2025年11月3日不動産購入時は「土地建物の按分」に要注意!
今日は月曜日ではありますが、祝日ですね。
祝日ではありますが、(昨日まで家族で遊び呆けていたので汗)私はほぼ通常どおり動いている状況です。
この11月は9月決算法人の申告が多いため気が抜けないということもあり、しっかりと気を引き締めて取り組んでいきたいところです。
さて、本日の本題です。
不動産取得時の“土地と建物の区分”は重要ポイント
事業を行うにあたり、場合によっては不動産を取得するということがあります。
不動産事業を行っている方は、当然のことながらこのような不動産取引は恒常的に出るわけですが、その他の事業者の場合においても、事業の展開においてこういった不動産(建物・土地)を取得するということは往々にして考えられるでしょう。
そして、この時に厄介なのが、不動産を取得した場合に土地と建物に区分けして資産計上をしなければならないということなんですよね。
というのも、不動産とは土地と建物が一般的には一体になっているものであり、そのような背景から固定資産としては土地と建物として的確に区分けをして、資産として認識する必要があるということになります。
土地と建物の減価償却・消費税の違い
税務上どのような違いがあるかといえば、土地に関してはその価値が減少しないと考えられることから、減価償却の対象外とされるんですね。
その一方で建物については、価値が減少していくものとして、減価償却の対象となります。
そしてもう一点大切なのが消費税です。
土地は消費しないという性質と考えられますので、土地についてはその土地の購入代金について消費税を認識しない、つまり仕入税額控除として認識をしないということになるわけです。
その一方で建物はといえば、建物については土地とは正反対で、その購入金額に対して消費税がかかってくるんですね。
そのようなことをまず大前提として押さえておくようにしましょう。
契約書で土地と建物が区分されていない場合の対応
そして厄介なのが、契約書においてこの土地と建物が区分されていないケース。
これは土地・建物が合理的に区分けされている契約書もあれば、そうでないものもあるというところで、そうでない場合にどのように区分けするのかというのが今日の論点になります。
どうしても資産計上の性質上、土地と建物は何とかして計上しなければならないので、合理的にその計上をする必要があるのですが、その按分の仕方については主に次の3通りが考えられます。
按分の3つの方法
一つ目は、土地と建物それぞれの時価をもとに按分する方法。
二つ目は、相続税評価額によって按分する方法。
そして三つ目は、固定資産税評価額によって按分する方法となります。
一つ目の時価については、場合によっては不動産鑑定士による鑑定なども用いられるのですが、実のところ、結構難しい論点になるというのが通常です。
そして、次の相続税評価額については、相続税法の規定に基づいて計算をする金額なのですが、これはある程度合理的な判断基準かなというところ。
また、三番目の固定資産税評価額については、その市区町村が「同じタイミング」で評価をしているため、その評価の時期にズレがないため、これもまた合理的であると言えます。
評価方法が乖離しているときの注意点
一般的には、二番目か三番目により評価(按分)をするのですが、この相続税評価額と固定資産税評価額が大きく乖離している場合はどうでしょう。
こういう場合には要注意なんですね。
こういった際には、「実際の状況によって」その按分基準を考える必要があります。
極端な話、土地と建物の比率が相続税評価額では1対9であるものの、固定資産税評価額では9対1であるということも考えられます。
そういった際に検討すべきが、一つ目の時価や不動産鑑定士による評価なんですね。
結局のところ、両者が乖離しているようであれば、その他の案を参考にして、その中で合理的な基準により按分する必要があるということになるわけです。
「合理的な基準」による按分が最も重要
どうしてもこういった論点については様々な方法が認められているため、どれか一つのみで解釈しがちなのですが、真に大切なのは「現状に即した合理的な基準」により按分をすることです。
一言で言っても難しい論点なのですが、この按分の仕方によって消費税や法人税、個人事業主の場合は所得税が大きく変動することがありますので、その按分の際は十分考慮して、自社の状況に即した適正な按分方法を検討したいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・不動産を一括購入した場合は、土地と建物に合理的に按分して資産を計上すべし。
・土地は減価償却対象外、消費税は非課税となり、建物は減価償却資産であり、消費税も発生する。
・按分方法は時価・相続税評価額・固定資産税評価額を合理的に勘案し、現状に則した最も適した基準で判断することを心がけるべし。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。






