2023年9月19日「開業届はいつ出すの?」という疑問について
今日は3時に目が覚め、ひとまず活動を笑。
この短眠は間違いなく体調崩すパターンなので、
あとからしっかり二度寝しようと思います。
睡眠は全ての根本であるような気がしているので、
もっと睡眠のことを極めないと・・・
という気持ちですね(汗)。
さて、本題です。
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■少し前の記事でも
書かせていただいたのですが、
【最近は副業に関する税務相談】
が増えています。
<2023.8.26【副業を始める際に
やっておきたい】3つのことについて>
https://muratax.com/2023/08/26/6860/
<2020.12.17【20万円以下は確定申告不要】
の真実とは>
https://note.com/muratax/n/na358287e6907
副業といっても、中には既に
【サラリーマンを退職されて、これから
フリーランスとしてやっていこう】
という段階の方もいらっしゃる
ことが少なからずある状況です。
そこで今日は、そういった
【フリーランスの方のスタート
についての税務関係の話】
をしていきたいと思います。
■まず最も多い相談が、
【開業届をどのタイミングで
提出すれば良いか】
ということ。
開業届の提出については、
サラリーマンを継続しながら
副業として提出する場合、
そしてサラリーマンを退職して既に
スタートを切っている方が開業届を
提出する場合ということに分かれます。
■開業届を提出する意味合いとしては、
【これからの確定申告を
『事業所得』として申告しますよ】
という宣言書のようなものなんですね。
そしてこの事業所得で申告する
ことができるようになって初めて、
【青色申告で申告する
という選択肢が取れる】
ということに。
■では事業所得で申告しない場合は
どのようにして申告するのでしょうか。
結論としてこれは
【雑所得として申告をする】
ということに。
では、「雑所得と事業所得とは何が違うのか」
と言えば、端的に言うと、
【損失の相殺や繰越ができるかどうか】
ということの違いなんですね。
雑所得とは、
【事業所得という規模でもない所得】
を言い表す所得ですので、
上述した損失の相殺や繰越が
認められないということに。
■その一方で事業所得はと言えば、
仮にサラリーマンの方が年末調整を
終えてサラリーマンとしての給与所得が
確定している場合であっても、
事業所得で損失が出ている状況であれば、
この事業所得の損失と給与所得の
プラスの所得部分を相殺し、
【給与所得を小さくすることができる】
ということになるんですね。
当然年末調整は終わって給与所得の
所得税は確定しているのですが、
ここに事業所得の損失が相殺される形で
給与所得が小さくなるため、
【その小さくなった所得分の所得税は還付され、
翌年6月に通知のくる住民税は減額される】
ということに。
■しかしながら、
実際に何の事業もしていないのに、
開業届を提出し、事業所得をしているという
事実をでっち上げ、
【サラリーマンとしての給与所得を
小さくし、所得税の還付を受けさせる】
というスキームを勧めるあくどい業者が行脚し、
【何も知らないサラリーマンから
報酬をもらい、利益を得ている】
という事実が残念ながら見受けられます。
そういった事実に国税局も
目をつけており、そのようなことから、
【事業所得と雑所得の
線引きを明確にしよう】
という動きが昨年出てきたわけですね。
■逆を言えば、
既にサラリーマンを退職しており、
これからフリーランスの収入1本で
やっていこうとする方に関しては、
こういった給与所得との相殺はできないので、
【税務調査のリスクも小さくなる】
と言えそうです。
■上記の点を踏まえて、
【開業届をどのタイミングで
提出すれば良いか】
ということなのですが、
上述したように昨年国税庁が、
事業所得としての区分けを
【売上300万円以上の場合に
事業所得と認める】
といったような
話が出たことがありました。
<2022.10.8【副業収入300万円問題】
が解決へ!?>
https://muratax.com/2022/10/08/5703/
■しかしながら、
その根拠が相当曖昧であったため、
【結果として事実上その300万円の
基準はなくなった状態】
になったんですね。
したがって、
【開業届を提出すべき売上や利益の
金額は未だ不透明】
であり、逆を言えば、
【今後事業所得として売上や収益が
見込まれる状況】
であれば、
【開業届を提出して事業所得として
申告すべきではないか】
と私は考えているところです。
■その中で注意が必要なのが、
サラリーマンの方が給与所得を
小さくするために、
【開業届を提出し、損失を意図的に
出し続ける】
などということは、絶対にやめておくように
しましょう。
もちろん、結果としてそうなってしまう
状況は仕方のないことなのですが、
【それを目当てに開業届を提出する】
ことは、正直言って
脱税目的と言われても仕方ないというもの。
しかしながらその一方で、
【開業準備の段階である初年度や、
場合によっては2年目あたりまでは
損失が出る】
ということも少なからず
考えられるのではないでしょうか。
■そのような際に、
損失を積極的に繰り越して、
【翌年以降の事業所得が
黒字になった場合に備える】
ということは税金の対策の上では
かなり有効であると言えます。
また、
【青色申告の場合は損失を
3年間繰り越すことができる】
ということもあるので、そういった点も
しっかりと念頭に置いて、
開業届を提出するかどうかを
検討されてみてはいかがでしょうか。
■開業届に関しては上述してきたような
税務上の考えに加え、
「これから事業をスタートするぞ!」
という宣言書のような意味合いもあるの
ではないかと私は考えているところです。
そういった開業届の提出を契機に、
【事業を大きくすることを決意し、
経営者として最適なスタートを切ること】
を心掛けてみてはいかがでしょうか。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・開業届を提出するタイミングは、
【実質のところ、明確な基準がない】
状況と言える。
・開業届を提出するということは、
【事業所得で申告する】
ということであり、
【事業所得になれば他の所得との
相殺や、損失の繰越ができる】
ことになるため(損失の繰越は青色申告に
限定されることに注意)、
有意義な決定をしたいものである。
・どうしても、
【売上や利益の基準のみで開業届を
提出するかどうかを判断しがち】
であるが、開業届は、
【これから事業をスタートするぞ
という宣言書】
という意味合いにもとれるもの
であるため、
自らを経営者として奮い立たせる
ためにも、ぜひ開業届を提出し、
その後の事業展開に希望を持って、
経営者としてのスタートを切ってみる
ことを意識すると良いかもしれない。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。