2023年5月27日法人税申告の際【決算書のお化粧】はできていますか?
今週は特に早く感じた一週間でした。
3月決算法人の決算申告もいよいよヤマ場。
申告時点での最終的な擦り合わせには、
かなり力を入れています。
さて、そんなことから今日の本題です。
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■冒頭にも書かせていただいた通り、
ここ最近は、3月決算法人のご面談が
相次いでいます。
【3月決算法人は、3月末締めの法人】
なのですが、
【法人税などの申告については5月末まで】
となります。
これは以前の記事でも
書かせていただいていることですが、
決算にあたっては、
【節税対策と決算対策】
をしていくことに。
<2021.6.7決算において、節税の他
もう一つ考えるべきこととは>
https://note.com/muratax/n/nfeb33ac87504
■節税対策とは、
3月決算であれば
【3月31日までに対策を
打つべきことを検討するもの】
で、決算対策とは、
【事後的に申告をする
タイミングで最終的な検討する】
というもの。
往々にして3月末までに
対策をするものについては、
3月31日までに実際の現金を移動
したりなどという必要があるため、
これは
【決算日までに対策をしていく必要がある】
というものです。
■一方、
5月31日までに取り組む
ものについては、
実際の現金を動かす必要はなく、
メインとしては
【財務諸表 (貸借対照表や損益計算書など)
の数字を整えていく】
というようなイメージなんですね。
■法人において
税務上で大切なのは
節税対策ではあるのですが、
金融機関の融資などを見据えた際は
【決算対策もまた重要である】
と言えます。
もっと言えば、
【節税対策と表裏一体の関係に
あるのが決算対策】
なんですね。
■我々納税者側は、
税務署に対しての申告の際、
【なるべく利益を少なく、
納税を小さくし、
資金の流出を防ぎたい】
というものです。
それに対して金融機関の評価上は
【利益が多く、納税も多い状況を
作るのが得策】
であると言える状況。
儲かっていない会社に融資したとしても、
今後返済してもらえるか…と考えると、
やはり貸したくないものですよね。
ただ、ここからが大切なお話で、
【金融機関の評価上は、損益計算書の
最終的な利益は同じであるとしても、
作り方によって、金融機関の印象が
大きく変わる】
ということがあるんです。
■そこで今回は、
その中でも『営業利益』という利益
について考察をしていきたいと思います。
営業利益とは
【本業での儲けを表す利益】
なんですね。
売上から仕入や外注費などの
原価を引いた結果の利益が
『売上総利益』で、
ここから販売費及び一般管理費を
差し引いたものが『営業利益』となります。
営業利益とはつまり、『本業での儲け』
ですので、これが
【マイナスになっている
ようでは評価が厳しくなる】
というのが通常なんですね。
■そのように考えると、
営業利益をプラスに
持っていこうとするためには、
(売上と原価は変えられないという
前提に立った際、)
上述した
【販売費及び一般管理費を
少なくしていく他ない】
と言えそうです。
■具体的に言えば、
販売費及び一般管理費として
計上されているもののうち、
【将来の新事業に費やしている
ものはないか】
と考えます。
もしそのような将来の新事業に
費やされている支出があるとしたら、
場合によっては
【開業費という資産の科目】
にこれを振ることができるかもしれません。
経費を資産に変えるわけですので、
【経費が減り、利益が増える】
という仕組みですね。
■また場合によっては、
販売費及び一般管理費に
上がっている経費を、
【営業外費用や特別損失に持っていく】
というのもまた一つの方法
であると言えるでしょう。
これを積極的に検討したいのが、
例えば助成金や補助金などが
雑収入という『営業外収益』に
計上されている際、
これに紐付いている費用も同じく
【営業外費用に持ってきたい】
というところ。
■こうすることにより、
販売費及び一般管理費から
営業外費用や特別損失に
その数字を持っていくことが
できるわけですので、
【その分営業利益が増える】
ということになります。
このような方法により、
最終的な利益は変わらないとしても、
【見せ方(魅せ方)を変える】
ということがかなり重要なんですね。
■「現金は経営においての血液である」
と言えます。
そのようなことから考えると、
節税も大切ではある一方、
やはり金融機関の評価を見据え、
【経営においての現金を増やす】
が如く、金融機関の評価を取り付け、
有効に融資を受けていきたいところ。
■適切に、上述したようなプロセスを理解し、
節税をしながら、なおかつ
金融機関の評価も良くなるよう、
その対策をしていきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・決算や申告の際は、
【節税対策と決算対策が
有効になってくるもの】
と心得ておくべし。
・基本的に節税対策は、
【決算日までに実際の現金を移動
することなどにより対策をするもの】
である。
・一方、決算対策に関して言えば、
決算日後、事後的に財務諸表の
化粧直しをするが如く、
【数字の見せ方(魅せ方)を変えていく】
というもの。
・経営において、『現金は経営の血液』
とも言えるものであるため、
金融機関の評価を適切に取り付け、
融資を有効に受けることができるよう、
節税対策と共に、上述した決算対策も
併せて検討していきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。