2022年3月29日節税の際考える【親族への給料】について
今日は少し長めに時間を取り、
経営の思索を。
理想の未来と現実のギャップを
どう埋めていくかという
難しさを考えることもまた
この経営思索の醍醐味。
さて、本題です。
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■事業を拡大していくにあたり、
人手が回らなくなることから、
『親族』を従業員として登用し、
その業務を回していくこと
もあろうかと思います。
今日はその『親族への給料の支払い』
について見ていくことにいたします。
■親族への給料については、
『個人事業』と『法人』で大きく異なり、
『個人事業主』については
青色申告をしている場合で、
【青色専従者給与の届出】
をしている場合に限り、
親族への給料の支払いが
認められることになります。
<国税庁HP-青色事業専従者給与に関する
届出手続>
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/12.htm
しかしながら
『専従者』と言われるように、
【もっぱらその個人事業に
専念している状況でないと
給料として認めてもらうことができない】
という点は注意が必要です。
■一方『法人』はどうでしょう。
法人については、
そういった届出の制度はなく、
基本的に親族でも一般の従業員と同様に
給料を支払うことができます。
ただ、その親族の方が
『役員』になっている状況であれば、
それは『役員報酬』となりますので、
基本的に
【定期同額給与】
…つまり
【毎月定額で給料(役員報酬)
を支払っていくこと】
が必要となるんですね。
<国税庁HP-役員に対する給与>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm
■そして、
個人事業の場合、
その親族に対して給料を払うと、
【その親族を扶養に入れることができない】
ことに。
『配偶者』であれば、
【配偶者控除を受けることができない】
ということになるわけですね。
一方法人はと言うと、
【たとえ給料の支払いがあっていたとしても
扶養の範囲内であれば『所得税の扶養』、
そして『社会保険の扶養』にも
入ることが可能】
となります。
これが個人と法人の大きな違い。
■このように、
【法人において扶養の範囲内で
給料を支払いながら扶養にしていく】
ということは、税負担の面で
かなり変わってきますので、
まず第一に検討することを
オススメいたします。
しかしながら、利益が大幅に上がり、
さらに親族に給料を支払いたい
状況であれば、
その扶養の論点は無視して、
【所得を分散する】
という視点で考えることも。
『所得税』は、段階的に
その税率が上がっていきますので、
役員報酬や給料を
多くもらっていればいるほど、
その税率は上がってくることになります。
そして『給料』には
【給与所得控除】
という税務署が決めた
給料の経費がありますので、
これを一人で給料を取るわけでなく、
二人で分散すれば、
【それぞれにおいて
この『給与所得控除(経費)』
を使うことができるので、
そういった面でも大きな効果がある】
というもの。
<2020.6.25個人事業主の利益と
サラリーマンの給料についてのお話>
https://muratax.com/2020/06/25/2876/
■そして、
この『給料の分散』や
『扶養の論点』については、
扶養親族の状況や
その生活の背景などによっても
状況が変わってきますので、
【その決定の際には
多方面からの慎重な検討が必要である】
と言えます。
何はともあれ、利益が上がってきて、
親族に給料を支払える状況であれば、
こういった
【親族への給料の支払い】、
そして、
【所得分散】
という視点からその節税策を考えるのも
一つの方法かもしれません。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・利益が上がってきた局面においては、
【親族への給料支払い】
を検討するのも良いかもしれない。
・まず第一に、その親族に給料を
【扶養の範囲内】で支払い、
その親族を扶養に入れることにより、
【所得税と住民税、そして
社会保険料の負担を減らすこと】
を考えたいもの。
・そして次の段階では、
利益が多く上がっている局面において、
【極力給料を代表者と
その親族に分散すること】
もまた考えたいもの。
所得税の税率は【超過累進課税】と言い、
階段状にその税率が上がっていくもの
であるため、
【上手に所得の分散をすることにより、
その税率の負担を抑えることができるもの】
と心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。