2025年8月14日30万円未満の資産が経費にできない!?
今日はお盆中日ということで、妻の実家の方に行ってまいります。
翌日は私方のお墓参りに行く予定で、長距離の運転が続きますが、事故に気を付けつつ、安全運転で行ってまいりたいと思っているところです。
このお盆休み中は、せかせかしている車も多いですので、皆さんも十分に注意されてくださいね。
さて、本日の本題です。
特例適用には書類添付が必須
税金の計算において特例的な制度を受けようとする際には、書類の添付が必要となります。
この添付を怠ると、本来経費にできるはずの支出が経費算入されず、納税額が増えてしまう可能性がありますので、十分注意が必要です。
倒産防止共済の添付書類
具体例としては、倒産防止共済が挙げられます。
法人における倒産防止共済については、法人税申告の際に「別表十(八) 社会保険診療に係る損金算入に関する(中略)明細書」を添付する必要があります。
<別表十(八)社会保険診療報酬に係る損金算入、農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る所得の特別控除、特定の基金に対する負担金等の損金算入及び特定業績連動給与の損金算入に関する明細書>
別表十(八)
(名前長すぎですね・・汗)
これを添付しないと、せっかく掛金を支払っていても損金算入が認められず、法人税の負担が増えてしまいます。
また、個人事業主の場合も同様で、「特定の基金に対する負担金等の必要経費算入に関する明細書」の添付が必要です。
こちらも添付を忘れると経費化が認められないため、注意が必要です。
(こちらも名前は長いのですが、法人と比べるとシンプルに見えるという錯覚を感じます。)
また、金融機関の評価において、かなり大切な論点としてこちらもご参考ください。
<2024年8月12日【倒産防止共済の経理・申告処理】には要注意!>
https://muratax.com/2024/08/12/8034/
少額減価償却資産の特例と添付書類
続いて、少額減価償却資産についてのお話です。
これは、青色申告をしている法人や個人事業主が取得した30万円未満の資産について、一定条件のもとで全額を即時経費にできる特例です。
本来10万円以上の資産は減価償却の対象ですが、この制度により即時の経費化が可能になります。
ただし、年間の限度額は300万円までなので、この点も押さえておくようにしましょう。
法人の場合、この特例を使う際には「別表十六(七) 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」の添付が必要です。
添付を忘れると通常通り固定資産として計上し、減価償却しなければなりません。
資産区分の記載漏れに注意
さらに、この明細書には資産区分(種類・構造・細目)の記載が必要です。
事業供用年月などは減価償却ソフトから自動転記されることが多いですが、資産区分は自動反映されない場合があり、記載漏れが起きやすい部分です。
実際、税務調査でこの記載漏れが原因で即時の経費化が認められなかった事例もあり、本当に怖いポイントなんですね。
まとめ:経費処理と添付書類の徹底
このような書類の添付に関しては、税務調査で必ず指摘されるとは限りませんが、もし指摘されれば経費化ができなくなってしまう可能性があります。
そのようなことから、経費処理をするとともに、書類の添付と必要事項の記載は漏れなく徹底したいところです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・税金の優遇規定を受けるには、書類の添付が必須となるケースがある。
・倒産防止共済は法人・個人いずれも別途明細書の添付が必要であるものと心得ておくべし。
・少額減価償却資産は別表十六(七)の添付と、資産区分の記載漏れ防止が重要であるため、忘れるべからず。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。