2022年2月13日借金を返しても経費にならない!?
■「返済は経費ではないんです。」
従来ご自身で
確定申告をされていたところ、
今年度から弊所にご依頼いただく
というケースが少なからずあります。
そんな中で、
今年の確定申告書を作成するにあたり、
前年分の申告書の控えを拝見する
わけですが、
【その内容に誤りがある】
ということもまた見受けられる状況です。
■その中で意外と多いのが、
上述した
【借入金の返済】
についてなんですね。
借入金の返済については
元金の返済は経費とならず、
利息の支払いは『利子割引料』として
(法人の場合は『支払利息』として)
経費となるもの。
しかしながら、
【借入金の返済も『利子割引料』
に含めて処理をしてしまっている】
という状況。
■では、
その『借入金の入金』があった際は
どのような会計処理をしていたでしょうか。
おそらく、
【借入金の入金を『収入』として申告し、
多く納税をしていた】
などということは
通常あまりのではないかというところ。
つまり
【借入金の入金は収入ではない】
ということなんですね。
会計的なお話でいくと、
【借入金という負債が増える】
という考えになります。
では、それとは反対にこの借入金を
返済した際には、
どのように考えるのでしょうか。
『利子』は上述したように、
経費となるのですが、
『元金』の返済については、
この
【増加した負債の返済】
ということになりますので、
経費ではなく、
【負債のマイナス】
として処理することに。
■このように、
税務の世界では、
【表裏一体の関係】
を意識して会計処理をする必要があります。
借入金が入金された『表』に対して、
返済が『裏』というわけですね。
当然入金の時点で
『収入』ではなかったので、
【返済の時点でも経費ではない】
ということ。
■そしてこれは、
自社と外部との取引においても
言えることなんです。
例えば、当社が『外注費』としての
経費の支払いをしたとしましょう。
そうなると当然、
外注費の支払い先については、これを
【売上高】
として計上しているはずですよね。
こういった『外部』との表裏一体も
考えられるのがこの税務の世界。
■そして、
税務調査の際には、
こういった表裏一体の関係を調査する、
つまり、
【その得意先や取引先に
裏付けを取りに行く】
という『反面調査』が実施されることも。
それぐらい、
この『表』と『裏』の関係を重視して
会計処理と税務申告をするべき
なんですね。
「これが収入になるのか、
経費になるのか」
という判断の際は、
【その大元の根源をたどって、
当初どのような会計処理をしたか】
ということを考えると、
案外その処理の方法が
見えてくるかもしれません。
特に借入金の返済を経費にすると、
本来経費でないものが数十万単位…
場合によっては
100万を超えて経費になってしまう
ということが考えられるため、
その申告には十分注意するように
しましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・【借入金の入金が収入ではない】
のと同様、
【返済についても経費ではない】
というもの。
・税務の世界ではこういった
【表裏一体】の関係が重視され、
これは外部の取引先との関係においても
言えることである。
・税務や会計の処理判断に迷った際は、
そもそもの根源に立ち返って
その会計処理を確認し、
特に表と裏を意識して、
的確な会計処理と税務申告を
心がけたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。