2022年5月18日【外注か給与かの判断基準】を今一度
■以前の記事の中で
【外注か給与か】
という論点について
述べさせていただきました。
<2020.9.29その契約【外注】で
本当に大丈夫?>
https://note.com/muratax/n/n494c6524186c
外部の方に自社の仕事を
してもらう場合に、
【雇用契約を結ぶのか、それとも
業務委託などとして外注として
仕事をしてもらうのか】
という判断基準のお話です。
どうしても『雇用契約』になると、
【雇用関係の法律の規制を受ける】
などということもあり、
【経営者側としては外注費としたい】
ことが往々にして
あるのではないでしょうか。
■大まかに、
『給与』と『外注』
の違いについて復習として
触れさせていただきます。
まず作業をした時間によって
対価が決まるものは『給与』。
その行っている仕事について、
業務の指揮監督命令を受けていれば
『給与』。
仕事に使う道具や備品などを
自分で調達していることがなければ
『給与』。
また、完成するはずの仕事が
完成しなかったとしても
その対価を受けることができるのが
『給与』。
そして、その仕事を
自分以外の人がやることができるような
代替性がないようであれば『給与』。
…大まかに言えば、ざっとこんなところ。
このような状況を総合的に判断して、
【外注か給与か】
という区分を決めていくのが
通常なんですね。
このように区分していくと、
大半の場合が
【給与としての仕事になる】
という結果となりがちです。
■しかしながら、
上述したことは、
【客観的な判断が困難】
という内容も含まれており、
【必ずしもこれだけで給与か外注か
ということを税務署側が
白黒つけることは案外難しい】
というのが現実。
上述したように、
【客観性をより持たせるような証拠を
納税者側において備えておくこと】
は重要であると言えます。
■そんな中、
外注であれば相手は
『個人事業主』と考えますので、
その個人事業主は
【確定申告をすることが必要】
となりますよね。
そのように考えると、
『外注費』として処理した場合、
【相手に対して
確定申告をしているかどうか
の確認をすること】
は一つの有用な手段と
言えるでしょう。
当然、『確定申告をするかどうか』
の意思は相手に委ねられますので、
必ずしもその方法がうまくいく
とは限らないのですが、
こちらが『外注費』として
処理をしている以上、
相手方も確定申告をしないことには、
税務署から見ても統一性がないことから、
【その相手方に対しても
税務調査が入り指摘される可能性はある】
ということを伝えてみるのも
良いかもしれません。
■現に、
こちら側の申告と、
そこに対しての相手方の申告の
辻褄が合わないことには、
取引の一貫性から見る税務においては
【それを材料に税務調査が進む】
という可能性も否定できない
というもの。
したがって、
【根拠となる証拠を
少しずつでも積み上げていく】
という視点を大切にして、
その税務判断を的確にしていきたい
ものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『給与か外注か』の判定基準については、
【実務上かなり難しい面がある】
のが現実。
・この区別をするにあたり、
上述してきた条件に加え、
【相手方が確定申告をするかどうか】
というのも客観的な証拠として
考えられるということを心得ておくべし。
・実態は『外注』なのに、
【相手方が確定申告をしていないことが
不利に働いて、税務調査で否認される】
などということは本末転倒というもの。
・そのような状況を相手方にも説明し、
もしその相手が確定申告をしていない
ようであれば、
【確定申告をするように促す】
のも一つの方法であると言える。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。