2025年7月23日経営において重視したい【生きたお金の使い方】
3連休が入ったので、あっという間に水曜日が来た感覚です。
水曜日は週の半ばではありますが、我々経営者も決して気を抜くことなく、
生産性高く今日の日を過ごしていくようにしたいものですね。
さて、本日の本題です。
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お金を使う節税の「入口」と「出口」
以前より、節税については「お金を使う節税」と「お金を使わない節税」があるということをお話しさせていただいています。
<2023年3月20日検討すべきは、まず「お金を使わない」節税から>
https://muratax.com/2023/03/20/6272/
どうしても税金というものはネガティブなイメージがありがちですので、
どうにかして税を減らしたいがために「お金を使う節税」に目が行ってしまうということは少なくないでしょう。
こういったお金を使う節税で大きな効果があると言われるものの代表格として、
退職金目的などの積立型の生命保険や、設備投資をしたり、車両などを購入しての減価償却費、
そして倒産防止共済というものがあります。
こういったものについては、当然ながら支出したお金の一定額が経費としてカウントされ、
法人税を計算する上での損金としても扱われます。
しかしながら、入口があれば必ず出口があるというもので、
今回で言う「入口」はその支出の際の経費化、「出口」はその解約時や売却時の収益の取り戻しということになるわけです。
収益の取り戻しとはつまり、お金が戻ってきたタイミングでこれが収益計上され、
法人税を計算する上での益金となり、課税がされるという性質のものです。
こういった事実を無視して、「入口の節税」という甘い言葉にのみ目が行ってしまうようであれば、
それはかなり危険なことと考えておいた方が良いでしょう。
そういった点において、お金を使う節税とは、つまり「税金を繰り延べる節税」にすぎないということは知っておきたいものです。
もちろん、支出時の法人税率が高く、解約時や売却時の法人税率が低ければ、
そのギャップで有利になる可能性もあります。
しかしそれをコントロールするには、未来の経営予測をするのと同じ、いわば魔法の眼鏡を持つ必要があり、
現実的には難しいと言わざるを得ません。
手元資金をどう活かすか?経営者の視点が問われる
そして、経営者の視点として大切にしたいのが「自分自身の事業の投資利益率」なんですね。
どうしても「お金を使う節税」となると、現金が手元から減ってしまいます。
つまり、本来は自分の事業に使えるはずだった現金が外部に流れてしまうという事実には、
しっかり着目しておくべきでしょう。
せっかく手元に残っていたはずの「使えるお金」を外部に出してしまった、と思うと、
なんとなく損をしたような感覚になるのではないでしょうか。
これは単なる感覚ではなく、実際にそうだと私は考えています。
だからこそ、自分自身の事業のこれからの成長性を踏まえ、
そういったいわば「生きたお金」を自社への投資に使うという選択肢をぜひ考えてみてほしいかなというところ。
「自分の時間を買う」視点での経営投資
たとえば、これは以前の記事でも触れた「単位時間あたりの生産性を高める」という考え方にもつながるのですが、
「自分の時間を買う」という視点で、経営投資をしていくことを考えたいところです。
まず、すべての経営に関する行動を記録し、「やらないこと」を決める。
そして、やらざるを得ないことは「自分の時間を買う」ために外注などを検討し、その作業自体も効率化する。
このようにして、経営の生産性や効率性を高めていくことが重要なのではないでしょうか。
こういった視点からすれば、本来的に必要のないものにお金を使っての節税をするよりも、
経営の向上に向けて「生きたお金」を使う方が、よほど有益だと言えるかもしれません。
どうしても税金に対する負のイメージに囚われて、誤った選択をしてしまうこともありますが、
こうした視点を持ち、経営者としての冷静で的確な判断を大切にしたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・お金を使う節税は、その支出時に税が減る一方で、
解約や売却時には税が取り戻されるという事実を理解しておくべし。
・また、お金を使う節税は、税は減る一方で、「手元から大きな現金が消えてしまう」というもの。
・経営者として、単位時間あたりの生産性を高めるために、
その「生きたお金」を経営の投資利益率を高める目的に使っていくことを心がけたいものである。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。