2024年9月23日その支払いは「給与か外注か」の判断基準について
昨日は家族でダンスのイベントを観てきました。
ダンススクールのイベントだったのですが、
特にインストラクターの方々のステージが
圧巻で、
プロの技のスゴさを、肌身で感じました。
こういったプロの技術を目の当たりにすると、
すごく背筋が伸びますね。
非日常の空間は、こういった刺激があるから
やめられないです。
さて、本題です。
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■9月から11月あたりは秋の税務調査として、
本格的な税務調査がスタートしています。
この時期に来る税務調査は、税務署としても
いわば本気モードで来るため、
この時期に連絡が来る税務調査には
ある程度注意しておかなければならない
と言えます。
その中で、税務調査官が指摘するような
主要な論点として、
給与か外注かということがあります。
■この給与か外注かについては、
税務上のほか、社会保険料も関係しますので、
相当重要な論点であると言えるでしょう。
まず、給与特有の税務の論点としては、
『源泉徴収をする必要がある』というところ
ですね。
その一方、外注となると源泉徴収の必要は
基本的にはないことになり、
また給与については社会保険に加入する
必要があるのですが、外注であれば
それは外注先の判断によるもの(基本的には
国民年金と国民健康保険になります。)
ということになります。
■そして税務上のもう一つ大きなものとして、
外注の場合は消費税の仕入税額控除
(消費税を原則課税で計算している場合の
消費税の経費)が認められる
ということなんですね。
給与の場合は消費税の考えにおいては
対価性がないものと考えられるため、
この仕入税額控除は認められない
ということになります。
このように、給与か外注かということは、
その対価を支払う側と受け取る側双方に
おいて大きな差が出てきますので、
相当注意をして税務上の取り扱いを
考えなければなりません。
■いずれの方法にせよ、仕事をしてお金を
もらうということには変わりないのですが、
その実際の仕事の仕方によってこの判断が
変わるというところなんですね。
主要なものとしては次の4項目になります。
(あくまでも主要なものに過ぎません。)
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①その仕事が時間的な拘束を受けるかどうか。
②その仕事が完了しなかった場合であっても、
その代金が支払われるかどうか。
③その仕事にあたり、材料や用具が提供
されているかどうか。
④その仕事をするにあたり、作業についての
指揮・監督を受けるかどうか。
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■まず時間的拘束については、
仕事をしてもらう側が時間の指定を
明確にしているという状況ですね。
外注であればこういった時間的拘束を
受けずに自分の判断により仕事ができる
のですが、
給与であれば基本的に時間的な拘束を
受けるということになります。
■そして、仕事が終わった場合に初めて
代金の請求をできるのが外注なのですが、
給与の場合は、たとえ仕事が終わって
いなくても、その仕事をした時間に対する
代価として、代金が支払われる
ということになります。
そして、材料や用具が提供されているかどうか
ということは、給与であれば当然、
その仕事に必要な用具などはその会社が
準備するのですが、
外注に関しては基本的に、その用具の調達
などは自分でしなければなりません。
■そしてその仕事について指揮・監督を
受けるかどうかについては、
基本的に外注であれば、その方の判断により
仕事を進めることができるものの、
給与であれば、基本的には上司や社長などの
命令を聞かなければならない
というものでしょう。
この4項目については代表的な例に過ぎず、
その他にもいろいろな項目を総合勘案して
給与か外注かということを決めることに
なります。
■したがって、
雇用契約や請負契約などの契約書が
形式的に結ばれているだけではこと足りず、
こういった様々な角度からの判断を
相互勘案して給与か外注かを決めていく
必要がありますので、
そういった視点を持って、この判断の際は
慎重に考察を進めたいものです。
■上述したように、
この給与か外注かの違いにより、
様々な項目に大きな税額の変動などが
見受けられることになりますので、
その判断の際はくれぐれも慎重に
上述してきたようなことを参考にして、
正しい税務の判断をするようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・税務調査の際よく論点になるものの
一つとして、
その代価の支払いが「給与が外注か」の
判断がある。
・この判断を誤ってしまうと、
源泉所得税や消費税、社会保険などに
大きな影響を与えるものと心得ておくべし。
・この判断については、
対価を支払う企業のほか、
その受け取る側の税務の状況も
大きく変わってくるものであるため、
税務判断のみならず、その方との関係性を
重視して、経営において最も有用な
判断をすべきであると言える。
・こういった点は、
税務調査でひっくり返されてしまうと、
大きな痛手を負うことになるため、
上述してきたようなことを念頭に置き、
くれぐれも慎重な判断をして、
確実な税務判断をしていきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。