2022年9月18日よく聞く「税務署側の税理士」について考える
福岡では雨が降り出し、
次第に台風の足音が近づいている
かのようです。
我が家と事務所でも
養生テープなどでガラス窓を固定するなど
やれることはやった状態ですが、
今回の台風は大きくて心配ですね。
備えていても憂いてしまう
ところは正直ありますが、
備えすぎて損をすることはないので、
今からでもやれる対策はしておきたい
ものです。
さて、本題です。
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■税務調査の認識について、
【税理士によりその考え方が
様々である】
ということはよく見聞きする
かと思います。
私も単発の税務相談で
よく言われることなのですが、
今日はその税務調査についての
『感覚』という、
少しふわっとした内容について
お話をしていきたい
と思います。
■よく聞くお話として、
【税務署寄りの税理士か、
納税者寄りの税理士か】
ということがあります。
一般的な感覚からすれば、
『税務署寄り』という表現は、
いわば『税務署の味方』
とも取れる表現で、
【経費にしていくべき内容を
限りなく白に近い状態
(税務調査が入っても指摘されない状態)
に持っていこうとする】
ようなイメージなのでしょう。
一方、納税者の方の相談を
お受けする中での感覚としての
『納税者側(経営者側)の税理士』
はと言えば、
極端に言うならば、
【限りなくブラックに近いものを
経費にしてくれるような税理士】
というイメージがありそうです。
■ここで、
一般的な税理士と
納税者の方の認識の齟齬があるように
思うところなのですが、
当然のことながら、
『完全にブラックな経費』…
どの角度から見ても
プライベート用である支出については、
【当然税理士として
その職業倫理からしても、
経費として認めることはできない】
というもの。
しかしながら、『グレーな支出』
については、
【極力上述した納税者側の立場に立って、
税務署からの税務調査の際に
交渉をしていく】
というのが正しい税理士の在り方
なのかもしれません。
■私について言えば、
当然ブラックな支出は
経費とはできませんし、
当然その旨を経営者の方に
お伝えしています。
しかしながら、『グレーな経費』
…つまり、
【事業用にもプライベート用にも
使用でき得るもの】
については、
【その合理的な判断をして、
極力同じく合理的な基準により
経費にするようにしている】
という状況。
もしそのグレーな部分が
税務調査で突っ込まれたとしても、
【こちらとしては合理的な根拠をもって
経費として計上をしていますので、
正々堂々と戦える】
ということなんですね。
■しかしながら、
上述した『ブラックな支出』
についてはどうでしょう。
これはどう考えても
ブラックなものなわけですので、
税務調査においても
経費として認められようがないわけです。
【そのことを税理士としての立場上、
把握しておきながら経費として入れ込む】
ということが、
本当に『納税者側の税理士』
と言えるのでしょうか。
私としては、それはむしろ逆であり、
厳しい言い方をすれば、
【法を犯して脱税をしている状況】
になってしまいますので、
【経営者の倫理としても
これは認められるものではない】
ということを共通認識として
持っておきたい
という気持ちなんですね。
■もしかすると、
そのようなブラックな支出を
経費にすることにより、
そのことを売りにして『節税』
などを謳っている業者や税理士も
いるのかもしれません。
しかしながら、
それは会社経営を考えると
本末転倒であるような
気がするわけですね。
会社の経営を考えていくとすれば、
もちろんグレーな支出については、
その許容範囲内で、
なおかつ、最大限の配慮をもって
経費にしていくわけですが、
そこに事業とは全く関係のない
要素の支出が入り込むと、
その会計上に現れてくる数字は、
【全くもって実態を表さないもの】
になってしまいます。
そのような状況で、
会社の適正な状況が
把握できるはずもなく、
経営者の側としても、
「そのような黒い私心をもって
事業をしているということは、
どうなのかな」
というのが正直な感覚です。
■今日は少々厳しめのお話となりましたが、
よくある
【納税者側・経営者側
(納税者・経営者寄り)の税理士】
としてのコトバの遣われ方に
疑念を持つ面がありましたので、
こういった内容を
記事にさせていただきました。
私自身、もちろん
「最大限経費化をして、
税務調査で交渉していこう」
というスタンスではあるのですが、
【その前段階の根本の思考に
大きな齟齬がある】
ということが少なからず
見受けられましたので、
そのことを今一度記事を通じて
書かせていただきました。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・一般的に聞かれることとして、
【税務署寄りの税理士・
経営者寄りの税理士】
という言葉がある。
・しかしながら、
【経営者寄りの税理士】
について誤認識があるのでは
ないだろうか。
よくある誤認識としては、
【ブラックな支出を経費にする税理士
こそが経営者寄りの税理士である】
ということ。
・税理士の職業倫理をもって考えても、
本来の経営の目的や理念を考えても、
【そのような思考は
決してなされるべきではないもの】
ではないだろうか。
・経費にする際は最大限の配慮をして
経費化していくものの、
経営の本来の目的である、
【利益を追求し、手元により多くの
現金を残すこと】、
そして経営者としての
倫理観を考えた際、
【合法な範囲内での経費計上】
を考え、それをもとに
経営を進めていくのが
正しい道であるように
私は思うところである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。