2024年9月9日法人の経理で特に注意したい【交際費と寄付金】の処理について
今日は定期的な歯科医院でのクリーニングの日。
歯の定期健診も、健康を考える上では
かなり大切なことですので、
抜かりなく歯のことも体のことにも
気を配っていきたいものですね。
さて、本題です。
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■経営を進めるにあたり、
よくお相手先との関係により何かしらの
金銭の支出をお願いされることが
あるかもしれません。
その金銭の支出については、対価性がある
ものなのかなど、どういった内容なのか
により、
その会計処理と税務上の判断が
異なりますので、
十分な注意が必要です。
■まず、対価性のある支出について
考えることにしましょう。
対価性があるということはすなわち、
【その支出をすることにより何かしらの
見返りがある】
ということなんですね。
具体的な例を挙げるとすれば、
その金銭の支出をした見返りとして、
お相手先のパンフレットや何かしらの媒体、
またはイベントなどのタイミングで
自社の企業名がどこかしらに掲載されている
などという状況。
こういった際は、企業名を記載していただく
ことにより、
広告的な意味合いになりますので、
広告宣伝費として経理処理(損金経理)
をすることが可能となります。
■ではそういった何かしらの見返りがなく、
一方通行的に金銭の支出をする場合は
どうでしょう。
これは通常の場合、『寄付金』として
捉えられることになります。
この寄付金になると、会計上と税務上の
取り扱いが異なるなるものとなり、
会計上では寄付金として、通常は
販売費及び一般管理費に属するものとして
経費処理をしますが、
法人税の申告書上では、一定の金額が
損金不算入とされて、
法人税を計算する上での経費として
認められないものになってしまいます。
■一般的に、寄付金に関しては、
国や地方公共団体など、一定の相手先に
支出する場合を除き、
何かしら損金算入の制限(法人税を計算する
上での経費にできることについての制限)
がかかってきますので、
法人税を申告する上で損をする
取り扱いとなってしまうわけです。
この寄付金として処理すべきものを、
上述したような広告宣伝費と処理を
しているようであれば、
会計上の経費になるのは変わりないものの、
法人税の申告書上は、全額損金となるか、
一部しか損金とならないかという違いが
出るため、
結果としての税額の計算が誤っている
ということになりかねないわけです。
■また、広告宣伝費や接待交際費と
福利厚生費の区分も明確にして
おかなければなりません。
福利厚生費は、基本的にすべての従業員に
対して同じような取り扱いをする場合に
経費処理がされ、
また法人税の申告書上も全額損金として
考えられるものですが、これが一部の
固定された従業員に対するもののみ
となってしまうようであれば、
福利厚生費という分類からは外れ、
場合によっては接待交際費として
処理すべきものとなってしまう
ことになります。
■接待交際費についても
福利厚生費についても、
会計上は経費処理が可能なのですが、
法人税の申告書上においては、
接待交際費は損金算入の制限が寄付金
と同じような形で設けられているので
要注意です。
中小企業の場合に関しては、
年間800万円までの交際費の支出であれば、
全額損金の額に算入することが
可能であるわけですが、
この年間800万円を超えたり、
その他の要素に該当してしまうと、
全額損金算入が厳しくなり、一部が
損金不算入となってしまい、
税負担が出ることになってしまうため、
こういった点にも交際費の処理としては
注意が必要であると言えます。
■どうしても会計の知識上だけで
全額経費処理だけをして終わり…
となってしまいがちなものですが、
その先の法人税の申告書上の損金になるか
どうかということについても
大変重要な論点ですので、
こういった点を十分に意識して、
その経費の支払いの本質を理解し、
実際の経費の支出を心掛けたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・会計上の経費と、法人税申告書上の損金
(法人税を計算する上での経費)については、
似て非なるものであるということを
心得ておくべし。
・寄付金や接待交際費については、
一定の額が損金不算入になるという
可能性があるものと心得ておきたいところ。
・あくまでも取引の実態で、
どの勘定科目で処理をし、
どういった名目で損金算入され損金不算入
とされるのかが決まってくるため、
その取引の本質を的確に理解して、
決して誤ることのないように
会計処理と法人税の申告書の作成をする
ことを心掛け、
正しい税額の計算をしていきたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。