2022年10月20日【不動産の売却】にあたり注意したい税のお話
18日から本日まで、
東京へ家族旅行に出かけておりました。
こういった旅行は、
開業して以来行けてなかったので、
留守を守ってくれたスタッフをはじめ
周りの方々に本当に感謝しています。
さて、本題です。
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■円安が進行しており、
【原材料の高騰】や
【取引先からの価格交渉】
が起こっていることが
少なからず見受けられます。
そんな中、
【当面の資金を捻出するため、
所有していた不動産を売却する】
ということも、ここ最近は
少なからず見受けられます。
そこで今日は、
『不動産売却についての注意すべき点』
について見ていきたい
と思います。
■まず、
今日は『法人』の前提で
お話を進めていくのですが、
不動産の売却にあたり
まず注意が必要なのが、
【土地と建物の
それぞれの売却額】
なんですね。
往々にして、
【不動産の売買契約書においては、
土地と建物の区分がされていない】
ということが見受けられます。
しかしながら、税務上は、
この分類をしないことには
会計処理や税務申告ができないため、
【まずこの分類を何かしら
合理的な方法によりする必要がある】
というもの。
■今日は、
この『分類』についての
論点ではないので、
分類のお話については
割愛させていただきますが、
まず押さえておきたいのが、
【建物は消費税の対象となるものの、
土地の譲渡については
消費税法上、非課税である】
ということなんですね。
そのように考えると、
【消費税がかかってくるのは
建物の売却のみ】
ということになるわけです。
■そして、
この建物の売却により、
その期の課税売上高が5千万円を超えると、
【その翌々年においては
簡易課税制度が選択できないことになり、
原則課税により計算する】
ということに。
場合によっては、
【簡易課税が大きく有利である】
ということも想定されますので、
そのような状況下においては、
【売却のタイミング】
も注意すべきである
と言えるでしょう。
■また、
この売却をする期において
『原則課税』により計算している
状況においては、
『土地の譲渡』
も乗ってきますので、
【非課税売上の割合が増える】
ということも想定されます。
このような状況下において
もう一点注意が必要なのが、
【課税売上割合】
なんですね。
『課税売上割合』とは
読んで字の如くなのですが、
【課税売上高と
非課税売上高の合計額の内に
この課税売上高が
どれだけ占めているか】
という割合のこと。
そして、この割合が
95%未満となれば、
【経費などの支払いに際して
支払った消費税は、
その課税売上の割合分しか
引いてもらえませんよ】
というのが大枠の考え方となります。
■そのような状況ですので、
【土地と建物の売却により、
課税売上割合が減少する】
ということを念頭において、
消費税の納税の際に
差し引いてもらえる課税仕入れ…
つまり、
【経費や固定資産などの購入の際に
支払った消費税となる部分が制限される】
ということを念頭においておきたい
ものです。
■このように、
売却した期において、
原則課税で計算している
状況下においては、
建物にかかってくる消費税のほか、
【消費税法上の経費として考えられる
課税仕入れが少なくなる】
ということも想定しておかなければ
なりません。
それとともに、
【当期の課税売上高が
5千万円を超えている状況になれば、
翌々年は簡易課税制度は選択できない】
ということも併せて
注意しておきたいものです。
■今日は、
資金繰りの関係上、
不動産を売却する場合の注意点について、
主に『消費税のこと』についての
お話を進めてまいりました。
何はともあれ、
大きな金額が動く取引をする際には、
必ず税理士に相談をするか、
自分で調べるにしても、
漏れのないように的確に調べ、
【損のない税務判断】
をしてその手続きを進めたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・不動産の売却に際しては、
【特に消費税について
大きな注意が必要である】
と言える。
・注意すべき論点の一つが、
【翌々期において簡易課税制度が
使えなくなるかもしれない】
ということ。
・もう一点については、
【売却した当期の課税売上割合が
95%未満になるかもしれない】
ということ。
・そのような複数の要素を総合勘案して、
場合によっては
【不動産を売却するタイミングを
検討することも有用であるもの】
と心得ておくべし。
・とは言え、不動産の時価も
変動するものであるため、
その辺も相互勘案して
検討したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。