2025年12月22日個人事業主の【親族への支払い】の注意点
さあ、今日は年末最後の仕事稼働週となりますね。
弊所においても金曜日までの業務となり、土曜日から1月5日までは年末年始の休暇に入ります。
年末調整をはじめ、かなり業務が立て込んできていますので、しっかりと抜かりなく進めていきたいところです。
さて、本日の本題です。
個人事業主にとっての年内ラストスパート
12月に入り、個人事業主の方については、
いよいよ年内の大詰めの時期となってきました。
場合によっては、節税対策を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
節税を考えるにあたっては、
「お金を使う節税」と「お金を使わない節税」の両面から検討することが大切です。
<2025年1月22日まずは【お金を使わない節税】から!>
https://muratax.com/2025/01/22/8590/
節税はお金を「使わない」→「使う」の順番で
検討の順番としては、まず「お金を使わない節税」を検討し、
そのうえで「お金を使う節税」を最終的に検討するという流れが基本となります。
<2020年12月25日個人事業主の節税策・最後の二点について>
https://note.com/muratax/n/ncb79bbcdbb5f
お金を使わない節税の代表格として挙げられるのが、親族に対する労務の対価の支払いではないでしょうか。
この労務の対価としての支払いは、主に「給料」と「業務委託」の二つに大別されます。
厳密には他にも形態はありますが、大枠としてはこの二つと考えてもらって大丈夫です。

給料と業務委託の基本的な違い
まず給料について。
給料とは、雇用契約を結び、親族の労働時間や業務内容に応じて、賃金として対価を支払うものです。
一方で業務委託については、時間給という概念ではなく、基本的には成果物に対して報酬が支払われる形態となります。
個人事業主が特に注意すべきポイント
そして、個人事業主の場合、この「給料」と「業務委託」については、特に注意が必要です。
まず給料については、支払う相手が「同一生計の親族」か、
それとも「生計を別にしている親族」かによって取り扱いが異なります。
生計を別にしている親族に対しては、親族であっても同一世帯ではないため、
原則として外部の従業員と同じように給料を支払うことができます。
ただし、その親族を扶養に入れているなどの状況がある場合には、
実質的に同一生計と判断される可能性もあります。
その場合には、給料としての支払いは基本的に認められないと考えるべきでしょう。
青色事業専従者給与という例外
一方で、税務署に事前に「青色事業専従者給与」の届出を行うことにより、例外的に同一生計の親族に対して給料を支払うことが可能となります。
<青色事業専従者給与に関する届出手続>
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/12.htm
この青色事業専従者給与を経費とするためには、
原則として、「その年の3月15日まで」に届出を提出する必要があります。
例えば、令和7年分から青色事業専従者給与を支給する場合には、
令和7年3月15日までに届出書を提出しておく必要があります。
ただし、新たに専従者として加わった人がいる場合には、
その人が専従者となった日から2か月以内に届出を提出することで、
その年分から青色事業専従者給与を支払うことが可能に。
なお、青色事業専従者給与については、
「青色申告をしている方に限定」されますので、その点にもご留意ください。
同一生計親族への業務委託はNG
ここまでは給料の話でしたが、
次に確認しておきたいのが「業務委託」についてです。
基本的に、同一生計の親族に対する業務委託料は、
所得税法上、一切認められていません。
よくある誤ったものとして、同一生計の親族に業務委託料を支払い、
それを経費にするというケースが。
しかし、事業所得の計算において、同一生計の親族に支払った業務委託料は経費にすることができません。
この点については、十分に注意しておく必要があります。
親族への支払いは「専従者給与」を軸に
いずれにしても、親族への支払いにおいて「青色事業専従者給与を経費にできる」という点は、
しっかりと念頭に置いておきたいところです。
もちろん、業務内容や従事時間に応じて、
適正な給与額を設定することが前提となります。
その点をクリアしたうえで給料を支払うのであれば、
親族への対価の支払いによって、適切な節税を図ることも可能です。
そのようなことから、もし親族の方が実際に事業所得に関するお仕事をされているのであれば、
実態に即した形で親族への対価を支払い、
合理的な節税を考えていきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・親族に対する給料は原則として認められておらず、例外として青色事業専従者給与が認められている。
・青色事業専従者給与を経費とするためには、事前に税務署への届出が必要であることを念頭に置いておくべし。
・同一生計の親族に対する業務委託料は認められていないため、親族への支払いについては、青色事業専従者給与の活用を検討したいものである。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。






