2025年9月23日損益とお金の【感覚のズレ】を考える
今日は束の間の祝日というところでしたが、今日は家族で「8番出口」という映画を見てきました。
<映画-8番出口>
https://exit8-movie.toho.co.jp/
ところどころ少し怖い部分があり、娘たちが怯えながら見ている部分もあったのですが(汗)、
かなり味わい深い作品で、終わった後に家族5人で「あれはどういう意味があったのか、またどのようなことを言おうとしているのかな?」など、かなり活発な議論がされたかなという感覚です。
家族ながら、感じ方も人それぞれで本当に面白いなということや、子どもたちなりにいろいろと感じたものがあったんだなということを感じて、すごく有意義な休日の過ごし方だったなという想いです。
さて、本日の本題です。
利益と現金の感覚のズレ
税理士として経営者の方とお話をさせていただく中で、少なからず実際の現金と感覚としての利益がかなり異なっているということを言われます。
そもそもの利益と現金の増え方の違いとしては、根本的に損益計算上の利益と現金預金の増減は様々な要素でその把握の仕方が異なる部分があり、
そのようなことからこの感覚とのズレは避けられないかなという感覚です。
具体的には売掛金や買掛金、そして減価償却費などのように、実際の現金と損益の動きが一致しないものがあることから、そのような感じがすることということなんですね。
個人と事業の財布を分ける重要性
ただそれ以前に、そもそもの感覚のズレに起因しているものがあるかなと私は思っていて、
それは「個人と事業の財布を分けることができていないから」ということなんですね。
というのも、個人事業主であれ法人であれ、個人事業主の場合は事業主貸や事業主借という勘定科目により、そして法人については役員借入金という勘定科目により、プライベートの入出金を会計帳簿に反映させることができるからということがあります。
こういった勘定科目はプライベートの収支を把握するために便利であるわけですが、
ただその反面、実際の個人事業主や法人の事業用としての現金の把握はできていないため、
自分がどれだけプライベートの財布からお金を入れたり出したりしているのかということがわからないということになりがちなんですね。
クレジットカード利用がズレを拡大させる
よくあることとしては、クレジットカードかなというところ。
クレジットカードについては、法人の場合であっても個人名義のクレジットカードを使用することにより経費化していることが少なくない状況で、
そのような状況であれば、個人のクレジットカードは個人名義の普通預金口座から引き落とされるため、法人に残っている現金預金と、その実際に経費化されている額との感覚的な釣り合いが大きくズレるということが考えられます。
そして、現金の残高を合わせていない場合においても、根本的な原因は同じことがあるように私は感じており、
結局のところ、プライベートの財布から法人の経費を支出したり、また支出した経費分を法人口座から返してもらおうということで、それを法人口座へ移動するということを感覚値でやっているため、
そもそものその感覚値がズレていることに加え、実際に現金が動いている額も事実とは異なっていることも考えられるため、そのようなズレの積み重なりが大きくなっており、結果として大きな感覚のズレにつながっているということが少なくない感覚です。
そのような状況ですので、当然のことながら、損益の数字においても、実際の感覚においても、正確にその財務状況や利益の状況を把握できていないということが考えられます。
そういった利益や財務状況を把握できないということは経営においてかなり致命的ですよね。
そのような状況で経営をするほど危険なものはないと言えるでしょう。
ズレを解消するための管理方法
そのようなことから、事業用のクレジットカードを明確に区分けするほか、現金についても、事業用の現金の財布を作り、必ずその残高を合わせるということを心がけたいものです。
最初は大変かもしれないのですが、ひとたびその残高を合わせてしまえば、その後は毎日の動きをその日の終わりにマネーフォワードなどの会計ソフトに入力するという習慣を続け、その都度会計が仕上がるということになります。
最初は面倒な感じがするものですが、一旦そういった習慣がついてしまうと、常にその損益をリアルタイムに把握することができることのほか、感覚値としての利益と現金の増減とのズレもなくなってくるというものです。
今年も残すところ、あと3ヶ月ほどとなってきましたが、そのようなことを今一度念頭に置き、
真に大切な経営状況や損益、そして財務の状況を把握することを心がけてみてはいかがでしょうか。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・会計上の損益と実際の現金の増減は、感覚値で大きくズレていることがある。
・その原因としては売掛金や買掛金、減価償却費などの現金の増減を伴わないものがあるためと考えられる。
・しかしながらそれ以前に、クレジットカードや現金の綿密な管理をしていないため、そのような感覚的なズレが生じているということもある。
・そのようなことを的確に念頭に置き、経営者として適切な経営の管理をし、利益や財務の状況を的確に把握したいものである。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。