2021年11月23日【クラウドファンディング】の課税関係について
■緊急事態宣言も終わり、
次第に従来の経営状態が戻ってきている
ということが少なからず
あるのではないでしょうか。
とは言え、そのコロナの影響が
完全に収束しているとは言い難く、
場合によっては
『クラウドファンディングや
寄付などにより資金集めをしている』
というケースもあるのではないか
と思います。
そこで今日は、
【クラウドファンディングの課税関係】
について、
お話をしていきたいと思います。
■クラウドファンディングとは、
簡単に言えば、
インターネットを通じて
【知らない人にまでそのプロジェクトの
趣旨に賛同してもらい、寄付をしてもらう】
というもの。
場合によっては
【単なる寄付だけではなく、
返礼品などをセットし、そこに寄付を募る】
という方法も。
そんな中、
このクラウドファンディングに関しては
当然収入が発生しますので、
そこには『税金』が生じてきます。
そこで、
【具体的にどういった税金が出るか】
ということについて
お話をしていきますね(^^)。
■まず、
『寄付をしてもらった側』
(今回は個人のお話)についてなのですが、
クラウドファンディングを通じて
純粋な寄付(返戻品がない)
をしてもらった場合は、
【贈与】
として取り扱うことになります。
その一方、
『返戻品があるケース』においては、
これは
【クラウドファンディングを通じた
物品の販売】
といった意味合いとして捉えられるため、
【事業所得の売上高】
となってくるわけですね。
また、法人からの収入について考えると、
法人からのクラウドファンディングにより
収入を得た場合であっても、
物品を返礼品として
寄付を受け取る場合はやはり
【事業所得の売上高】
となってきます。
そして、『返礼品のない寄付』
については
【一時所得】
として所得税の対象となってくるんですね。
これが『もらった側』
についての課税関係です。
(‥もうすでにお腹いっぱいかもしれませんが、
続けていきますね(^^; )
■そして、
その寄付の性質が
パンフレットやホームページに
寄付してくれた企業名を掲載し、
これが
【広告の効果がある】
と認められるものとなると、
もらった方は変わらず
『事業所得の売上高』なのですが、
寄付をした企業については、
【広告宣伝費】
として経費処理をすることが可能
となります。
当然、額が大きすぎると
税務上の問題も考えられるのですが、
大枠としてはそのような考えとなります。
■そして、
そのまま寄付をした企業の側に
お話を移していくのですが、
【個人事業主の場合、
寄付をしたとしても経費にならない】
というのが通常。
しかしながら、上述した
『広告宣伝費』の意味合いで
あるものに関しては
『広告宣伝費』としての経費処理
が可能となります。
これは個人でも法人でも
共通のこととなるわけですね(^^)。
■一方、
法人が寄付をした場合はどうでしょう。
これはクラウドファンディングを
通じた寄付であっても、
返礼品なしに寄付をした場合であっても、
または、お金でなく物品を
寄付した場合であっても、
通常【寄付金】として取り扱われ、
一定額のみが経費となるような
取り扱いとなります。
この『経費となるかどうか』
の金額については、
その法人の資本金などの金額や、
所得の金額などにより
変動してくるんですね。
このような取り扱いが『寄付』について
考えるべきポイントとなります。
■そして大切なのが、
もらった側の贈与や一時所得
となった場合の考えについて。
『贈与税』については
高額な税率が設定されており、
『贈与』としてもらった場合は
【そのもらった年の翌年3月15日までに
贈与税の申告をして納税をする】
必要があります。
そして、『一時所得』については
【特別控除の50万円】
という枠がありますので、
【この50万円の範囲内であれば
所得税はかかってこない】
ということに。
上述した『贈与税』については
【1年間で110万円の非課税枠】
がありますので、
【この範囲内であれば
同じく贈与税も課税されない】
ということになります。
ちなみにこちらが贈与税の税率。
かなり高いです・・・
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
■いずれにせよ、
クラウドファンディングで
大きな収入を得た場合、
【その税負担が大きくなる】
ということが予想されます。
当然『贈与』でなく
『事業所得』や『一時所得』として
所得が増えた場合は、
『国民健康保険料』などについても
増加してきますので、
この点も併せて注意が必要であるもの
と言えます。
■というわけで、
クラウドファンディングを実施する際は、
こういった点に重々注意して、
その行動をとるようにしましょう。
【返礼品などの設定についても、
上述したポイントを
意識していく必要がある】
ということですね(^^)。
今回はいろんな税金が出て、
ちょっと重たかったかもしれませんね(滝汗)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・クラウドファンディングについては、
『単に資金をもらって終わり』
というだけではなく、
【課税関係も生じるので
十分な注意が必要であるもの】
と心得ておくべし。
・そしてその課税関係は、
【法人か個人かによって、
また返礼品があるのかないのか】
によって状況が変わってくるため
併せて注意が必要であると言える。
・クラウドファンディング実施の際は
上述したポイントを念頭において、
適切にその行動をとっていきたい
ものである。
・資金を調達したのは良いが、
【税負担】が増えてしまっては本末転倒。
しっかりと、的確な判断をして、
クラウドファンディングの
適切な運用方法を検討すべきものと
心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。