2024年11月14日【消費税の計算方法】を見極めた資産の売却を
今日は北九州方面まで出張です。
北九州は幼少期から育ってきた場所なので、
出張の際はいつも懐かしさを感じるものです。
今日は車での移動となりますので、
安全運転を心掛けて出かけたいと思います。
さて、本題です。
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■決算においての節税対策をする際は、
特に消費税について注意をしておく
必要があります。
というのも、消費税については、
その税務判断一つで、その結果納付する
税額に大きな影響を及ぼしますので、
十分慎重な判断が必要となる
というところなんですね。
■中でも、インボイス制度が始まってからは、
消費税の計算方法として原則課税と簡易課税
に加え、インボイスにより初めて
免税事業者が課税事業者となった際の
2割特例も設けられていますので、
こういった点において、慎重な判断が
必要であるというところなんですね。
特に車両の売却など、多額の固定資産の
売却が絡んでくる際には、
この計算方式に応じた最も適切なタイミング
でのこういった売却を検討したい
というところです。
■原則課税の場合においては、当然のこと
ながら10%の消費税がかかってきますので、
その10%の消費税を税務署に納付する
ことになります。
その一方で簡易課税だとしたら
どうでしょう。
簡易課税の場合の固定資産の売却は
ケースバイケースということも
あるのですが、
本業と直接関係しない固定資産の売却
については第4種事業として、
ざっくり言えば、その売却金額の4%の
消費税を納付することになります。
■そういった点においては、
原則課税の場合は10%で簡易課税の場合は
4%の納税となりますので、
簡易課税の方が有利ということが
わかるでしょう。
また、インボイスの2割特例の場合は、
簡易課税の場合の4%が2%としての計算に
なりますので、
なおのこと有利ということになりそうです。
■そして、もし当期において2割特例を使える
状況の事業者の方が、
翌年になったら原則課税により計算する
必要があるというケースを考えてみましょう。
そうなると、この固定資産を当期に売却
する場合と翌期に売却する場合では
大きく消費税の額が異なるということが
わかるのではないでしょうか。
■仮に1千万円の機械を売却したとしましょう。
1千万円にかかってくる消費税は100万円
ということになりますね。
そのようなケースを考えた際、原則課税
により納付をする場合(つまり翌期に売却
する場合)は、この100万円がそのまま
納付税額となり、
当期において簡易課税で計算した場合は、
100万円の4割である40万円(1千万円の4%)
が納付税額になります。
もし仮に2割特例を使っていれば、
この100万円が20万円で済むということ
になるわけですね。
■こういった点において大きく納付税額が
異なってきますので、
今回の売却のみをピックアップしてみると、
売却するタイミングは極力簡易課税か
2割特例のタイミングの方が良いという
ことがわかるでしょう。
■そしてもう一点、こういった売却の際に
考慮が必要なのが、
『基準期間における課税売上高』に
固定資産売却分も上乗せされる
ということなんですね。
今回の例で言えば、機械の売却額である
1千万円が、課税売上高に乗ることに
なります。
消費税の計算方法の判定は前々課税期間の
課税売上高の数字をもとに判定しますので、
この機械の売却収入1千万円が課税売上高に
乗ることにより、場合によっては簡易課税が
使えなくなるということも想定される
ということになります。
■こういった際において、
売却のタイミングや消費税の納付額の
計算方法が変更されてしまうタイミングを
適切に見極めて、
このような特に高額の資産を売却する際には
十分注意をするようにしたいところです。
その他にも、通常の商取引上で消費税が
絡んでくるものは少なからずあるか
と思いますので、
こういった計算方式の変化による
タイミングや、基準期間における課税売上高
の考えなどを広い視野で見渡して、
自社にとって最も有利な税務判断が
できるように心掛けたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・節税を考えるにあたり、消費税については
その納付税額に大きな影響を及ぼす
可能性があるため、
十分慎重に取り扱いを検討したい
というところ。
・特に、原則課税や簡易課税、2割特例の
それぞれの計算方法において、
どのタイミングで資産の売却などをするべき
なのかということは慎重に検討したいもの。
・それだけではなく、基準時間における
課税売上高についても十分な検討を重ねて、
上述した消費税計算方法の判定と、
そのような基準期間における課税売上高
などのことを総合勘案し、
自社にとって最も良い選択ができるように
心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。