2018年8月2日個人的な支出を経費にする事で、現れてくる怪奇な現象
「電子レンジ、どうにか経費にできませんか?」
税理士としての仕事(税理士なのでこれが本業ではあり、当然ですが)をしていると、
どうしても、節税に頭を悩ませる経営者の方から上記のような質問を受けます。
こんにちは。
福岡市中央区天神の【あなたの財布の見張り役】、
税理士の村田佑樹です。
1.どうにかできないか?という時点で
そうです。
どうにかできないか?という時点で、自身では「これは本来経費じゃないですが・・・」と言っているようなもの。
どうにか・・・しようがないわけです。
恐らく、そのように考える時点でかなり無理のある話。
電子レンジですので・・・経費でないことは明白ですよね。
2.グレーゾーンな経費の本当の意味
俗に言う「グレーな経費」というのは、少し意味合いが違います。
例えば、自転車の購入。
これを事業における移動のために使っているのであれば、明白なホワイトな経費でしょう。
ただ、プライベートでも使っている。
こういう要素が加わると、グレーとなるわけです。
場合によっては、週7日のうち5日使っているということで、合理的に按分して経費化するなどということが考えられますね。
これがグレーな経費。
説明によりホワイト転換できる経費のこと。
冒頭の質問との違いが分かるはずです。
電子レンジになると、明白(明黒?)なブラックな経費ですね。
即アウトなはずです。
3.税務調査でのダメージ
もし、このような個人的な支出を経費化して、税務調査に入られたらどうでしょう?
「こういうのを経費にする人なんだな。」ということで、調査の手にも力が入ることが容易に想像できます。
そして、いつ税務調査に入られるか?などと、戦々恐々とした日々を過ごさざるを得ません。
4.心のダメージ
こういう思考に陥ってしまうと、事業のことに集中できなくなります。
事業で儲けるため・・・というのが本当の目的のはずが、いかにして支払う税金を減らすか?ということに意識がシフトしてしまうのです。
そうなると、どうやってこの支出を経費にしようか?などと、正直言ってムダなことに意識がいってしまい、
本来意識を向けるべき経営のことに全力で集中できなくなるわけですね。
そして、本当はダメなこと・・・という見えざる贖罪を背負っているような状態となり、負の意識が自身についてしまう・・・ということが実際にあります。
このように、個人的な支出を経費にしようとすることは、単なる経費のごまかしという軽い話にとどまらず、
見えないところで大きな大きなリスクを負っていることになります。
それより、経営に意識を向けませんか?
適正に儲けて、税金も上手に払っていけば、金融機関の評価も上がりますし、気持ちも晴れ晴れすることでしょう。
税金は、貯金していれば意外と怖くないもの。
備えあれば憂いなし、は万事共通ですね。