2023年11月12日【役員貸付金】を私がかなり厳しく見る理由
天気予報は晴れ予報なのに、
実際は雨と曇り。
先行き不透明なのは、
何事も同じなのかもしれませんね笑。
そんな状況だからこそ、
明確な目標をもって、
経営や人生を紡いでいくことが
大切なことのように思います。
さて、本題です。
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■以前の記事でも再三述べさせて
いただいていることなのですが、
弊所においての顧問契約は、
基本的に3ヶ月1度の面談を原則とし、
最後の3回目のご面談の際は
【法人の決算対策や個人事業の
決算対策をしていく】
ことになります。
対策としては上述した決算対策のほか、
当然節税対策もしていくのですが、
【節税対策については税金を減らす対策】
である一方、
決算対策については、往々にして
金融機関の評価の面を見据えて、
【金融機関にとっての好評価となるような
財務諸表を作成すること】
を目的としています。
■そのような中で、
税務の面においても金融機関の面においても
私が注視している事項があります。
それは『役員貸付金』なんですね。
通常の場合、法人の売上は決して自由に
使えるものではなく、
原則として法人から自らがもらう
役員報酬により個人がお金をもらうことにより、
【法人から個人へお金を移すことができる】
というもの。
一方個人事業主については、
【売上は自由に使って良い】
ということになっているんですね。
その反面、
【個人事業の場合は、自らに対する
給料を支払うことができない】
ということになるわけです。
要は給料が経費にならないわけですね。
上述したように法人については
基本的に売上を自由に使えずに、
【生活費の支出をする際は自らに対し
役員報酬を支給することにより、
それを生活費に充てていく】
ということになるわけです。
■しかしながら、
【もし役員報酬を上回る生活費が
必要である】
としたらどうでしょう。
当然生活をしていかなければなりませんので、
【法人の売上からその生活費の分を
役員報酬とは別に個人が取ってしまう】
ことになるかもしれません。
しかしながらこれこそが、上述した
【役員貸付金の原因】
となるものなんですね。
役員貸付金とはつまり、
【法人がその役員に対してお金を
貸している状態】
のことを指します。
■少し厳しい言い方をすれば、
【役員が法人のお金を自由に
使ってしまっている状況になる】
ということですよね。
もっと厳しい言い方をすれば、
つまりは『横領』になるわけです。
自分の会社とは言え、
法律上は別の人格なので、
これはやむを得ないこと。
当然、金融機関の評価の面においては、
【法人のお金を自由に使うような
社長である】
という評価をされるため、
また、銀行が融資をしたとしても、
【同じような形でその社長が個人的に
法人のお金を移動するのではないか】
という懸念に繋がるということに
なりかねないわけです。
そうなると必然的に、
役員貸付金が存在するというだけで
金融機関の評価の目は極めて厳しくなると
言えるでしょう。
こういった面が金融機関の評価の面で
注意しておくべきことであると言えます。
■その一方で、税務面ではどうでしょう。
税務の面においては法人が役員に対して
お金を貸している状況ですので、
【その役員から借りたお金に対応する
利息を法人に入れてもらう】
必要が出てきます。
たとえ法人の代表者と法人の関係で
あるとは言え、こういった
【利息の受取については収益として
計上すべきである】
という、いわゆる『認定利息』の考え
が存在するんですね。
<国税庁HPより-No.2606金銭を貸し付けたとき>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2606.htm
そしてそれだけではなく、
給与(役員報酬)以外で法人から個人が
お金をもらっている状況を考えると、
これはつまり、個人的に法人の
お金を個人が流用しているという考えから、
【役員賞与として認定される可能性もある】
ということを知っておくようにしましょう。
■法人は基本的に
『定期同額給与』といって、
【毎月定額の役員報酬をもらう必要がある】
というところ。
従って『賞与』という突発的な支出
については、
【経費性が認められない】
ということになるんですね。
また、
【賞与に関しては源泉徴収をする必要】
がありますので、役員賞与と認定
されてしまえば、
その役員賞与について本来は
源泉徴収が必要なものとして、
【源泉徴収漏れということで
不納付加算税という罰金】
が課税されてしまいます。
■また場合によっては、個人的な
消費という意味合いが強い状況であれば、
【場合によっては重加算税の対象となる】
ということも考えられます。
重加算税については、本来の税金に
対する罰金的な意味合いもあるのですが、
それよりも
【税務調査のブラックリストに載ってしまう】
ということは知っておきたいものです。
税務調査のブラックリストに載ると、
【定期的に税務調査が来る】
ということになってしまいます。
■そういった面において、
役員貸付金については、
金融機関の評価の面、そして税務調査の
両面において、
【絶対に避けるべきであるもの】
ということなんですね。
どうしても節税対策のみに目がいって
しまうのですが、
こういった決算対策についても十分に
注意するようにして、有意義に法人の
決算を組んでいくようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人の決算においては、
【節税対策のほか決算対策をすべきである】
ことを心得ておくべし。
・決算対策と節税対策(税務対策)において
共に重要なのが、
【役員貸付金の状態になっていないか】
ということ。
もし役員貸付金の状況となっていれば、
【金融機関の評価の面においても、
税務調査の面においても厳しい状況になる】
ということは、把握しておいた方が
良いだろう。
・そのようなことから、決算においては、
【必ずその決算日現在において
役員貸付金が発生していない状況にすべき】
ということを心に留めて、
適切な対策をしていくことを
心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。