2024年7月25日経営の儲けを把握する【部門別損益】について
今日は朝から夜まで面談の日。
ひとまずは明日までが5月決算のピーク
ですので、気を抜かずに取り組んでいこうと
思います。
しかし、インボイスが本当に厄介ですね…
内なる声に耳を傾けながら、
無理のないようにやっていきたいところです。
さて、本題です。
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■経営についての分析をしていくにあたり、
『数値で表現する』ことは必須である
と言えるでしょう。
そんな中、税務署に提出するための決算書や
会計処理だけではどうしても経営分析を
することが難しく、
場合によっては『部門別の損益』を把握する
ことも必要になるかと思います。
その部門別の損益について、
今日はお話をしていきたいと思います。
■この部門別損益とは、
その事業所の事業内容によっては、
売上のタイプが違っていることも
あろうかと思われます。
例えばですが、飲食店の事業をメイン
としながら、
小売業であったり、コンサルティング業で
あったり、またレンタルスペースの運営
であったり…
など、売上の種類が異なるものがある
ということですね。
そうなると、当然まずはこの売上を分類
しないことには、
どの事業でどれだけの売上が上がって
いるかということが見えなくなる
というところ。
■税務署に申告する売上高という考えでいけば、
トータルの売上高さえわかれば、
税務署への申告をすることができる
ということになるわけですが、
実際の経営の状況を把握する上では、
とてもではないですが、
売上の分解をしないことには
現状の分析もできないわけですね。
■そうなると当然、この売上については
分類していく必要があるでしょう。
会計ソフトの使い方のお話にはなるのですが、
これは売上高自体を補助科目を使って
分類するのではなく、
会計ソフトの仕様によっても
異なるかもしれないのですが、
【売上を部門別に管理する】
という方法を取るようにしましょう。
■どういった違いがあるかと言えば、
売上高の補助を取ったとしたら、
その売上高自体は分解されるのですが
後述する経費の分類については把握が
難しくなるため、
各事業の儲けを把握することが
困難になります。
■そして売上を分解すれば、次は経費の分解
に進むことになります。
経費についても当然、その事業に特有の経費
というものが存在するもので、
飲食店であれば仕入はその飲食事業のみの
経費ですし、
レンタルスペースであれば、その自社の
不動産に対する固定資産税などは、
そのレンタル部門の経費となる
というものですよね。
こういった経費を分解して初めて
経営分析が可能となるというところです。
そういった点において、経費も売上と同じく
補助科目で分けるのではなく、
『部門別』にすることにより、
各事業の儲けを把握することが可能となります。
■こういった点が部門別の損益を考える際の
最低限の分類なのですが、問題は、
【全体に共通する経費をどう配分していくか】
ということですよね。
例えば、本社の地代家賃などについては、
事業全体に関わってくるものですので、
どの部門にも振ることができない
ということになるでしょう。
このような、いわば『分類不能な経費』は
どのように処理すべきでしょうか。
■これについては、
『その売上や事業の比重に応じて経費を
配分する』という考え方があります。
とはいえ、すべての経費がそれで解決する
とも言えないため、
そのような経費を部門別に分類するためには、
詳細な配分基準が必要と言えるでしょう。
■その方法のほか、簡単な方法として、
【共通経費としてあえて配分をしない】
という方法も考えられます。
部門別の損益は単独で捉えて、それと別に
「共通経費がこれだけかかっている…」
という状況が見て取れるようになる
わけですね。
どうしても経費の分類となると
そういった明確な分類が難しくなり、
中途半端に分類してしまうと、部門別の
損益の状況が見えなくなってしまう
ものですので、
こういった共通経費の考えをとるのも
良いかもしれません。
■というわけで今日は、
経営の分析にあたって、
部門別損益についての把握の仕方について、
お話をしてまいりました。
経営においてはこういった損益の分析のほか、
『経営の血液とも言える現金に関しての
資金繰り』も必要な要素と言えますので、
そのような点もトータルで勘案して
真に意味のある経営の分析を
心掛けたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・経営分析にあたり、
複数の事業を営んでいる場合は、
部門別の損益を把握したいところ。
・売上を部門別にするのは必須であるが、
経費についても極力その部門特有の経費は
部門別の経費に振りたいというところ。
・また通常は『共通の経費』も存在するため、
その共通の経費については合理的な
配分基準により各部門に配分するか、
または共通経費という『全体の経費』という
概念を想定して、『あえて配分しない』
という方法もまた、考えられるところ。
・経営の分析に当たっては、
そういった部門別の損益のほか資金繰りも
重要な要素になるため、
こういった点をトータルで勘案し、
有用な経営分析の材料を作っていきたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。