2023年3月16日【現金がないのに課税される】というツラい税のお話
どうしても確定申告の時期は
デスクワーク中心になりがちなもの。
ようやくその業務も落ち着いてきたため、
今度はリアルでお客様とお会いできる機会を
増やしていくことができる時期に
なってまいりました。
今からすごく楽しみです。
それぞれの仕事の価値観なのでしょうが、
私はやはりリアルでお会いできる環境が
好きだなーと感じますね(^^)
さて、本題です。
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■以前の記事の中で、
【現金がないにもかかわらず
税負担が出る】
というようなことをお話し
させていただきました。
<2023.3.14【目に見えない収入】を
申告に入れていますか?>
https://muratax.com/2023/03/14/6253/
例としては、
【外貨預金を保有】
している場合で、それを年度末に
法人が持っている場合、
その時の為替レートにて円換算し、
その差額を『為替差益』や
『為替差損』として
【収益または費用として
計上しなければならない】
というようなことが。
■また、
海外のFXに関しては、
【たとえ現金化されていなくても、
その年度末時点における状況】
で損益を確定し、これを
【確定申告に盛り込まなければならない】
ということでした。
いずれにせよ、現金化されていない部分
についての損益となり、
これが利益となる面に出た際は、
【現金がないのにもかかわらず
税負担が増えてしまう】
ということにもなりかねません。
■今日もそのことに続けて
お話をしていくのですが、
外資系の会社に勤務されている場合は、
『RSU』や『ESPP』などという
【優遇された条件にて
株式を保有することができる】
という機会があろうかと思います。
私の確定申告のお客様においても、
上述したRSUとESPPの取引が
ありましたので、
今日はそのことについて
触れてみたいと思います。
■『RSU』は
とある要件をクリアすることで、
その権利を行使することが可能
となるいわゆる
【譲渡制限付の株式】
のことを指します。
勤続年数が何年…という時点で
【株式の譲渡制限が解除され、
その時にその権利を行使する】
ということが可能となるような
状況なんですね。
■要は
前から持っていた株が
【ようやく自分のものとして
その権利を使える】
ということ。
この権利を使えることとなった際に、
【株式の時価に相当する金額が、
給与所得として課税される】
ということに。
これについても、
【現金化されていないものの、
確定申告に盛り込まなければいけない項目】
というわけですね。
■次に、『ESPP』ついては、
【自社株を割引で購入できる】
という制度のことになります。
これについては、割安に自社株を
購入することができ、結果として
【利益が出た段階】
で、これもまた
【給与所得となり、確定申告に
盛り込まなければならない】
ということになるわけです。
■いずれにせよ、
【目に見えて現金が
増えているわけではない】
のですが、
これについての利益を確定し、
確定申告をすることにより、
【所得税や住民税が増加する】
ということは避けられなさそうです。
そのように考えると、
【現金化されていない部分の
利益に対する税金はなんとも
負担が重たいもの】
というものではないでしょうか。
■上述した
RSUもESPPも、
いずれも給与所得として
課税されますので、いわば
【コントロールの効かない税金】
となります。
これが事業所得という場合であれば、
【経費を事業に直接関係のあるもの】
として追加することにより、
【結果としての利益は小さくできる】
というもの。
しかしながら給与所得となると、
給与に対する経費は
国税庁が決めていますので、
【経費の調整をするということが難しい】
ということに。
そうなると
【節税策は限られてくる】
というもので、
対策すべきはiDeCo加入であったり、
住民税を前払いするための
ふるさと納税であったり…
といった位でしょう。
どうしても
【雇用されていると、税金の調整がしにくい】
ということは覚えておいた方が
良さそうです。
■それを念頭に置いて、
上述したRSUやESPP等に関しても、
場合によっては
【税の対象になる】
ということを知っておきたいもの。
特に外資系の企業となると、
給与所得も大きなものになっている
ということが往々にして
考えられますので、
所得税の超過累進税率で考えると、
【所得が増えれば増えるほど、
税率が高くなっていく】
という傾向があります。
<所得税の税率-国税庁HPより>
所得税超過累進税率
そのように税率の高い状況で、
上述したような給与所得が
増加してしまうと、
【思ってもみないような
税負担が増加する】
ということなんですね。
■こういった、
確定申告や税金の全体像を
知っておくだけでも、今後、
【利益を確定するタイミングなどを
気に留めることができる】
というものでしょう。
一見コントロールが効かないと思われる
こういった所得であっても、
場合によっては
【利益を確定するタイミングをズラす】
ことができるかもしれません。
そのようなことを念頭に置いて、
適切な税務の知識を携えて、
上手な確定申告を心掛けたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・現金が増えていない中で
利益を確定させ、
【その確定した利益をもとに
所得税や住民税が課税される】
ということが現実として起こり得る
ものと心得ておくべし。
・サラリーマンについては、
【給与所得の経費が給与所得控除】
として決まっている】
ため、
【基本的に税金のコントロールは難しい】
というもの。
・そのようなことから考えると
【iDeCoやふるさと納税により
税金をコントロールするほかない】
と言える。
・所得税は超過累進税率という考えから、
所得が増えるほどその税負担が
高くなるため、上述してきたような
【利益確定するタイミング】
を考え、上手に時期をコントロールして、
無駄な税金を払いすぎないように
注意したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。