2023年8月4日「利益が出ているのにお金がない」という原因を考えてみる
昨日は2社との新たなご縁をいただきました。
ここ最近は福岡県外からのお話も増えており、
広くご縁が繋がっていっているようで
嬉しい限りです。
また、事務所の経営理念も固まり、
本日はそれをホームページに公開していく
ための打合せをする予定。
いろいろと思考が形になって来ていて
これからのことがすごく楽しみですね。
さて、本題です。
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■顧問のお客様とのお話や、
税務相談の中で、少なからず、
「利益は上がっているはずなのに
お金が残っていないんですよね…」
ということを聞くことがあります。
法人であれば、経費となる金額なども
明確であるため
そこまでの誤差がないということも
あるのですが、
個人事業に関しては、代表者に
対する給与が認められておらず、
また、生活費の支払いが事業上の通帳から
出たりするもの。
ただ、代表者に対する給与と生活費として
出金したお金については経費となりませんので、
【残っているであろう現金の感覚と、
会計上の利益の感覚が違っている】
ということが少なくないのでしょう。
上述したことに加え、それ以外の面で、
事業の取引であるにもかかわらず、
【実際の現金と会計上の
利益について差異が出る原因】
についてのことを、
今回の記事では考察していきたいと思います。
■最も多い、『利益は上がっているのに
現金は残っていない』というものの一つに、
【借入金の返済】
が挙げられます。
借入金の返済については、
の元金の返済は経費とならず、
【利息の部分のみ経費とされる】
状況なんですね。
■仮に101,000円の返済をして、
1,000円のみが利息だとしたら、
【経費となるのは1,000円のみ】
なんですね。
ここでよくある質問が、
「返しているのに(つまりお金を使っているのに)
どうして経費ではないのか」
ということ。
これについては逆を考えてみれば
明確なのですが、
【融資を受けて借入金が入金された際は
収入としてはカウントしていない】
わけですよね。
もし借入金の入金を収入として
カウントしてしまうと、
せっかく資金繰りの改善のために
借り入れたものに対して
税金がかかってくるということに
なってしまいますので、
【それは本末転倒である】
と言えるでしょう。
借入金が入金された場合は、
『借入金』という勘定科目を利用し、
これは『負債』として認識をします。
■そして、この借入金を返済した際の
元金部分については、
【この借入金という負債が減少する】
という考え。
イメージとしては、
【借入金が入金されたタイミングで現金が増え、
それと共に借入金という負債が増加する】
ということ。
そして返済の際は、
【借入金という負債が減少し、現金も減少する】
といった流れになるわけです。
そのように考えると、
借入金の返済が経費ではない理由が
見えるのではないでしょうか。
■その他にも、
【買掛金や未払金の支払いについても
経費ではない】
ということが、事実としてあります。
これについては大口の仕入や
大きな設備投資などをした際に
感じるものなのですが、
仕入について言えば、
商品を仕入れたタイミングで
【仕入高という経費(原価)】
にするものの、
【実際の支払いは翌月や翌々月
だったりすることも多い】
のではないでしょうか。
その際に経費として認識する
タイミングは、
仮に12月に仕入れたものを
翌年2月に支払うとしたら、
『12月になる』ことになるわけです。
■そしてその翌年2月に支払った際は、
上述した借入金と同じような感覚で、
【買掛金という負債が減少する】
ことになりますので、
【実際に現金が動いた際は
経費には影響しない】
ということになります。
したがって、12月時点では
仕入高という経費を認識して
いるにもかかわらず、
現金は手元に残っている状況である
ということに。
(仕入ついては在庫が関係してくるので、
厳密には少し意味合いが変わるのですが、
今回は本筋ではないので割愛します。)
■そして、仕入以外の経費についても、
その利用したタイミングで経費化され、
【支払いのタイミングでは未払金や
未払費用という負債の科目が減少する】
ことになるため、
ここも現金は減っていないのに
経費になっていることになるというもの。
■逆に、売掛金については、
商品やサービスの提供が完了し
請求書を発行した時点で
売上高として認識されるものの、
実際の入金は翌月や翌々月と
いうことも少なくないでしょう。
そのような際は、
【請求書を発行したタイミングで
基本的に売上高を認識】
するため、現金が増えていない
にもかかわらず、
【売上高という収益が増え、
その結果利益が増えている】
状況が見て取れることに。
こういった点において
【現金が残っている感覚と、
実際の会計上の利益にズレが生じる】
わけですね。
■経営成績や資金繰りを考える上で、
上述したことなどを要因として
そのようなズレが出ているということは
認識しておいた方が良いでしょう。
【会計上の利益と実際の現金の残り具合は異なる】
ということ。
これは経営者として念頭に置いておくべき
論点かなというところです。
■というわけで今日は、
よくある質問として、
【会計上の利益と実際に手元に
残っている現金が違っている
という感覚のズレ】
についてお話ししてまいりました。
何はともあれ、会計処理を適切にし、
【会計上の数字を明確化することにより
経営成績が見えるようになる】
ものですので、我々経営者は本業で詰まっている
こともありますが、
適時適切に会計処理をし、
【正確な会計帳簿の作成】
を心掛けるようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・【会計上の利益と実際に残っている
現金にズレがある】
ということは
少なくないのではないだろうか。
・往々にしてその原因は、
【借入金の入出金や、売掛金や買掛金などの
収益や経費を認識するタイミングと、
実際の入出金のタイミングがズレている】
ということにある。
・まずは上述してきたような、
実際に残っている現金と、
会計上の利益のズレの原因を的確に認識し、
そのズレを念頭に置いて、
【会計上の数字を見ていく】
ようにすることが大切であり、そのことにより
経営成績や資金繰りが見えるようになってくる
ものであるため、
そのような知識を念頭に置いて
経営の数字を見ることを
心掛けてみてはいかがだろうか。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。