2024年11月18日意外と難しい【売上と在庫の関係】
昨日はかなり立て込んでいた仕事を進め
ることができ、
大変ではあったものの、かなりさっぱりした
気持ちです。
業務が滞留すると、どうしてもそこに認知が
奪われてしまうため、
その都度クリアにしていくことは
すごく大切ですね。
とはいえ、まだまだ予断を許さない状況
ですので(汗)、
気を抜かずに取り組んでいきたいと思います!
さて、本題です。
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■今日は税務のお話なのですが、
物品販売業(物販)の事業を行う方の試算表
などを拝見する際、
少なからぬの場合、ご本人が想定していた
粗利益と会計上の粗利益が違っている
ということが見受けられます。
物販についてのこの論点はかなり重要なこと
であるため、今日はこのことについて
お話をしていきたいと思います。
■上述した粗利益とは、売上から仕入を引いた
利益ということを指します。
売上と仕入の関係については、売れて初めて
仕入として認識するというのが原則です。
とはいえ、仕入については仕入れた
タイミングで仕入高として経費計上する
ことになろうかと思います。
しかしながら、売上高と売上原価(簡単に
言えば仕入高)については、
個別に対応している必要がありますので、
必ず売れて初めて仕入高という原価が
発生するということになるわけです。
■仮に10個仕入れて、7個売れたとしましょう。
そうなると、売上として上がってくるのは
7個で、仕入高として当初上がっているのは
10個ということになりますね。
しかしながら3個については売れ残って
いるわけですので、
この3個は仕入高から在庫へ振り替える
という会計処理をすることになります。
そのことにより、売上と原価(仕入に在庫を
加味したもの)が対応することに
なるわけですね。
■しかしながら、
取引が複雑になればなるほど、
このルールが会計上の数字として表すこと
が難しくなるということが
少なくありません。
上述したように、売上と仕入(原価)が
対応していないといけないのですが、
この原価部分を対応させるには、
棚卸しをして、適切な在庫の額をカウント
する必要があるというところです。
在庫とは売れ残った商品数のことですね。
■売れ残っているということは、
売れていない…
つまり仕入として認識すべきではないこと
になるため、
これを在庫として仕入高からマイナス処理
をするということになるわけです。
■よくある例として、
【売上が上がっているにもかかわらず、
在庫が残っている】
ということがあります。
これは一般的には、
商品の注文があったタイミングで
売上高が計上されているものの、
そのタイミングでの在庫処理が追いついて
いない…つまり実際には在庫がなくなって
いるものの、
在庫を減らす処理ができていないケースが
想定されます。
さらには、注文時には売上高として
上がるものの、実際の出荷のタイミングが
異なるため、
売上と在庫が一致していないというケースも
これに該当します。
■そしてもう一つの例が、売上が上がって
いないにもかかわらず、
在庫が消えているという状況。
これはさっきとは逆のパターンで、
在庫の管理はリアルタイムに近い状態
でされているものの、
売上が入金ベースになっているなど、
売上高の計上がリアルタイムではない
ケースがこれに該当します。
こういった際には、売上と原価が対応して
いない状況になっているということ
なんですね。
■そしてもう一点。
在庫があることになっているが、とある
ところに預け在庫として保管してあるケース。
これについては、実際には売れていないため、
仮に自社ではなく他の場所に預けられている
在庫があったとしても、
その在庫については在庫としてカウントする
必要があるということになりますよね。
■こういったことにより、売上と原価が
対応しないということになりますので、
こういった点には十分注意をするように
したいところです。
そして、これを実務と会計に正確に
紐付けようとすることは案外難しい
ということもまた事実。
とはいえ、極力現実に近い状況に数字を
持ってこないことには、
本当に利益が出ているのかどうかが
見えなくなってしまうため、
こういた点は極力注意して、実際に近い
数字に近づけることを心掛けたいものです。
■最終的には、
確定申告のタイミングで1月から12月まで
のこの対応関係を明確にしてさえいれば、
税務の申告上は正確なものとなります。
月次の状況ではできる限り現実に近い数字を、
そして確定申告のタイミングでは、
完璧な数字を目指して、会計処理を適切に
行うことを心掛けたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・物販を営んでいる場合、
売上と原価の個別対応が求められることは
十分注意しておきたいところ。
・売上を認識するタイミングと、
在庫を認識するタイミングに相違がある
ことにより、
結果として売上から原価を引いた結果の
粗利益が実際と会計上で異なるという
ことが想定される。
・こういった点について、
どういった認識のタイミングで齟齬が
出ているかということを確実に把握して、
実際と会計上の数字を極力近い数字に
することを心掛け、経営分析に役立てる
ような会計の数字を目指して、
そのようなことを把握するシステムの構築
を目指したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。