2021年10月29日期末までにモノを買う際に注意しておきたいこと
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■10月もいよいよもうすぐ終わり。
ということで、12月が近づくにつれ、
個人事業主の方や12月決算法人、
または11月決算法人の方については、
【その決算対策や節税対策を
いかにしてしようか】
ということを考えられているのでは
ないでしょうか。
その中で、今回は『節税』について
お話を進めていくことにいたします。
■12月までに
【現金を使って節税する方法】
については、以前の記事でも述べさせて
いただいているところではあるのですが、
その中に、
【30万円未満の備品を購入する】
ということがありました。
ちなみにこの『30万円』というのは
青色申告のお話であり、
白色申告の場合は、
これが『10万円』に変わりますので、
そのように読み替えて下さいね(^^)。
■そして、
この30万円未満の備品であれば、
原則として10万円以上の物は
『高価な物』と考え、
【減価償却をしていく
(少しずつ経費化していく)】
対象になってくるわけですが、
これが青色申告の場合は例外的に
30万円未満の物であれば、
『少額な物』と考え、
これを一括で経費にすることができる
というわけなんですね。
■では逆に、
【30万円以上の備品】
についてはどうでしょう。
これについては上述したように、
【減価償却の対象】
となります。
どういうことかと言えば、
【30万円以上の物については
高価な物であり、
なおかつ、その備品などを使用して
その効果を得ることができる期間が
今年のみならず翌年以降も継続する】
という考えなんですね。
会計の世界では、
【その効果が及んでいく期間にわたって
経費(費用)を計上していく】
という
【期間損益計算】
の考えをとっていますので、
購入した期に全てを経費にするのではなく、
【だんだんとその効果が及ぶ
翌年以降にわたって経費(減価償却費)
にしていく】
ということになるわけです。
■したがって、
30万円以上の物を購入すると、
これは『減価償却の対象』となるため、
一旦、
【工具器具備品】
といった『資産』の科目に分類し、
これを少しずつ減価償却費として
経費化していくことになります。
仮に、『300万円の車を購入した』
となると、
普通自動車の耐用年数は6年
(軽自動車は4年)であるため、
原則として、
その取得金額である300万円を
耐用年数の6年で割った『50万円』が
毎月の経費(減価償却費と)として
計上される
ことになります。
■しかしながら注意が必要なのが、
取得した年度においては、
【その取得した月から】
減価償却費を考えていく
ことになるんですね。
仮に上述した300万円の車を
『11月』に購入したとすると、
通常300万円÷法定対応年数6年
で割ったところの『50万円』が
その年の減価償却費と考えるのですが、
実際のところはと言えば、
『11月』に購入していますので、
【今年の経費になるのは
11月分と12月分の2か月分】
ということになります。
■そのように考えると、
【50万円×12分の2】
といった計算をし、
【83,333円】
という額が減価償却費となるわけです。
これは案外勘違いされされがちなもので、
「今年度中に買えば50万円が経費になる」
と思ってしまいがちなのですが、実は、
【購入した年度については
買った月からの月割計算をする】
必要があるということなんですね。
■しかしながら、
上述した『30万円未満』の備品については、
そもそもこの減価償却の考えでなく
【少額なのでその期に全て経費にして良い】
という考えになりますので、
【購入したタイミングで全額経費となり、
上述した月割計算を考える必要がない】
と言えます。
■というわけで今日は、
減価償却費や、
30万円未満の備品の購入についての
節税について見てきました。
【何でもかんでも
12月末までに物を買えば良い】
というものではないため、
この点には十分な注意が必要ですね(^^)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・期末までに現金を使う節税については、
主に【30万円未満】
(白色申告の場合は【10万円未満】)
の備品の購入が想定されるものである。
・逆に【30万円以上】の物を購入した際には
【減価償却の対象】となってくる。
・そして、この減価償却の対象となると、
【取得した月】から
減価償却費を考えていくため、
【購入した年度については
そこまでの経費化ができず、
節税効果は大きくないもの】
と理解しておくべし。
・現金を使うにしても、
【この現金の支出により、
本当に節税効果が見込まれるか】
ということを的確に考え、
その対策をしていきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。