2024年2月25日法人決算において大切な【決算対策と節税対策】について
さぁ、3連休も今日で最後。
すごくすごく走り抜けたこの2日間。
世間の動きが止まっている土日祝こそ、
この確定申告時期は勝負の分かれ目です。
今日も全力疾走で頑張っていきます!
さて、気合いを入れつつ今日の本題です。
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■弊所においては、
法人の決算にあたり、
節税対策のほか、『決算対策』という
ものを実施しています。
『節税対策』とは、
【最終的な決算のタイミングで
手を打つべき納税が減るような対策】
をすることであるわけですが、
『決算対策』とは、
【金融機関の評価を含めた、
決算日前の対策】
ということになります。
■法人においては、
『事前確定届出給与』という
役員賞与の届出を提出している
ということが少なからずある状況ですので、
決算の着地点の利益を見て、
【この役員賞与を支給することが
できるかどうか】
ということをまず検討します。
支給できるかどうかの判断については、
【この役員賞与を支払えるだけの
利益が上がっているか】
ということと、
【役員賞与の支給によりかかってくる
社会保険料が大きな負担にならないか】
ということなんですね。
この社会保険料の負担がざっくりと
【賞与に対して30%】
かかってきますので、
それが負担にならないようであれば
支給することを考えるというところ。
■なお、この役員賞与については、
【特に厚生年金保険料の大きな削減】
にも繋がりますので、
そういった点も含めて税務署に役員賞与
(事前確定届出給与)の提出をしている
という状況です。
参考までに、こちらは福岡県協会けんぽの
社会保険料額表です。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r6/leaflet/r60207fukuoka.pdf
■そしてその次に検討するのが、
【役員貸付金が出ていないか】
ということなんですね。
役員貸付金とはすなわち、
役員報酬を上回って
【法人の現金を個人が取ってしまっている
状況になっている】
ということであり、
【金融機関の評価としては最悪の状況】
となってしまいます。
■考えてみれば当然なのですが、
【社長が法人のお金を自由に使っている】
状況がこの役員貸付金の科目に
表れてしまうわけですので、
金融機関としては、
【その融資の資金が同じように自由に
使われるということを危惧する】
ことになり、
【結果として融資の評価が厳しくなる】
というところ。
そのようなことは特に重視して、
決算対策をするというところなんですね。
■役員貸付金については、
場合によっては出張旅費の計上を検討して、
【役員報酬とは別途、法人から個人に
お金を移すことができる術】
を考えます。
そして利益が出ている状況であれば、
役員賞与を支払いつつ、
【役員賞与に対する法人負担分の
社会保険料を未払計上する】
ことにより法定福利費を計上して、
『経費を多く作る』という視点も重要です。
この社会保険料の未払計上の
論点については意外と忘れがちですので、
法人の決算対策をする際はこういった
点にも十分注意を払うようにしましょう。
■そしてこれは消費税の計算方法で
【原則課税により計算している場合】
のお話なのですが、場合によっては
これから必要としている車を
【決算日までの納車を
目指して前倒しで買う】
ということも、消費税の対策としては
有効です。
法人税の対策としては、納車日
(納車月から決算月まで)の月割計上で
減価償却費を計上しますので、
【減価償却費はそこまで大きくならない】
ところなんですね。
しかしながら、消費税については、
『車が納車されたタイミング』で、
その車にかかる消費税を
税務署に納付する消費税から差し引いて
計算しますので、
消費税の節税という面では
前倒しで決算日までに納車することを
目指して購入することも、
消費税の節税の選択肢の一つ
と言えるわけです。
■しかしながら、
当然のことではあるのですが、
【本来的に必要な車を買う】
という視点は大切にするようにしましょう。
場合によっては、税金を避けたいがために、
本来必要でないような車を無理に買う
ということがあるのですが、
結局のところ、車の購入で現金が減り、
結果としての税は減るものの、
【トータルのキャッシュアウトは
大きくなっている】
わけですので、それであれば、
【車を購入しない方が良かった】
ということになりかねません。
■どうしても納税は
負のイメージがつきものなのですが、
【利益を出して納税をして
現金を残していく】
ということが、強くなる経営の秘訣である
という事実もありますので、
そういった点も十分注意して
金融機関に対する決算対策や、
節税対策をするようにしましょう。
■というわけで今日は、
法人の決算において大切な、
【節税対策と決算対策】
についてのお話をしてまいりました。
法人の決算の状況によって、
金融機関の評価が変わり、
【融資を取り付けられることにより
経営の今後の行く末が定まる】
ことも考えられます。
しっかりと上述したような対策を講じて、
『経営において有用な決算』
を組むようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・税金を減らすための節税対策も
重要である一方、資金繰りを考えて
金融機関の融資を取り付けるための
決算対策を通じて、
【見栄えの良い決算書を作ることも重要】
であると言える。
・金融機関のマイナス評価の最たるものは、
【役員貸付金】
にある。
・役員貸付金は、
【役員が役員報酬を超えて法人の
お金を自由に使っている】
ことを端的に表しているものとなるため、
【金融機関の評価上は最悪のもの】
と考えた方が良いだろう。
・そのようなことを加味して、
税務署に事前に届け出ていた
事前確定届出給与(役員賞与)を支給するのか、
出張旅費の検討をするのかといったことを
トータルで考え、
最終的な利益の着地と上述した
役員貸付金の状況も加味し、
【最も経営にとって有効な対策】
を講じることを心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。