2020年7月20日白色申告の自宅家賃は経費にできない!?
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■7月14日から
家賃支援給付金の申請が
スタートしていますね。
これは原則として、
前年同月の売上高と比較し、
売上高が50%以上減少していれば、
申請ができる対象となってきます。
これは、支払った家賃に対して
3分の2の金額を半年分給付してもらうことが
できますので、
家賃の支払いが大きな事業者に関しては、
まぁまぁ大きな金額になるのではないか
というところ。
そしてここで注目すべきは、
個人事業主で、
【自宅兼事務所】
として事業をしている方も
この申請の対象となること。
とは言え、
自宅兼事務所であれば、
その家賃の支払いは当然のことながら、
プライベート…つまり自宅分の家賃と、
そうではない部分…つまり事業用としての
家賃の2つの種類に分類されますよね。
もちろん、
今回の家賃支援給付金については、
【この事業として使用した部分
に対する家賃のみ】
が対象となるわけです。
「自宅のうち、3割程度を仕事としているため、
3割の部分が申請できるんですね。」
と考えている白色申告の個人事業主の方
については、要注意。
(原則として)これはNGとなってしまいます。
青色申告の方はOKです。
今日はこの
【白色申告の方の申請がNGである理由】
について、
お話ししていくことにいたします。
■これは本当に税務相談の中でも
誤りとして多くあるのですが、
白色申告の方で、上記のような
『30%を事業として使用しているから、
その30%程度を経費とする』
という考え方は、税務上認められません。
と言うのも、
白色申告の場合、
そのプライベートと事業用が混在している
支出について、
【事業として使用している部分が、
『50%以下』である支出については、
これを経費として認めることはできない】
という決まりごとがあるんです。
ですので、
上述した『30%』を事業として使用している
などという場合は、
白色申告では、
これは経費として認められないことに
なってしまうんですね。
ただし、
プライベート分と事業分を
明確に区分できる場合は、
仮に50%以下であっても
経費とすることができます。
とは言え、
『明確に』区分するということは、
なかなか難しいのではないか
というところですよね。
とするならば、
やはり50%以下を事業として使用している
その白色申告の個人事業主については、
経費として認められる幅が
極めて少なくなるわけです。
50%以下ですので50%を超えていれば…
つまり自宅を事業として使用している分が
50%超であれば、
今回の家賃支援給付金の対象になります。
とは言え、
原則自宅として使用しているであろう
ことが多い自宅のうち
(少し変な表現ですが…)、
50%超を事業として使用している
という状況を説明するのは、
なかなか難しいことであるはず。
■そういったことから考えると、
今回の家賃支援給付金については、
白色申告事業者にとっては、
かなりハードルの高いことではないか
と思われます。
白色申告は、
税務上、こういった思いもよらず
不利に働いてしまうケースが
少なからずあります。
こういったことからも、
もしあなたが白色申告で確定申告をしている
としたならば、
やはり青色申告で申告した方が
良いのではないでしょうか。
この白色申告についての経費の認識については、
誤っている部分が結構多いですので、
今回このようなことを
書かせていただきました。
適切な知識を持って、
賢く節税をしていきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・白色申告で、プライベートと事業が混在
している支出は、事業部分が50%超でないと
経費にすることはできない。
・家賃支援給付金については、上記の理由から
自宅兼事務所の申請を白色申告の事業者が
行うことはかなり困難。
・その他にも白色申告の【デメリット】は
多くあるため、やはり青色申告に
切り替えていくべし。
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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。