2025年7月9日【消費税の還付申告】はここに要注意!
今日は7月9日ということで、 源泉所得税の納期限まで あと1日となりました。 弊所分の源泉所得税の申告は すべて完了したところで、 あとは納付が終わっていない 顧問先様へのご案内をするのみとなり、 ひと安心というところです。 さて、本日の本題です。 ================== ■源泉所得税については、 従業員の方や士業や外注先さんへ の支払いの際に所得税を預かると いう性質のもので、 いわゆる【預り金】的なものになり ます。 この預り金的な税金は、源泉所得税 のほか、消費税も挙げられます。 今日はその消費税について 見ていくことにいたします。 ■消費税については、売上から 預かった消費税から、経費などの 支払いに際して支払った消費税を 差し引いて、 税務署に納付をするというのが 通常の流れとなります。 ■場合によっては、簡易課税制度や 2割特例などにより、例外的な 計算方法はあるのですが、 大枠の考えとしてはそのような ものになるというところ。 ■そして、ざっくりとではありますが、 年間の消費税額が60万円ほど を超えると、 その翌年はその年間の税額の半額を その事業年度の中間の時点で 納付をする 「中間申告(予定申告)」 という制度が設けられているんですね。 ■これは、 「前年にこれ位の年間の消費税が あったんだから、 今年も同じくらいかかるよね」 ということで、 概算で前年度の税額の半分の消費税を 納付するという仕組み。 納付額によって、3ヶ月に一度や 毎月の納付となることもありますので、 併せて知っておくようにしましょう。 <中間申告の方法-国税庁HPより> とはいえ、通常は半年ですので、 よほどの事業規模でない限りは、 半年に一度と覚えてもらえていれば 大丈夫です。 したがって、年間の税額が確定 したタイミングでは、この年間の 税額から前払いをした予定の 税額を差し引いて税務署に納付 するということなんですね。 ■では、前年度に比べて今年の 業績が悪くなり、 予定納税で納付した消費税よりも 年間の税額が少なかった場合は どうでしょうか。 そうなると、当然のことながら 「還付」となるわけです。 ■ここで注意点として、これはあく までも前払いが多すぎたことによ る還付ということであり、 一般的に言われる「還付申告」とは 異なるものになります。 ですので、前払いが単に返って くるということに関しては、 税務署もさほど問題なく還付を してくれるということになります。 ■その一方で、いわゆる「還付申告」 になると、売上で預かった消費税 より支払った消費税が上回って いることにより、 本当の意味での消費税の払いすぎの 状態となっており、 これを返してもらうための申告を 「消費税の還付申告」 と呼びます。 そして、この還付申告になると、 税務署としては支払った消費税分を 返すことになりますので、 その審査が厳しくなるというところ。 ■還付申告は申告後に税務署からの 問い合わせが来ることが多く、 その問い合わせの工数が多く なれば、当然のことながら還付の スピードも遅くなってしまうという ところです。■そのようなことを避けるために、 還付申告の際は、必ずその還付と なった根拠資料を添付するように しましょう。 還付申告の原因としては、 ・輸出企業などが預かった消費税が ない反面、支払った消費税がある ことにより還付になるケース ・多額の設備投資をしたことなどに より支払った消費税が多くなって いることによる還付 と、大きく2つに分けられるのでは ないかというところ。 ■前者の輸出の例であれば、 正式に輸出をしているという証明書 となる「輸出許可書」を添付するように しましょう。 ■そして、後者の設備投資などでの 還付の場合には、 その多額の設備投資に関する請求書や 領収書を添付するようにしたいところ。 ■それに加えて共通して提出するものと して、 「勘定科目別の消費税額一覧表」 も添付するようにしたいですね。 この一覧表については、会計ソフト から自動的に作成できることが多い ため、還付申告の際は忘れずに 添付するようにしましょう。 マネーフォワードであれば、 ここから出力可能です。 <「消費税集計」画面の使い方>
■その他、還付の原因となった設備投資 などに関する会計記録(総勘定元帳な ど)も添付すると、 よりスムーズに還付が進むかと いうところです。 ■というわけで、税務署としては 消費税の還付申告にはかなり 目を光らせていますので、 税務署が判断しやすい材料を添付 した上で還付申告を行い、 スムーズに還付の処理が進むように 心がけていきたいものですね。 ================== 《本日の微粒子企業の心構え》 ・消費税の還付には、予定納税の 過剰分の返金と、預り消費税を超え る支払い消費税による「還付申告」が ある。 ・後者の「還付申告」は税務署の審査 が厳しいため、 スムーズな還付を目指すべく、 輸出許可証、請求書、総勘定元帳、 勘定科目別消費税課税区分一覧表 などの添付をしておきたいところ。 ・還付には日数を要するため、資金繰り を意識し、そのような書類の添付をする ことにより、 適切な申告を心がけたいものである。 --------------- 今日も最後までお読みいただき、 ありがとうございました。