2024年3月25日インボイスの【2割特例】が使えるかどうかの解釈には要注意!
まだ昨日の卒業式の余韻が。
本当に素晴らしい仲間との出会いに
心より感謝ですね。
今日明日で大阪出張。
仕事の合間を縫っての弾丸出張では
あるのですが、
しっかり学びを深めてきたいと思います。
さて、本題です。
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■個人事業主においても法人においても、
次第に
【インボイスの期間を加味した
ところでの申告書を作ること】
が多くなってきました。
消費税は仕組みがただでさえ複雑ですので、
このインボイスに関する税解釈なども
的確にしておかなければ、
【結果として誤った申告】
にもなりかねませんので要注意ですね。
■インボイスに関しては、
免税事業者である事業者の方であっても、
【『インボイスの登録事業者』となること
により、課税事業者】
となります。
そしてこの免税事業者がインボイスの
登録により初めて課税事業者になる
パターンにおいては、
計算方法として、『2割特例』が
使えるんですね。
2割特例とは、簡単に言えば
【売上でもらった消費税の2%を
税務署に納付すれば良い】
という制度になります。
■消費税は原則として、
売上でもらった消費税から
経費や資産の購入に際して支払った消費税を
差し引いた残額を税務署に納付するという
『原則課税』が基本なのですが、
売上でもらった消費税に対して、
業種により一定の税率を乗じて納付する
消費税額を計算するという『簡易課税制度』
という規定で計算することもできます。
■つまり、『簡易課税』の場合は
【支払った消費税は一切関係なく、
もらった消費税のみしか考えない】
ということになるわけですね。
2割特例も分類としては
この簡易課税に類するものとなっており、
【支払った消費税は一切考えずに、
売上に対する2%の納税で済む】
ということになります。
■2割特例については、簡単に言えば、
「本当は免税事業者だったのに、
インボイス登録により課税事業者
となって大変だよね」
ということから、
【計算を簡単にする】
ということと、
【多くの税負担を強いられないようにする】
ということから創設されているような
制度になります。
■これについては
向こう3年間は2%なのですが、
その後3年間は5%となり
【それ以降はこの特例自体がなくなる】
ということが現行の制度では
決められています。
(とは言え、ここに関しては
変わっていくことも想定されます。)
そしてこの2割特例が使えるかどうか
が『本来は免税事業者である』という状態が
原則ですので、
【前々年度の課税売上高が1千万円を超える】
状態になれば、本来的には免税事業者で
なくなるわけですので、
【この2割特例が使えなくなる】
ということに。
法人の場合はその事業年度の前々事業年度、
個人事業主においてはその年の前々年
ということになります。
■そこで注意が必要なのが
【法人の前々事業年度】
について。
もし前々事業年度が設立事業年度などで
12ヶ月でない場合は
【年換算をする】
必要があります。
例えば、9月決算法人でその設立が
その年の1月であったとしましょう。
そうなるとその年である第一期の
事業年度は、
『1月から9月の9ヶ月』となりますよね。
仮にこの9ヶ月間の売上が900万円であった
としましょう。
そうなると、前々事業年度の課税売上高は
900万円となり、1千万円以下となるため
【免税事業者と判断してしまいがち】
なのですが、法人の場合
【この9ヶ月間を12ヶ月として計算】
しなければなりません。
■したがって、
900万円を9ヶ月で割り100万円、
そして100万円を12ヶ月分にして
1,200万円となり
【この事業年度の課税売上高は1,200万円】
と考えるわけです。
そうなると翌々事業年度においては
消費税の課税事業者となるということなり、
【その翌々事業年度においては
2割特例は使えない】
ことになりますので要注意であるわけですね。
なお、個人事業主の場合は
年換算という概念は存在しません。
したがって、法人においてこの年換算
の概念はよく理解しておくようにしましょう。
■というわけで今日は、
インボイスの2割特例の話から、
【課税事業者かどうかを判定する際の
前々年の課税売上高の概念】
についてお話ししてまいりました。
消費税はこういった細かな点が多くあり、
その判断を誤りがちなものですので、
注意していくようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・インボイスによる2割特例は、
【原則としては免税事業者であるが、
インボイス登録により初めて
課税事業者となった場合に利用できるもの】
と心得ておくべし。
・その免税事業者かどうかの判定は、
【前々年度の課税売上高が
1千万円を超えるかどうか】
により判定する。
・この判定の際、
法人においては12ヶ月でない事業年度
があった場合、
【これを12ヶ月として年換算をする
ことにより、課税売上高を計算する】
ということは理解しておきたいところ。
・この判定を誤ってしまうと、
【2割特例が使えると思っていたのが
使えない】
こととなってしまい、
大きな税負担となり得るため、
この消費税の判定の部分について、
【法人においては年換算をする】
ということを念頭に置き、的確な判断
をして消費税を考えたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。