2023年8月12日業績低迷時に検討したい【法人から個人事業主への移行】
お盆休みに入っていますが、
ここでペースを崩さないのが大切だなと
よく思うところです。
ともすれば、休みだということで
暴飲暴食に走ったり、夜更かしをしたり
しがちなのですが、
ここで日々の生活習慣をフラットにし、
早朝の時間を有効に使うことが
(私にとっては)かなり重要だなと。
…とは言え、3人の娘はテンションが
おかしくなって、
昼も夜もどんちゃん騒ぎ。
ただ、父ちゃん騒ぎにだけはならないよう、
自分を戒めたいものです。
さて、本題です。
------------------
■個人事業からスタートして
事業が順調に進んだ場合においては、
マイクロ法人という段階を経て、
【完全に個人事業そのものを法人に
移行する法人成りを検討すること】
があろうかと思います。
法人成りのメリットとしては、
【社会的な信用が得られる】
ということのほか、個人事業では
所得税の累進課税などにより、
税率が高税率になってしまった場合に、
【個人の税負担を縮小する】
という効果も見受けられるわけですね。
■しかしながら法人となると、
利益が上がっていなくても、
【最低7、8万円ほどの均等割
という税金を払わなければならない】
ということ、そして代表者である
自らのへ役員報酬に加え、従業員がいる場合、
勤務時間などの状況によっては
【社会保険に加入しなければならなくなる】
ということもまた、事業における
資金繰りとっては大きいもの
と言えるでしょう。
■そのように考えると、
業績が順調で法人になったとしても、
もしその後事業規模が縮小する
などして経営状況が悪化した場合、
【法人のままいることがデメリットとなる】
ということも考えられるわけですね。
そのような際には、ぜひ
【個人事業主に戻る】
という選択を検討するようにしましょう。
法人成りをすれば、必ず法人のまま
進まなければならないかと言えば、
決してそうではなく、
場合によっては『個人事業主に戻る』
という選択肢もあり得る
というわけなんですね。
■法人でいることになると、
上述した
【従業員の社会保険料の負担】
に加え、
【均等割の税金がかかってくる】
わけですが、これが個人事業主
となると、
均等割は5千円から6千円程度
ということが通常で、
また基本的に従業員が少なければ
(業種によりますが)社会保険に加入する
ということもなくなります。
■その一方で、『欠損金の控除』が
法人だと10年間使えていたものが
【個人事業主になると『3年間』と、
法人より短くなってしまう】
ということは視野に置いておかなければ
ならないかもしれません。
また親族に対する給与についても、
法人については特に事前の届出なく
支払えたのですが、
所得税においては、
【生計同一親族に対する給与に
ついては青色専従者給与の届出】
をしなければなりません。
そういった点には十分注意が必要
であると言えますが、
法人のままいることにより、
税負担が大きくなった際は、ぜひ
【個人事業主に戻る】
ということも選択肢において
その後の事業展開を考えるとよいでしょう。
■ただ、この個人事業主に戻るという選択は、
基本的に業績が悪化するなどして
【法人のままでいることについて
税負担が増加した場合に限られる】
と考えておきたいもの。
というのも、法人で存続していた状態から
個人事業主に成り代わると、
消費税の判定においては、
個人事業主としての前々年の
課税売上高(消費税の対象となる売上高)
で判定しますので、
その前々年の課税売上高が1千円以下
である場合においては
【個人事業において免税事業者になる】
わけですね。
これは仮に前々年の法人における
課税売上高が1千万円を超えていたとしても、
【個人事業主に戻った年度については
前々年の課税売上がないわけですので、
免税事業者となる】
ということになります。
■ただ、これに関しては
基本的に『租税回避行為』である
と考えておくようにしましょう。
【租税回避行為とはつまり法を
犯してしまっている状態である】
というわけですね。
考えてみると分かることなのですが、
通常であれば法人のままいることにより
消費税の課税事業者となり
消費税の納税義務が出るわけですが、
これを
【個人事業主とするだけで
その納税が免除される】
となるといかがなものでしょうか。
常識的に考えて、
「そんな都合の良い話はない」
というのが通常の考えでしょう。
したがってそのような
【消費税などの租税回避行為を
目的として個人事業主に戻る
ということは絶対にやめる】
ようにしましょう。
社長のマインドとしても美しくないですね。
■というわけで今日は、
法人成りをしたものの、
または、法人を設立してスタート
したものの、
【業績が芳しくなく、個人の方が適している
ようなケース】
についてお話をしてまいりました。
法人成りのメリットはやはり、
【個人と法人の税負担が均衡する】
ことでしょう。
もし法人においての業績が
芳しくなくなってきた際には、
【個人事業主に戻る】
ということも選択肢において、
その事業の行く先を
検討するようにしましょう。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・法人を立ち上げたものの、
その業績が芳しくなく、
法人と個人の税負担が
辛くなってきた際は、
【個人事業主に戻るという選択】
をしてみてはいかがだろうか。
・法人でいることにより、
【社会保険が強制加入】
なること、例え赤字であっても
【7万円から8万円の
均等割の負担をしなければならない】
ということなどを考えると、
業績が芳しくない状態においては
【個人事業として経営を
進めていく方が有効である】
ことも考えられる。
・ただし、消費税の租税回避行為などを
目的として個人事業主に戻る行為は、
法的に許されるものではないため、
その点も重々注意しておくべきもの
と心がけておくべし。
・何はともあれ、経営においては
【現金が経営の血液】
とも言える存在であるため、
【手元により多くの現金を
残すために必要な方策】
はどのようなものであるか
ということを適宜検討し、
経営の行く先を有意義に決めて
いきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。