2022年10月29日節税においても【ゆりかごから墓場まで】の意識で
■社会保障の世界においては、
『ゆりかごから墓場まで』
という言葉がありますが、
結局のところ
【最初から最後まで
充実した内容でないと
意味をなさない】
ということが言えそうです。
これについては『節税』も同様で、
【入口があっての出口】
ということを、
実際に節税をする際には
考えておかなければなりません。
■代表的な節税として、
【倒産防止共済】や【家賃の前払い】
が挙げられます。
『倒産防止共済』についても
『家賃の前払い』についても、
【実態は課税の繰延である】
ということをまず理解しておくべき
でしょう。
多くの支出をした当期は、
当然その支出をした分
税負担が減るものの、
翌期以降は通常通りの支払い
となりますので、
【税負担は通常通り】
ということになるわけですね。
■その上、
『倒産防止共済』については、
【満額800万円まで積み立てが
完了すると、
それ以上は積み立てができない】
ということ、
そして、
【この積み立てた金額を
使おうとするには、
800万円全額を下ろさないといけない】
ということとともに、
【その800万円が全額『収益』となる】
ということも考えておかなければ
なりません。
『法人』においては、
800万円を超える所得に対しては、
法人税率が高くなりますので、
そういった点も
注意しておく必要がある
というもの。
■また、
『家賃』については、
【大家さんとの契約のやり直し】
が必要となりますし、
【ひと度一年分ほどの家賃を
前払いすると、
その後も毎期同じような前払いを
繰り返していく必要がある】
ということになります。
したがって、
『倒産防止共済』については、
【解約時点に大きく
収益が乗ってくる】
ということに対し、
【何かしらの経費をぶつける必要がある
(退職金は良い例です)】
と言えますし、
『家賃の前払い』については、
【そもそもの契約が変更になる】
というリスクを考えておかなければ
なりません。
■そして、
決定的なのが、退職金目的の
いわゆる積立型とも言える
【生命保険の契約】。
これについては、
【解約返戻率が70%から90%】
ということも多く、
『退職金を支払う』
というイベントは、
生命保険を契約しているか否か
にかかわらず、
必ず訪れるものであるため、
『生命保険料を支払って損金にし、
これを解約するタイミングで
入ってくる生命保険金が
収益として計上され、
そこに退職金をぶつけることにより
節税となる』
という論点は、
【全くもって意味をなさない】
ということが分かるかと思います。
(とは言え、文章だけでは
分かりにくいですが…)
■結局のところは、
【解約返戻率が100%を下回る分だけ、
資金的には損をしてしまう】
ということなんですね。
その上、退職のタイミングなど
【結局のところは
その時にならないと分からないもの】
でもあるため、
むしろそういった
【不確実な予測の下の契約は
危険である】
とも言えます。
とは言え、
【必要となる保障を
得るための生命保険】
となると話は別なのですが、
そういった目的であれば、
【掛け捨ての生命保険契約】
にすれば良いでしょう。
■いろいろ述べてはきましたが、
『ゆりかごから墓場まで』
ではありませんが、
『節税』においても、
【入口ばかりを見ていては
失敗してしまう】
ということを
重々意識しておく必要がある
と言えます。
しっかりと、
節税対策をする際には、
【その先がどうなるか】
ということを的確に把握し、
【真っ当な節税対策】
をしていきたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『節税』は往々にして
【課税の繰延であること】
が大半であると言える。
・『入口』の段階では
確かに節税になるものの、
【出口まで見た時に、
トータルして節税になっているか】、
または、
【出口のタイミングで節税となる
適切な手立てを打つ必要がある】
と心得ておくべし。
・どうしても『税金が安くなる』
ということに目が行きがちであるが、
【出口】までしっかり見据えて、
適切な節税対策をしたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。