2026年2月5日法人と個人の【経費】の違いについて
先日からの体調不良が、まだ続いています。
なんとなく熱っぽい気もするのですが、そこまでひどくはなっておらず、これ以上悪化することはなさそうな感覚もあり、ひと安心というところです。
とはいえ、「病は気から」という言葉があるように、気持ちの持ち方で左右される部分も大いにあると思っています。
(これは本当に体感としてあるんですよね。)
というわけで、しっかりと気合いを入れて前向きに、そして楽しく、今日も仕事に向き合っていきます!
(「病は気から」の決意表明!!笑)
さて、本日の本題です。
「法人は経費が通りやすい」という都市伝説
私が税理士として活動する中でよく耳にする話として、
「法人の方が経費が通りやすい」というものがあります。
何を根拠にそのような話が出てきているのかは定かではありませんが、
その背景には、個人と法人の本質的な違いがあるのではないかと私は考えています。
まず個人についてですが、
個人事業主は「事業者としての個人」と「プライベートの個人」という二つの側面を併せ持っています。
個人にはこういった二面性があるわけですが、
経費として計上できるのは、あくまで【個人事業に直接関係する部分】に限られることに。
言い換えれば、プライベート要素が絡む支出については、
原則として経費にはならないということです。
法人が経費になりやすいと言われる根本理由
一方で法人の場合、法人が支出するものは、原則として法人の事業遂行を目的とした支出であるため、
その支出は業務に関連するものである、ということが基本的な認識としてあるんですね。
このような根本的な違いがあることから、
「法人は経費が通りやすい」と言われることがあるのだろうと、私は思っているところです。
経費否認が起きたときに本当に怖いポイント
ただし、当然のことながら、たとえ法人の名義で支出されたものであっても、
その実態が完全に個人的な支出である場合には、
税務調査において経費として認められないということに。
ここで重要なのが、
【経費として否認された場合の影響】
が、個人と法人とでは大きく異なるという点です。
税負担増加は個人・法人ともに発生する
まず個人の場合、経費が否認されると、その分だけ所得が増加することになります。
その結果、所得税や住民税、個人事業税、国民健康保険料が増え、
場合によっては消費税にも影響が及びます。
これは法人の場合でも基本的には同じで、
法人税や法人住民税、事業税に加え、消費税が増える可能性があります。
法人特有の「役員賞与認定」という二重課税
そして、個人と決定的に異なるのが、
法人の場合には別の税目で追徴課税が発生するリスクがあるという点です。
よくあるケースとして、
個人的な支出が「役員賞与」として認定されてしまうことが。
法人では、原則として毎月定額で支給される役員報酬のみが損金…つまり経費として認められます。
それ以外の突発的な役員への支出は、
法人税の計算上、損金(法人税を計算する上での経費)にはならないのが原則です。
そのため、役員賞与と認定されると、
その支出は経費として認められず、法人の利益が増えることになります。
さらに厄介なのが、役員賞与と認定されることで、
【源泉所得税の徴収漏れ】を指摘される可能性があるという点です。
加えて、その賞与は個人の所得としても扱われるため、
役員個人側でも所得税や住民税が課税されることに。
このように、経費として否認され、役員賞与と認定された場合、
法人と個人の双方に大きな税負担が生じることになります。
このことが、本当に法人の経費の否認で怖いところなんですよね。
経費処理は税務以前に経営者の倫理観が
こういったことから、法人においてプライベートな支出を経費として処理することは、特に注意が必要です。
というよりも、完全にプライベートなものを法人の経費として計上すること自体、
税務調査以前に、経営者として倫理的に問題がある行為だと言えるでしょう。
経営者としての品格という観点からも、
また税務調査のリスクという観点からも、
明らかにプライベート支出を経費として処理することは、相当危険であるということを、
しっかりと認識しておきたいところです。
ここで言うのは、明らかにプライベートの支出とのことですので、
税務調査で間違いなく指摘されるブラックな支出がこれに相当します。
事業に関連している要素があれば、グレーゾーンの経費というように捉えられるため、
これについては税理士との適切な認識の擦り合わせが必要かなと、私は考えます。

経費処理をする際は「トータルでの判断」を
このように、個人事業と法人では、
経費として認められる考え方の違いだけでなく、
税務調査で否認された際のダメージの大きさにも大きな差があります。
「法人は経費が通りやすい」という、いわば都市伝説のような話が広まっていますが、
その裏側には、否認された場合の大きなリスクが潜んでいるということも忘れてはいけません。
こうした点をトータルで勘案した上で、
法人においても、適切で真っ当な経費計上を心がけていきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・個人と法人では、経費の通りやすさに違いがあるという、いわば都市伝説が流布している。
・一定の側面では正しいとも言えるが、税務調査で経費を否認された際のダメージは、個人と法人とで大きく異なるものと心得ておくべし。
・法人において役員賞与と認定されてしまうと、法人の利益が増えるだけでなく、個人の所得も増え、源泉所得税の徴収漏れなどにもつながり、付随する税負担が一気に大きくなる。
・このようなことから、法人の経費についても慎重に検討し、常に適切に経費処理をすることを心がけたいものである。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。






