2023年8月10日マイクロ法人の事業の【あるべき考え方】について
今日は福岡に台風が最接近の日でした。
昨日の夜あたりからかなり風が
強くなっていたのですが、
何事もなく通過したようでひと安心です。
台風だけでなく、地震などもいつくるか
わからないものですので、
万全の体制を整えていきたいところですね。
さて、本題です。
------------------
■個人事業を営んでいる方からの
税務相談をよくお受けする
機会があるのですが、
その中で少なからぬ場合、
【マイクロ法人についての提案】
をさせていただくことがあります。
マイクロ法人については
以前の記事でも度々述べさせて
いただいていることではありますが、
【マイクロ法人は個人事業と
並行して進めていく】
というのが一つのポイント
として考えられます。
■まずマイクロ法人の主旨としては、
【社会保険料を削減する】
ということが目的なんですね。
社会保険料を少なくするということは、
法人から得る役員報酬に対しての
健康保険料と厚生年金保険料が
最低となる金額に設定し、
それにより
社会保険料を少なくするということ
なんですね。
■会社の社会保険に入ると、
【個人事業の国民健康保険料の
負担をする必要がなくなる】
もので、また、個人事業において
加入して払っていた国民年金についても、
【法人が厚生年金に加入すること
により支払いの必要がなくなる】
というわけです。
したがって、
【マイクロ法人の目的は、
社会保険料を削減すること】
ということをまず念頭において
おくようにしましょう。
■その中で
【個人事業の一部を法人に移す】
ことを考えることがお勧めです。
というのも、
個人事業の売上をマイクロ法人に移す
ことができるとすれば、
当然個人の売上が少なくなることにより
【消費税の負担が少なくなる】
かもしれませんし、
売上が減少することにより、
個人のトータルの所得が少なく
なるわけですので、
【所得税や住民税、場合によっては
個人事業税なども減る可能性がある】
というわけですね。
■そしてもう一つ検討したいこととして、
【個人事業においての課税売上高
(消費税の対象となる売上高)が
1,000万円を超えるかどうか】
ということも。
■マイクロ法人に移していく
事業内容によっては、
個人の売上の一部をマイクロ法人の
売上とすることにより、
【個人事業の課税売上高が
1,000万円以下になる】
ということも往々にして
考えられるわけです。
もし1,000万円以下の課税売上高となれば、
その翌々年は個人事業においては
免税事業者となるため、
【消費税の負担がグンと少なくなる】
というわけですね。
■もちろん、インボイス制度により
【課税事業者とならざるを得ない
状況であればどうしようもない】
わけですが、
場合によっては、そのようなことも
選択肢の一つとして考えておくと良いでしょう。
また、法人としての売上
とすることにより、場合によっては、
【役員社宅や出張旅費を
検討することも可能】
となります。
役員社宅や出張旅費については、
【お金を使わない節税に該当】
しますので、本来的な意味での
節税になるわけですね。
■そのような
【お金を使わない節税により
経費を作ること】
ができれば、
マイクロ法人の売上高は
【通常よりもう少し多めに
設定しても良い】
かもしれません。
大切なのは、役員報酬を最低限
にすることにより
【社会保険料の負担を軽減すること】
ですので、
結果としての売上高から役員報酬や
社会保険料を含めた経費を引いたところで、
【法人の利益をトントンに持っていく】
ことができれば、それが
ベストな解であると言えます。
売上高が大きくなり、役員報酬を
最低限に設定し、その結果
【法人の利益が出ているようであれば、
法人での税負担が必要】
となりますので、
そうなると、マイクロ法人の設立意義
からして、本末転倒になってしまうかも
しれません。
■というわけで今回は、
【マイクロ法人の事業内容のこと】
などについて検討してまいりました。
何度も繰り返しますが、
マイクロ法人の目的は
【社会保険料を削減すること】
にあると言えます。
それさえ達成できれば、
どのような組み合わせでも検討すべきであり、
知恵を絞りながら、法人の利益を
トントンに持っていくことなどを重々考え、
個人事業と法人の事業内容などを
検討するようにしましょう。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・マイクロ法人の設立目的は、
【社会保険料の削減にある】
と言える。
・場合によっては、
【個人事業の一部をマイクロ法人に
持っていくこと】
を考えたいものであるが、
これを考える際、
【マイクロ法人の利益をトントンにし、
なおかつ役員報酬を最低限の金額】
で取ることを考えたいもの。
・また場合によっては、
マイクロ法人に移す売上によって、
【個人事業の課税売上高が1,000万円以下
になるということも考えられる】
かもしれない。
・そのようなことを総合勘案し、
個人事業とマイクロ法人の事業内容を
重々検討し、有用な意思決定を
したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。