2023年9月28日【物々交換】という形での商売について
今月も終わりが近づいてきています。
月末はどうしても法人の決算に追われて
しまうものですが、
9月はインボイスの最終確認なども
同時に進めていかないといけないこともあり、
通常よりかなり詰まってきています。
こういった時こそ、気を引き締めて
いかないといけないですね。
さて、本題です。
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■従来の経済に比べ、
ここ最近はネット社会となり、
【オンラインでやりとりが完結する時代】
になってまいりました。
オンラインでのサービスは、
実際の物理的なやりとりなく、
【完全にオンラインで商品や
サービスの提供が完了するもの】
が少なくない状況です。
そのような中で、
【特に日本円の価値が大きく下がっている】
などということもあり、場合によっては
【物々交換で商品や
サービスの提供をし合う】
ということもたまにではありますが
見受けられるということも。
今日はそんなことから
お話を続けていきたいと思います。
■まず、物々交換であれば、
現金の動きはないため、
会計や税務上何も影響しないように
思われがちなのですが、
実際のところはそうではありません。
たとえ物々交換であっても、
そのモノやサービスの価値を
その時の時価で評価し、
【その時価でやりとりをしたものとして、
売上を計上していく必要がある】
というもの。
■どうしても実際のやりとりがないため、
簿外(帳簿に計上しないこと)の処理を
してしまいがちなのですが、
【それは税務や会計上では誤った処理】
になってしまうので要注意です。
したがって、物々交換であっても、
【場合によってはそれが課税の対象になる】
ということも少なからずあるという状況。
■そのように考えると、
【現金を受け取っていないのに、
税負担を強いられる】
ということも考えられるわけですね。
それが
【この物々交換の怖いところ】
なんです。
上述したことは税負担の観点から
だったのですが、
現実問題では、物々交換になると
【モノやサービスを受け取ることができる
ものの、実際に手元には現金がない】
ということになります。
■物々交換は言い換えると、
【相手方に対する商品やサービスの
提供に関する金銭でのやりとりを
省略された】
という、ただそれだけなんですね。
その一方で、実際に現金を受け取って
いればどうでしょう。
現金を受け取り、その方に対する
料金を支払うことに加え、
【残った代金を他の支払いに充当する】
ということもできるでしょう。
■そもそも、
【物々交換に適正な対価性が見られるか
と言えば、往々にしてそうではない】
ということが見受けられます。
それに引き換え、
現金のやりとりになると、
お金をという尺度をもってその商品や
サービスの価値を表すものとなりますので、
【その商品やサービスの品質と
やり取りする代価は均衡している】
ということが通常でしょう。
また、急な支払を要している場合に、
現金が手元にないということを考えると、
支払先の優先順位をつけることができず、
場合によっては、税金や社会保険料の
関係などであれば、
差し押さえをされるということにも
なりかねません。
そういった観点から物々交換で
やりとりを完結させるということは、
【現代の社会や税制においては、
どうしても弊害が生じるもの】
と考えられます。
■上述してきたことは、
【お金が汚いもの】
という印象があってのこと
ということも、
往々にしてあるのかもしれません。
そういった前提に立った際、
そのような物々交換のでの
やりとりが完了すると、
【なんとなく良い気がする】
のかもしれないのですが、
上述したようなことから考えると、
決してそれは
【日常生活や経営をしていく
面では満たされていない】
と言えそうです。
■いろいろ述べてはきましたが、
【物々交換は現代の状況においては
基本的にすべきではないもの】
と私は考えます。
とは言え、ご近所付き合いや友人など
との関係でそのような最低限の
やりとりをすることは、
私個人としては良いことではないか
と思う次第。
しかしながら、
【経営のお話になると
税務や会計が絡んでくる】
ためそれはまた別の話
ということになるわけですね。
商品やサービスを提供したら、
適切な対価を頂戴し、
または商品やサービスの
提供を受けた場合は
同じく適切な対価を支払い、
現金を介したやりとりをすること
により、真に満たされた状態を
作っていくようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・ここ最近は、
【オンラインでのやりとりなどで完結する】
などという時代の流れもあり、
【相手方の商品やサービスと
自分のものを交換する】
などという商慣習がたまに見受けられる。
・たとえそういったモノや
サービスの交換であっても、
【税務や会計上は収益や経費を
認識すべきものである】
ということは心得ておきたいもの。
・したがって、物々交換などの
現金を伴わないやりとりを
したばかりに、
【現金がないにもかかわらず、
大きな税負担を強いられる】
ことになりかねないことは、
十分注意しておきたいところ。
・なんとなく物々交換などに関しては、
現金を介さないため
気持ちが良いように錯覚して
しまいがちであるが、
その現金をもらったことによる
【支払いの優先度を選ぶことが
できない】
などという観点や、
上述した税務上の問題点を考えると、
やはり経営においては
物々交換などではなく、
【適切な商品やサービスの
代価をやり取りする】
ことが賢明なのではないだろうか。
・どうしても、
【なんとなくの気持ちや思いつき】
でやりとりをしてしまいがち
なものであるが、やはり
【キャッシュイズキング】
であるため、現金の収受は適切に行い、
経営上のあるべきやりとりを
していきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。