2023年10月28日その法人の設立、「本当に大丈夫!?」
今日はお客様の決算の打合せでスタバへ。
今日のスタバは一段と人が多く、
皆さんそれぞれ読書や作業に勤しんでいる
姿が見られ、なんだか微笑ましかったです(^^)。
このような週末のひと時は、
自分を見つめなおす貴重な時間ですね。
私もこれから少しの時間、
今後のことを思索する時間に充てる予定です。
さて、本題です。
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■様々な税務相談を
受けさせていただく中で、
個人事業としてスタートを切るのか、
法人としてスタートを切るのか
といったことや、
個人事業を進めているものの、
【そろそろ法人成りした方が
良いのではないか】
といったご相談に乗らせて
いただくことが少なくない状況です。
そもそも法人にするという点については、
【法人としての信用力をつけたい】
ということもあるのでしょうが、
少なからぬの場合は、
法人と個人の税負担を考えて、
【トータルでメリットがあるような
状況にしたいため法人設立を検討している】
ことが大半ではないか、という感覚。
■確かに、個人に関しては
『超過累進税率』になっており、
所得が上がれば上がるほど税負担が
増えていく状況である一方、
法人については、中小企業については
ざっくりしたところでいけば、
【2段階の超過累進税率】
という点に留まる状況。
(法人の地方税まで考えるとそうとも
言えないのですが、あくまでもざっくりと、
という前提です)
<国税庁HP>
所得税の税率
<国税庁HP>
法人税の税率
そのように考えると、
個人の所得が増えれば増えるほど
当然税負担は増えますので、
【一定の状況に達したら法人に
切り替えるべきである】
というのが、節税の観点から見た
法人設立の話なんですね。
■しかしながら、
実際に考えなければならないのは
税金のことだけではないんですね。
具体的に言えば、
【社会保険料についても
考慮する必要がある】
ということ。
というのも、法人となり、
【代表である自らに役員報酬を払う】
ことになった際は、
【その役員報酬に対して
社会保険料がかかってくる】
わけで、その社会保険料は、
大まかにお話すると、
【もらった役員報酬の15%程度を
個人が負担し、残りの15%程度を
法人が負担する】
ということに。
■サラリーマンであれば、
当然個人負担分の15%の負担
で済むのですが、
自らが代表を務める法人ともなると、
結局のところは
【法律としては別人格である】
とはいうものの、
『自分の会社』であるわけですので、
【トータルで30%の役員報酬に対する
社会保険料を負担しなければならない】
ということに。
■また、現在の個人事業で従業員を
雇用している際は、場合によっては
【その従業員の社会保険料15%分も
会社が負担しなければならない】
ということになるわけですので、
【相当負担が増える】
ということは明確でしょう。
そのようなことをトータルで考えると、
【法人化をするには1千万円を超える
利益がないとちょっと厳しいかな…】
というところなんですね。
■ただ、その前段階で、
【社会保険料を削減する
目的で設立するマイクロ法人の設立】
も視野入れるべきでしょう。
ただ、すべてを法人として運営して
いこうとするためには、往々にして
【1千万円を超える利益がないと
法人化してもメリットがない】
と言える状況なんですね。
■とは言え、その一方で、
法人であるということにより
信用力が生まれ、
金融機関の融資や得意先の開拓、
そして従業員の雇用などの面で
良い効果が生まれるということもまた
考えられるというもの。
このような点を
【トータルで考えて法人にするべきか
どうかを検討すべき】
と言えるでしょう。
■法人ともなると、まずその設立に
【株式会社であれば30万円弱ほど、
合同会社であれば10万円弱ほどの
資金が必要】
となり、利益が出ていなくても、
【6万円から8万円ほどの『均等割』という
法人の地方税を負担】
を強いられます。
また、法人の申告は個人事業の
確定申告と違い、
数十枚もの書類を作成しなければ
なりませんので、
税理士への依頼も必要な状況も
あるんですね。
そうなると
【税理士費用も追加でかかってくる】
ということに。
■どうしても何となくのイメージで
法人設立を検討してしまうものなのですが、
こういった点をトータルで考えて、
【法人設立すべきかどうか】
ということを的確に考える必要がある
というものでしょう。
■ここ最近、インボイス制度のスタート
ということも重なり、
【法人設立についての
税務相談が増えている状況】
ですので、今日はその概要的な部分を
記事として書かせていただきました。
法人を設立するためにはその他にも
決算月や資本金、誰を役員に登記するかなど、
いろいろな点において注意が必要ですので、
安易に自分の知識で決めるのではなく、
【適切に税理士や司法書士などの
専門家に頼りながら法人設立を検討】
をされることをお勧めします。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人設立を考える際、
個人と法人それぞれの税負担を考慮し、
【トータルで手元により多くのお金が
残るためにその設立を検討する】
ということが多いのではないだろうか。
・それに加え、
法人を設立したことによる
『信用力』という面からも、法人設立を
検討するケースもあるかもしれない。
・法人と個人の税負担に関しては、
【必ず社会保険料の負担も
視野に入れて検討】
しないと、
全くもって見当違いの試算となってしまう
ことには、十分な注意を払うべきであろう。
・法人設立を本格的に検討する際は、
ぜひ専門家である税理士や
司法書士の知見を頼り、
【適切に、また適法に法人設立を検討すべき】
であると言える。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。