えて35から40%の加算税が 付いてしまうことになる。 ・重加算税が課されると、 最大7年遡って調査をされ、 なおかつ、税務調査のブラックリストに 載ることになってしまうところ。 ・調査官の評価目的による 不当な重加算税にも要注意である。 ・そのようなことから、 日頃から適正な経理を行い、 適正な申告を心がけるともに、 不当な調査時の重加算税の主張には、 毅然と対応していきたいものである。 --------------- 今日も最後までお読みいただき、 ありがとうございました。