2024年2月7日知っておきたい【中古車節税の怖さ】
今日は通常の面談に続き、
顧問のお客様の法律相談に同席。
経営においては、時によりどうしても
不条理なことに遭遇してしまうものです。
こういった際に、心強い弁護士がいることは
何よりの強みですね。
悩みがあった際は、必ず『その道の専門家』
に相談することが必須だと思います。
家族や友人に相談したところで、
有益な情報どころか、誤った結論に
着地することは少なくないはずです。
何か迷いがあった際は、
そのように『専門家を頼る』という行動を
心掛けるようにしましょう。
その選択一つで、その後の明暗が分かれる
ことも大いにあるというものです。
さて、本題です。
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■新規のご相談やご面談に際して、
【法人の節税について相談を受ける】
ことが少なくありません。
法人の節税については、
押さえるべき基本的なこととして、
役員社宅や出張旅費のことがあるのですが、
場合によっては
【その他の方法により節税をしたい】
ということも。
そんな中、
【中古車を購入して
大きく経費を作り、節税をしていく】
ということも節税の手段の一つとして
考えられるというところ。
■どのような話かといえば、
車については基本的に
『減価償却』という考えで、購入金額が
即座に全額経費になるのではなく、
その車の耐用年数に応じて、少しずつ
【その車の価値の減少分を経費にしていく】
という
【減価償却の考えを取る】
ことになります。
通常の場合でいくと、
軽自動車は4年、普通車は6年ですので
仮に普通車の新車を買えば、
【6年間で減価償却をしていく】
ことになるんですね。
厳密に言えば、法人においては
6年間きっちりというわけではなく
購入年度に大きく経費化され、
【その後だんだんと経費化される額が
少なくなっていく】
ような感覚です。
(定率法による減価償却の場合のお話です。)
■しかしながら中古車であれば、
普通車でいうと
【4年の落ち車を購入する】
ことにより、耐用年数が2年となります。
この耐用年数2年となると、基本的に
【購入金額の全額をその年度に
経費化することができる】
ということになるんですね。
<国税庁HP-中古資産の耐用年数>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm
厳密に言えば、減価償却費は
月割計算をしますので、
【購入月から決算月までの月の分しか
減価償却費として経費化ができない】
のですが、いずれにせよ、
【購入年度において大きく
減価償却費が作れることは変わりない】
というところ。
少なくとも、
【その次の年度には
全て減価償却が終わってしまう】
というところで、
そうなると当期と翌期において、
大きく減価償却費が計上でき、
結果として当期と翌期に関しては
【納税額が少なくなる】
ということになるわけです。
■そのような状況において、
減価償却を終えた後の車両の価値は、
『備忘価額』と言われる金額
となっています。
備忘価額とは『1円』であり、
【要は車の評価額がない状態になっている】
というわけなんですね。
そのような中で、
その車を売却する時を考えてみましょう。
売却をするときは当然、売る車について
売却金額がつくもので、
【売却金額とその車両の帳簿価額の差額が
売却益として課税】
されることになります。
■その車の評価額は1円となっている
わけですので、
【ほぼ売れた金額そのままに
税がかかってくる】
ということになるわけですね。
そして消費税の課税事業者であれば、
車の販売についても消費税の課税取引
となりますので、
【この売却金額に10%の消費税】
が乗ってきます。
そのように考えた際、
もし購入時の経費だけを目的に
中古車を買っているとしたら、
この『売却時の課税』についても
考えておかなければならない
ということがわかるでしょう。
■入口で節税ができたとしても、
そのような節税の大半は
『繰延型』の節税であり、結果として
【出口において大きく課税されてしまう】
ということになるわけですね。
こういった点に十分注意をして、
節税を考えないことには、
【結果として大きな損失を被ってしまう】
ということも考えられます。
■どうしても節税と言えば、
【単に税が安くなると考えがち】
なものですが、
決してそのような単純なものではなく、
出張旅費などの繰延型ではない、
本来の税金が下がるようなものを除き、
そのような繰り延べるタイプの節税は
【必ずその出口において、
反動として納税が出てくる】
ということは知っておきたいところです。
そのような状況ですので、
車を用いた節税の際は、
上述したことに十分注意をして、
その対策がそもそも有用なものなのかという
ことを的確に考え、
その車の購入をするのかどうかを
検討するようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・中古車を用いた節税は
一般的なところであるが、
【その反動による利益には
十分注意する必要がある】
ものと心得ておくべし。
・中古車を購入することによる節税は、
普通車であれば4年落ち、
軽自動車であれば2年落ちの車を
買うことにより、
購入年度とその翌年度において大きな
減価償却費が生み出され、
【結果としてその年度の納税額が減る】
ということに。
・しかしながら、その減価償却により
車の帳簿価額が大きく下がっている状況で
その車の売却をすると、
【消費税を含め、大きな課税に繋がる】
ということは把握しておきたいもの。
・節税の大半は繰り延べるタイプの
節税であるため、
節税をするのと同時に、
【将来的な出口の際にどのような
課税関係になるか】
ということを熟知して、
【そもそもその節税策を取る
必要があるのか】
ということを検討したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。