2021年10月28日【従業員の給料設定】を考えること
■先日は、
顧問のお客様とのご面談の中で、
『従業員の雇用』
に対するご相談がありました。
先日の記事の中でも、雇用に関しては
述べさせていただいたのですが、
今回は『具体的な雇用の方法』
といったご相談内容。
税理士としての業務を考えた際に、
この『雇用』に関するものについては
税理士の業務外なのですが、
結局のところ、雇用をすることにより
従業員に対する給料や社会保険料が発生し、
その資金繰りに大きな影響を
及ぼしてくるため、
こういったご相談にも積極的に
乗らせていただいているところです。
というよりも、資金繰りうんぬん
の観点からではなく、
顧問のお客様に関しては、
経営に関する全般のお話を
聞かせていただける方が、
その経営者の【想い】に
寄り添うことができますので、
私としては、そういったことも
仕事の一環として捉えていて、
喜んでお話を聞かせていただいている
状況なんですね(^^)。
■その中で最大のテーマは、
『給料の設定』について。
【前職からの転職で自社に就職してくる】
ということなのですが、この給料を
【前社と同額にするのか、
それとも当初は少ない金額で設定するのか】
…など、いろいろな点について
お話をしたところです。
大変経営に対する想い、
そして従業員に対する想いが強い社長で、
そのお話の中の節々に、
その強い【想い】が反映されているな
と感じられる時間でした。
■そして、
本当に素晴らしいなと思ったのは、
【会社の経営成績、従業員の給料さえも、
全従業員に公開し、
その明瞭化を考えている】
ということ。
社長である自分自身の役員報酬や
その会社全体の経営成績を公開する
というのは、
相当腹をくくってないと
できないことではないでしょうか。
■しかしながら、
『理念と実務』といった面で、
なかなかバランスを取ることが難しいのが
経営である
とも言えます。
少人数のスタッフであれば、
その想いの共有や、全情報を公開する
といったことに肯定的であったとしても、
求人などをして外部からスタッフが
入社してくることになった際に、
そういった
【自分の給料などが公開される】
ということについて
否定的な考え持つ人が入社してくる
ということも想定されるため、
そのスタートを切るタイミングでは
相当な注意をしなければならない
と言えます。
■私自身も、
スタッフ士気をさらに高めてもらいたいため、
チームを組んで、
そのチームごとの成績を出して、
それを人事考課として反映したいなと思い、
いろいろ情報収集をしているところ。
その中で私の尊敬する
京セラの創業者である稲盛和夫さんが
その著書である『アメーバ経営』の中で
述べていたのが、
【従業員の成果をそのチームごとに
給料として反映するのは少し難しく、
場合によっては、
従業員個々の性格などもあり、
内部で対立が起こってしまう可能性もある】
とのこと。
そのような状況が想定されたため、
京セラでは、『報酬』によって
その分配をするわけではなく、
『社内の表彰』などによって、
感情の面でその従業員の気持ちを高め、
【社内に貢献してくれている
という敬意を表すようにしている】
とのことを目にしました。
■確かに、
スタッフの考えはそれぞれであり、
その感覚やお金に対する考えも
様々であるため、
理想的には
【その頑張りに応じて給料に反映する】
というのが合理的なのでしょうが、
場合によっては、
【それが裏目に出る】
ということも考えられるわけですね。
そのような状況から、
こういった人事の面については、
【その経営者の考えを始め、
その従業員の考え方や、外的要因などを
総合勘案して慎重に決定する必要がある】
と言えるでしょう。
■何はともあれ、
【人は宝であり、『人財』である】
と言えます。
その宝であるスタッフの気持ちや
労働環境をまず第一に考え、
給料や待遇の面なども
しっかりバランスをとっていき、
『人』を基盤とした経営を
進めていきたいものだな。
とその面談を通じて思った次第。
■今回は、
『税務の面談』というよりも
そういった『経営』に関する
お話なのですが、
このような【経営者の想い】
を聞かせていただける環境に
本当に感謝しています。
私自身、税理士で良かったと思うのが、
【こういった経営者の本音を
聞くことができる環境をいただける】
ということ。
そしてそのためには、自分自身が
『作業』に認知と労力を使うのではなく、
本来の経営者としての仕事である
【思索をすること】
から、さらなる経営の効率化を考え、
【さらなるお客様にとっての
満足度アップのために
邁進していくべきである】
と考えています。
しっかりと、毎日をそういった
前向きな意識を持って進んでいきたい
ものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・雇用を始め、
『スタッフの給与』や『待遇』
などの面については、
【理想とその現実】
の双方から抜かりなく検討し、
最善策を模索したいものである。
・そういった『人事』に関する
決定をする際には、
【将来的に外部から
少し性格やカラーの違う
スタッフが入社してきた際、
そのやり方で支障が出ないか】
ということもまた考えたいものである。
・経営においての『理念』は
必須であるとともに、
【人は宝】と言えるため、
その人財をより良い状況で
経営に活かしていくために、
その環境整備をしっかりとし、
より良い経営環境を作り、
その経営を前に前に進めたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。