2022年10月16日【借金がある場合】の儲けの考え方
■以前の記事の中で、
『会計上の利益と
実際の現金の増減額は
異なっている』
というお話をさせていただきました。
<2022.7.07【お金がないのに利益が
出ている!?】という原因について>
https://muratax.com/2022/07/07/5384/
今日もそのことに続くお話として
記事を書いていきたい
と思います。
■経営において、
当然『儲け』が出ている状況で
運営をしていかなければなりません。
【儲けがない】
という状況はすなわち、
【現金がなくなってしまう】
ということですので、
要注意というわけですね。
そこで上述した
【利益と現金の増減額の違い】
についてのお話になるわけですが、
基本的に
【売掛金や買掛金などがあればその分、
利益が実際の現金の増減額と
異なってくる】
というものです。
■しかしながらそれだけではなく、
実際の経営においては、
【借金の返済】
も考慮しなければならないのが現状。
結論から言えば、
【借金の返済については
経費とはならない】
ということに。
厳密に言えば、
借金の利息の部分は『支払利息』
として経費化されるわけですが、
元金の返済に関しては、
経費ではなく、
【負債の減少】
として考えるわけですね。
■これに関しては、
【借入金が入ってきた時点での会計処理】
を考えると分かることなのですが、
借入金が入ってきたからといって、
それを『売上』や『雑収入』には
しませんよね。
これは『収益』ではなく、
【借入金の増加】
という『負債の増加』
となるものだからです。
そうなると、当然
借入金の元金を返済したとしても、
その逆なわけですので、
【負債の減少】
となるのみであり、
【決して経費にはならない】
ということ。
そのように考えると、
実際の経費となっている金額と、
実際の現金の流出額については、
【この借入金の返済があれば、
その分だけ利益・損益よりも
実際の現金の方が少ない】
ということになるわけです。
■そして、
経営の分析においては、
【どのくらいの利益が上がっていれば
経営は回っていくだろうか】
といういわゆる『損益分岐点』
などの考え方があるわけですが、
実際の現金の流れを考えると、
この収益と費用を考えた
損益分岐点の視点のみならず、
【その損益分岐点の金額に
借入金の返済を加味した形で
実際の現金収支の分岐点を
探るべきである】
と言えます。
『借入金』については上述したように、
【現実的な損益分岐点の売上高に、
借入金の返済を考慮すれば良い】
ということになります。
厳密に言えば、そこに『法人税』や
『所得税』も考慮した形で
算出をしなければならないのですが、
ざっくりとした概要については
そんなところ。
■どうしても、
『借入金の返済』と『利益の状況』
についての認識の相違により、
何となく感覚として
「利益と実際の現金がおかしいな」
と感じてしまいがちなものです。
このように、利益と
借入金の返済がある場合の
【実際の現金とのズレ】
を把握するとともに、
本来的に設けなければならない…
つまり
【売上高を上げるべき具体的な金額は
どの程度だろうか】
ということを的確に判断し、
経営判断をより確かなものに
していきたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・経営において、
【利益の額と実際の現金の増減額は
異なるのが通常である】
と心得ておくべし。
・その要因として、
『売掛金』や『買掛金』など、
【収益や費用の認識のズレ】
による差異はあるが、
それに加え『借入金』
が絡んでいると、
【それも大きな感覚のズレの要素に
なっているもの】
と心得ておくべし。
・経営分析の際は、
【実質的な損益分岐点の売上高】
に加え、この
【借入金返済の要素】
も盛り込んでその分析をしていくこと
を念頭に置いておきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。