2025年8月28日法人が【赤字を出す】ことについて
あっという間に今週も後半に差し掛かり、木曜日ですね。
今日は月に一度の事務所内の全体ミーティングです。
全体ミーティングは業務が立て込みすぎていて、しばらくできないままになっていたため、今日の開催が今からすごく楽しみです。
さて、本日の本題です。
法人が赤字になることへの不安
法人経営をされている方からよくある質問として「法人の利益が赤字になることの懸念点」がありますので、今日はそのことについてお話ししたいと思います。
法人で利益が赤字になるというのは、経営状態が芳しくないということですので、当然ながら望ましいことではありません。
そのような中で、赤字を出すことに不安を感じて、そのメリットとデメリットについて相談を受けることが少なくないんですね。
赤字のメリットは「欠損金の繰越控除」
まず、メリットとして挙げられるのは「欠損金の繰越控除」です。
これは青色申告をしている法人に限られますが、現行の法律では赤字を10年間繰り越すことができます。
翌期以降の黒字と相殺できるため、将来の節税効果につながるのが唯一にして最大のメリットでしょう。
赤字の最大のデメリットは「信用の低下」
一方で、デメリットは「信用の低下」です。
法人が赤字だと、金融機関からの融資に慎重にならざるを得ません。
赤字だと、そもそも返済できないと考えられ、返済能力が疑われるため、融資が受けにくくなるということです。
取引先からの財務状況開示要求も
また、取引先から取引開始にあたって、財務状況の開示を求められるケースもあります。
売上の得意先や、場合によっては仕入れ先の法人と取引をするにあたり、「財務状況を見せてくれ」ということを言われることがあるんですね。
個人的には、なぜそのような情報を開示しなければならないのかということで、そのお相手との取引をしないという選択をとりたいところですが、
実際の経営においてはそうも言っていられないということがあるでしょう。
そのような際には、この財務状況、つまり特に利益の状況によって取引先の評価が決まってくるということが考えられるわけですね。
そのようなことから、取引先との関係においても、基本的に赤字はマイナス評価につながるということを考えた方が良いでしょう。
「営業利益」が黒字なら評価は変わる
ただし、特に金融機関の融資関係の評価においては、法人の最終利益が赤字でも「営業利益」が黒字であれば、多少評価が変わることも。
本業での儲けを表す営業利益が黒字であれば、本業の収益力はあると見なされ、金融機関や取引先からの信頼をある程度確保できるわけです。
したがって、どうにかして営業利益を黒字にする工夫が必要になるでしょう。
この具体的な対策については、いろいろとありますので、また別の記事で触れていきたいと思います。
赤字のメリット・デメリットを把握する
法人が赤字を出すことについては、上述したようなメリットとデメリットがありますので、その影響をしっかり把握して、自社にとって最も有用な判断をしていきたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人が赤字を出す唯一のメリットは、欠損金の繰越控除により10年間損失を繰り越せることである。
・デメリットは金融機関の融資や取引先からの信用が低下することが考えられる。
・最終的に赤字であっても営業利益は黒字にして、最低限の信用を担保することを心がけるべし。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。