2025年11月27日【役員報酬と役員賞与のバランス】を適切に
今日は朝からずいぶん体調が悪く、予定していたTEAM MURATAX(顧問先の会)を急遽キャンセルさせていただくことになりました。
今となってはずいぶん体調も良くなったのですが、
急なスケジュール変更となり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
いち早く体調を立て直しながら、仕事に取り組んでいきたいと思っているところです。
さて、本日の本題です。
役員報酬と役員賞与の決定
弊所においては9月決算法人がかなりの件数あり、
この9月決算法人の役員報酬の決定も同時に進めているところです。
役員報酬の決定に際しては、翌期の売上や経費の見立てを行い、利益の予測を立てて、
その利益に見合った形で役員報酬や、場合によっては役員賞与を決定するというところ。
↓参考記事↓
<2024年4月3日【役員報酬や役員賞与の決め方】について>
https://muratax.com/2024/04/03/7601/
<2020年9月24日事前確定届出給与の【融資】からの視点>
https://note.com/muratax/n/ne90b8a7ffc56
役員報酬は基本的に期首から3ヶ月以内で決定し、
その後は年間を通じて同額であるべき「定期同額給与」という形で役員報酬を設定するのですが、
例外的に、税務署に事前に支払う年月日と金額を届け出て、そのとおり支給することにより、
役員賞与という形で賞与を支給することもできます。
事前確定届出給与の「社会保険料削減効果」
この事前確定届出給与については、場合によっては社会保険料の削減策として用いられることがあるんですね。
これは以前の記事でもたびたび書かせていただいていることではあるのですが、
ざっくり説明すると、厚生年金保険料については150万円を超える賞与、健康保険料については573万円を超える賞与について、
その金額を上限として、それを超える賞与には健康保険料や厚生年金保険料がかからないという仕組みなんですね。
<2023年10月30日正確に把握すべき【最も手残りが良い役員報酬】の設定について>
https://muratax.com/2023/10/30/7078/
そのため、場合によっては毎月の役員報酬を低く設定し、役員賞与を高く設定することにより、
年間の役員報酬総額は変わらないにしても、社会保険料の削減効果があるというところ。
賞与支給の怖さ
しかしながら、この役員賞与については、
上述したように事前に届け出た日に、前もって税務署に申請した金額そのままを賞与として振り込まないことには、
その届け出た金額と違う額を振り込んだとしたら、その振り込んだ金額全額が損金不算入となります。
損金不算入とは、会計上の経費にはなるものの、法人税申告では経費としてカウントされないということなんですね。
法人の経費とならないにもかかわらず、そこには所得税や住民税のほか、社会保険料もかかってくることになりますので、
届出どおり支給しないと相当なダメージを食らってしまうということは念頭に置いておいた方が良いでしょう。
リスクを抑えるための「毎月報酬の最適化」
そのように考えると、賞与はいわば税務のギャンブル的存在であるとも言えます。

社会保険料の削減を狙うとそのような形になるのですが、
このギャンブル的要素を緩和するためには、
「毎月の役員報酬をある程度の金額まで上げておく」ことが有効かなというところです。
そうすることにより、万一届出どおりの役員賞与を支給できなかったとしても、
そこまでの大打撃になることは避けられるということになるわけですね。
役員報酬の決定は“慎重さ”が命
どうしても翌期の損益の試算自体が相当難解であるものですので、
役員報酬や役員賞与の決定の際には、そういった賞与のギャンブル的要素も加味して、
適切な役員報酬や役員賞与の額の決定を心がけたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人の役員については、毎月同額で支給する「定期同額給与」が基本であるが、税務署に事前の届け出をすることで役員賞与(事前確定届出給与)も支給できる。
・役員賞与は場合によっては社会保険料の大きな削減につながるが、事前の申請が必要であり、一定のギャンブル的要素があることを心得ておくべし。
・このギャンブルに負けてしまうと大きな税や社会保険料の痛手を被るため、損益試算は慎重に行い、毎月の役員報酬を適切な額に設定することで賞与リスクを軽減したいものである。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。






