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トップページ ブログ > 税務について > 「クラウド会計でカンタンに!」の落とし穴

2025年10月22日「クラウド会計でカンタンに!」の落とし穴

早いもので10月ももう終わりに差し掛かり、個人事業主の方については年度末に向けて慌ただしくなっているのではないでしょうか。

慌ただしくなるのは商売だけではなく会計についても同じで、最終的な利益の着地がどの程度になるかということも気になるところですよね。

さて、そんなことから本日の本題です。

確定申告の本質は「利益を正しく把握すること」

冒頭にも書かせていただいたように、個人事業主の方については12月末が年度の締めとなり、その年初である1月1日から年末の12月31日までの期間を1期間として、翌年3月15日までに確定申告を行うという流れになります。

当然のことながら、この期間で儲けた金額に対して税金がかかってくるわけですが、その「儲けた金額」を正しく把握しないことには、税金の計算もおろそかになってしまうものです。

この儲けた金額…つまり「利益」を正確に計算することこそが、確定申告の本質であると言えるわけです。

売上・経費の正確な計上が利益を決める

そしてこの利益を導くためには、売上と経費を正確に算出する必要があります。

売上については、実際に入金がされていなくても「売掛金」として売上を計上しなければならないケースがありますし、経費についても同様に、まだ支払っていないものであっても、12月末までに納品やサービス提供が完了していれば経費に計上する必要があります。

その他にも、減価償却費や借入金の返済など、出金しているかいないかに関わらず、経費になるものとならないものの区分けを正確にすることも重要です。

クラウド会計は便利だが“諸刃の剣”

ここ最近では、マネーフォワードに代表されるクラウド会計が普及したことで、こういった経理処理が随分簡単になったという感覚を持っている方も多いかもしれません。

<マネーフォワード・クラウド確定申告>
https://biz.moneyforward.com/tax_return/

ただ、これは“諸刃の剣”とも言える存在でもあります。

初心者であればあるほど、クラウド会計を過信しすぎるのは極めて危険です。

過去の記事の中で、私自身もマネーフォワードを強く推してきましたが、それでも「初期設定のままAIが提案してくる勘定科目」を鵜呑みにして使うのは、かなりリスキーなんですね。

クラウド会計を活かすカギは「自動仕訳ルール設定」

実際、そのAIが提案する勘定科目は誤っているケースが少なくなく、そのまま登録してしまうと会計データが大きく狂ってしまうこともあります。

それでも私がマネーフォワードを推す理由は、「自動仕訳ルール」を正しく設定できれば非常に強力なツールになるからということに他なりません。

AIが自動で判断するのではなく、あくまで人間が定めた“ルール”に基づいて自動的に処理してくれるという点に価値があるわけです。

正しく使いこなすために必要なのは「会計知識」

そしてこのルール設定をするには、会計の知識が不可欠です。

会計の仕組みを理解せずにルールを作ることはできません。

そのため、クラウド会計を正しく使いこなすには、簿記や会計の基礎を理解した上で、適切に設定を行うことが何より重要ということに。

実際、会計知識のないままクラウド会計を利用しているケースでは、私が税務相談でお客様の貸借対照表や損益計算書を拝見した際に、正直「かなりひどい状態」になっていることも珍しくありません。

例えば、普通預金がマイナスになっているケース。

(銀行からの貸越という状況がない限り、普通預金がマイナスになることは通常あり得ません。)

また、借入金の元本返済を「支払利息」として計上していたり、マイナスにならない勘定科目がマイナスになっていたりと、状況によっては“脱税”とみなされかねないような危険なケースもあります。

正しい知識を持ち、確定申告に臨む

そのようなことから、ただ単に「帳簿をつけて申告すれば良い」というわけではなく、しっかりと会計の知識を前提にした上で、正しい会計帳簿を作成し、それを基に確定申告書を作ることが何より大切です。

この時期から年末にかけては、税理士への相談が一気に増えるタイミングでもあります。

上述してきたようなことから、まずは「正しい会計知識」を携えて、そこから導かれる正しい利益を基に、確定申告に進んでいくことを心がけるようにしましょう。

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《本日の微粒子企業の心構え》

・クラウド会計は勘定科目を自動で提案してくれるが、設定を誤ると大きな損益の乖離につながるもの。

・クラウド会計は自動仕訳ルールを正しく設定することで、初めて活きるもので、そのためには会計の基礎知識が不可欠である。

・会計知識を持たずに入力を進めると、脱税と見なされかねない危険な帳簿が出来上がることもあり得るため、適切な会計知識を武器に、誤りのない確定申告をしていくことを心がけたいものである。

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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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