2022年6月29日【従業員のマイカーを業務で使う場合】の注意点
■コロナの状況も
次第に落ち着きを取り戻しており、
だんだんと外部との接触が
増えているのではないでしょうか。
そんな中、経営の一環として、
【従業員さんに外への移動をしてもらい
車を使ってもらう】
ということが往々にして
考えられるかもしれません。
そこで今日は、
『従業員に車を使ってもらう場合の注意点』
について見ていくことにいたします。
■まず、
車を使ってもらう方法の一つとして、
【法人名義の社用車を
従業員に業務中に乗ってもらう】
ということが考えられます。
これは『社用車』ですので、
その社用車に要した経費は
当然法人の経費となるため、
【何ら問題はない】
と言えそうです。
ただ、『保険』については
【万が一の事故に備えておく必要がある】
というもの。
■次に、
従業員がマイカーを利用して、
そのマイカーにて
外へ移動をする場合。
この場合については、
『従業員のマイカー』
を利用してもらっているため、
場合によっては
走行距離に応じたガソリン代や
車両費見合い分を
【車両手当】
として渡すこともあるかもしれませんね。
■この、
『車両手当』について注意したいのが、
【通勤手当とは異なる取り扱いになる】
ということ。
というのも、『通勤手当』は
【税務署が決めている
一定額までは非課税】
なのですが、
『車両手当』については、
この通勤手当の概念ではないので、
【原則として課税される
(所得税や住民税、社会保険料
がかかってくる)】
ということになります。
■そしてもう一つ方法が。
これは、
【従業員と会社が
車両の賃貸借契約を交わす】
ということ。
これについては
【従業員の車ごと法人が借りる】
ということなんですね。
こうすることにより、
【『毎月の使用料』という形で、
法人から従業員に車両の賃借料を渡す】
というもの。
■この、
『車両の賃借料』になると、
給料とは別物になるため、
【原則として従業員側で
確定申告が必要】
となります。
ただ、
【この車両の賃貸料による
年間の収入(正確には所得)が
20万円以下であれば
確定申告は不要】
となるんですね。
ちなみに
【住民税の申告は必要】
となります。
■そしてもう一点注意が必要なのが、
これが従業員ではなく、
【法人の親族に対しての車両の賃借料】
であれば、これは『20万円以下』
という金額の縛りは一切なく、
【1円でも収入があれば
確定申告をする必要がある】
ので要注意です。
同族会社が、その親族の有利に
なるように税金逃れをしないように…
との意味合いで、
【同族会社がその親族にとって
有利に働かせることを防止する策】
なんでしょうね。
■そして、
この『車両の賃借料』については、
【これを支払う法人においては、
消費税の仕入税額控除が認められる】
ことになります。
むむ…もう少しわかりやすく…
『仕入税額控除』とは、
【税務署に納付する消費税から
引いてもらえる消費税】
のことなんですね。
仮に年間11万円の車両の賃借料を
従業員に払ったとしたら、
【税務署に納付する消費税から
この11万円の中に含まれている
1万円の消費税を引くことができる】
ということ。
そしてこの『車両賃借料』については、
社会保険はかからないため、
【社会保険料の面でも有利である】
と言えます。
■というわけで今日は、
従業員のマイカーを使用する場合の
主に2つの方法について見てきました。
いずれにせよ、従業員の方の意思を
しっかりと尊重し、
お互いに損のないような
選択をしたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『従業員のマイカー』を利用する場合は、
【給料として車両手当の名目で支払うか】
【車両の賃借料として支払うか】
の2つが考えられる。
・『車両手当見合い』で払うものについては
【給料】として課税され、
『車両の賃借料』として
支払うものについては、
【その従業員の所得にカウントされるもの】
と心得ておくべし。
・しかしながら、その車両の賃借料
(従業員から見ると賃貸料)が
【年間20万円以下であれば、
確定申告は不要】
となる。
・従業員とこういった取り扱いを
お互いに確認し、双方にとって良い状況で
従業員のマイカーを利用したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。