2021年12月6日利益が出てるのに現金がない!?
■いよいよ12月となり、
思い起こすは除夜の鐘・・
個人事業主の方は、
【今年度の損益の試算】
を適切にできているでしょうか。
まだ12月は終わっていないものの、
極力直近までの損益の状況を把握し、
場合によっては適切な
『節税対策』をしていきたいものです。
■さて、
個人事業主の方については、
その試算をするなどして把握した
【『損益』と『実際の現金の増減』に
ズレがある】
のではないでしょうか。
【利益が上がっているにもかかわらず、
現預金が少なくなっているケース】、
または逆に、
【利益は少なくなっているものの、
現預金が増えているケース】。
特に個人事業主については法人と違い、
プライベートと事業との
両方の側面を併せ持っていることから、
このような『ズレ』が
法人に対して顕著に見えてくる
というのが通常です。
■【損益】
…つまり『儲け』と、
『実際の現金』とのズレ。
これはどういったことに
起因するものなのでしょう。
まず会計帳簿を見る上で
ざっくりと把握していくべきは、
【『事業主借』と『事業主貸』との差額】。
『事業主貸』という勘定科目は、
主に【経費の支払い】などに使われるもの、
また【預金の出金】の際に使われる
項目です。
一方『事業主借』というものは、
【現預金の入金】や【現金売上】
があった際に増えてくる項目。
現金の管理をしていない場合、
こういった『事業主の勘定科目』を
使うことに。
つまり、
【損益は動いているものの、
現預金は動いていないもの】、
または
【損益は動いていないものの
現預金は動いているもの】
が、この事業主勘定に
集約されているんですね。
したがってまずはこの
【事業主貸と事業主借】
という勘定科目の差額を見て、
その現金の増減を把握するように
しましょう。
■その他の要因としては、
【金融機関からの融資による入出金】。
金融機関から融資の入金があった際は
【借入金】
となるためこれは
収入としてはカウントしませんし、
逆に融資の返済の際も、
入金の際に増えている
【借入金のマイナス】
になりますので、
これは経費とはならないわけです。
したがって、
【この借入金の入出金については、
損益に反映されていない】
ということですので、
これもズレの一因である
と言えますね。
■また、
その次に注意すべきが
【減価償却費】。
減価償却費については
【現金の出金はないものの
経費として認められているもの】
なんですね。
また、30万円以上
(白色申告の場合は10万円以上)
の備品などを購入した際は
これを『資産』として計上しますので、
経費にはなっていない状況。
【この減価償却費も、
損益と実際の現金との差額に
ズレが出る一因である】
と言えます。
その他には『売掛金』や『買掛金』
などが多額になった場合、
【実際に入金のあっていない売掛金と
実際に支払っていない買掛金】
ということで、
これもズレの原因と考えられます。
■いろいろ述べてはきましたが、
こういった際に
【実際の現預金の増減額と
損益のズレが出てくること】
には十分な注意が必要である
と言えます。
経営において大切なのは
『損益』もそうなのですが、
まず第一に
【現預金がどれだけ増えたか】
ということ。
というのも、
【『現預金』がないことには、
経営の一手を打とうとすることが
難しくなるから】
ということに他ならないわけです。
いよいよ年末が近づいてきました。
適切に上述したようなことを視野に入れ、
適切な『試算』をし、
その節税や決算対策を
的確にしたいものですね(^^)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・【『現預金の増減額』と『損益』
の間には、ズレが生ずるもの】
と心得ておくべし。
・その原因としては、【事業主勘定】、
【借入金の入出金】、【減価償却費】、
【売掛金や買掛金などの増減】
が考えられる。
・上記を把握した上で、
【経営において最も大切なのは
『現預金』である】
ということを心得ておくべし。
そのためにも、しっかりと
【現預金がどう動いているか】
ということを把握することもまた、
何より重要であると言える。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。