2024年7月7日結局のところ役員報酬は「いくらもらいたいか」が最重要
今日は七夕ですね。
壮大な願いを込めつつ、あとは実行のみ!
…という身もふたもないことを言いながら、
今日の本題です。
(社長たるもの、とにかく実行あるのみ!!)
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■法人の決算に際して、
次期の役員報酬や役員賞与の額
を決定するということは
以前の記事でも度々述べさせて
いただいています。
<2024年6月29日【役員賞与の設定】
にあたり、注意したいこと>
https://muratax.com/2024/06/29/7886/
どうしても役員報酬は毎月同額でないと
いけないということが税務上決まっており、
年一度のタイミングでしかこれを
変更することができないことになりますし、
役員賞与に関しても、一定の時期までに
事前に届け出た額をもとに支給しなければ
ならないということから、
役員に対する給与についてはいろいろな
制約があるというところですよね。
■しかしながらその一方で、
【法人から役員個人にお金を移そうとする
際は、基本的に役員報酬や役員賞与でしか
移せない】
ということもまた事実。
もちろん、『役員社宅』や『出張旅費』などを
利用することにより法人から個人に
お金を移すこともできるわけですが、
大原則としては、給与ということでしか
移すことができないということは
抑えておいた方が良いでしょう。
<2021.6.24役員報酬決定の際の
社宅家賃の検討>
https://everydayrunchange.hatenablog.com/entry/2021/06/24/060040
■そんな中、よく考えられる論点として、
【法人と個人の税負担のバランス】
があります。
当然、外部に対する税の支払いですので、
これを極力最小限に抑えることは
重要であると言えます。
また、社会保険料についてもかかって
くることは避けられず、
特に自らが代表を務める法人となると、
個人負担と法人負担を合わせて、
実に30%ほどの社会保険料の負担
となりますので、実際には
『役員報酬の3割の社会保険料がかかってくる』
ということは、想定しておかなければ
ならないでしょう。
■そういった税や社会保険料のことを
総合勘案して
役員報酬や役員賞与の額を決めることも
多いのですが、
その一方で、
【個人が自由に使えるお金を増やすには、
どうしてもこの役員報酬や役員賞与として
取るほかない】
ということもまた、事実なんですね。
■何が言いたいかといえば、
結局のところは、
「法人に置いておくお金は個人が自由に
使えるものではなく、
法人から個人にお金が移って初めて個人が
自由に使える」
ということなんですよね。
そのようなことから考えると、
当然、税や社会保険料の負担のバランスは
考慮すべきなのでしょうが、
最終的には、『個人がどれだけ現金を
法人からもらいたいか』ということに
尽きるのかなという感覚です。
■当然その背景には、上述した税や
社会保険料のバランスのほか、
法人の利益の状況を加味した上でそのような
ことを決定する必要があるのですが、
大前提としては、法人からどれだけ個人に
お金を移したいかということであるという
ことは、念頭に置いておくべきでしょう。
■どうしても税や社会保険料に囚われた結果、
そこに対する最適解として
役員報酬や役員賞与の額を設定
しがちなのですが、
「実際に、その役員報酬や役員賞与の額で
個人がもらうお金としては十分なのか」
ということは十分検討する必要がある
というわけですね。
■とは言え、同業種の法人と比べ、
極端に大きな役員報酬になってしまうと、
過大役員給与として損金不算入
(法人税を計算する上での経費として
認められないこと)の扱いとなってしまう
こともあります。
そういった極端な例は除いて、まずは
代表者である自分自身が、
法人からどれぐらいの現金を手に入れたいか
ということを念頭に置いて、
その上で税負担のバランスを加味して、
役員報酬や役員賞与の額を決定する
という流れで考えてみると、
良いかもしれません。
■というわけで今日は、
よく疑問に思う論点である役員報酬や
役員賞与の額の決定方法について
考えてみました。
どうしても四角四面でこういった論点を
捉えがちなものですが、
そもそもの本質を理解した上で、
こういった税務上の解釈をして、
決定すべきことを有意義に決めていきたい
ものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・役員報酬や役員賞与については、
一定の時期にしか決定できないため、
慎重に決定する必要があるものと
心得ておくべし。
・当然、法人の利益や、個人と法人の税負担や
社会保険料負担のバランスを加味して
役員報酬や役員賞与を考えるべきであるが、
それよりも、『個人においてどれだけのお金を
法人からもらいたいか』という視点が
大切である。
・どうしても税や社会保険料の論点のみに
囚われてしまいがちであるが、
真に大切なのは上述した
『どれだけのお金を法人から個人へ
移したいか』ということであるため、
そういった点を総合勘案し、
最適な役員報酬や役員賞与の額を
定めたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。